2012年1月31日火曜日

シカゴ・ホワイトソックス

CWSの注目選手を紹介します。

”クリス・セール”
ドラフトされたその年にメジャーデビューした逸材で、初のフルシーズンだった昨季は防御率2.79とまずまずの成績を残しました。
先発転向の考えられていますが、ソーントンが昨季クローザーを全うできなかったことを考えればセールがクローザーに据えられる可能性もあります。
やはり課題は制球力で、10.00を超える奪三振率を維持したまま四球率は改善しなくてはなりません。
これが改善されればベンタースに次ぐMLB最高クラスのリリーフ左腕になってもおかしくないでしょう。
『FANGRAPHS』のビル・ジェームズの予想では今季の成績は
��勝3敗 防御率2.83 70.0回 87三振 28四球 WHIP1.16
と今季とあまり変わり映えしないようです。

”アダム・ダン”
昨季期待を裏切った選手は数多くいますが、彼ほどガッカリさせてくれた選手は他にいません。
安定した長打力、選球眼に加えて本拠地が本塁打の出やすいセルラー・フィールドになったことで本塁打王候補になっていましたが、蓋を開けてみれば打率.159、本塁打11と大不調でした。
昨季これほど不調に陥った原因がイマイチわからず、果たしてリーグが変わっただけでここまで落ちるものなのか不思議です。
BABIPが.240とかなり低かったことも原因の一端なのでしょうが、長打の急激な減少はあまりにも不可解です。
せめてもの救いは四球率は高かったところでしょうか。
果たして彼は復活できるのか?
今季は彼にとって非常に重要なシーズンになりそうです。
『FANGRAPHS』のビル・ジェームズの予想では今季の成績は
116試合 打率.220 20本塁打 55打点 出塁率.292 OSP.798 
とやはり低調な成績が予想されています。

”ジョン・ダンクス”
エースと呼べる投手がいないこのチームから、バーリーという安定感のある投手がいなくなったことで先発投手陣は安定感をなくしてしまいました。
そこで安定感ある投手へと成長することが期待されるのが新たに契約を延長したダンクスです。
彼はまだ26歳ですし、3年連続防御率3点台などの実績もあります。
昨季はあまり良くありませんでしたが、そろそろ一皮むけてもいいころです。
奪三振力をみる限りエースになるタイプではありませんが、バーリーのような投手にはなれそうです。
今季のノルマは200イニングと防御率3点台というところでしょうか。
『FANGRAPHS』のビル・ジェームズの予想では今季の成績は
9勝11敗 防御率3.85 180.0回 143三振 54四球 WHIP1.29
となっています。

2012年1月30日月曜日

若手ブレイク候補

今季活躍しそうなメジャーキャリア二年未満で且つ24歳以下の選手を探してみます。

マット・ムーア(TB)
昨季終盤に昇格し、素晴らしいピッチングを見せました。
プレーオフでも登板したことが大きな経験になったと思います。
現在の若手先発投手の中で最も奪三振を期待できる投手です。

マイケル・ピネダ(NYY)
このオフにNYYにトレードされましたが、投手にとってはあまりありがたくないヤンキー・スタジアムでどれだけ活躍できるか。
NYYという最高レベルのネームバリューを持ったチームで活躍すれば、一気にスターダムを駆け上がる可能性があります。
このまま先発としてやっていくにはやや球種が少ないのが不安材料です。

ブレット・ロウリー(TOR)
長打力を持った三塁手がやや少ない今、ムースタカスとともに最も将来に期待できる選手です。
TORの将来を担う選手でしょう。

クリス・セール(CWS)
今季はクローザーもありえるので、一気に知名度が上がる可能性があります。
左腕のリリーフでは最も期待できる若手です。
先発転向なども考えられているようですが。

ロニー・チゼンホール(CLE)
カルロス・サンタナとともにCLEの将来を担う若手です。
今季はメジャーに適応して20本塁打を打てれば合格点でしょう。

マイク・ムースタカス(KC)
既に結果を残したホズマーと違い、メジャー適応にはやや時間がかかりました。
ですが昨季後半を見るに適応には成功したと考えていいでしょう。
今季は本格的にブレイクの年になりそうです。

ジャロッド・パーカー(OAK)
このオフにトレードされてきた元ARIマイナー最高の投手。
昨年はメジャーも経験し、今季はローテーションの一角として活躍してくれるでしょう。

ヘスス・モンテロ(SEA)
SEAにとっては彼はただの若手ではなく、将来を担う選手です。
ピッチャーズパークのSEAでは苦戦するでしょうが、そのポテンシャルを考えれば活躍は必至です。

ドリュー・ポメランツ(COL)
COLの投手にとって非常に過酷な環境に適応できるかどうかです。
ポテンシャルは素晴らしいので適応できればCOLの左腕のエースになれるでしょう。

ヨンダー・アロンゾ(SD)
彼にとっては不運なことに、新天地は打者にとっては最悪なSDになってしまいました。
昨年はアウェイでも素晴らしい成績を残したので、今季はペトコ・パーク以外では活躍できるのではないでしょうか。


本来ならマイク・トラウトもいれるべきだったのでしょうが、LAAではまだ満足な出場機会は得られないでしょう。
ボージャス、ウェルズの休養日に入る程度になると思います。
有望な若手を探していくと、やはりKCが目立ちます。
今季の野手の陣容を見てみると、なんと全員が20代です。
しかも最も年齢が高いのが28歳のゴードンで、内野に至っては25歳が最高です。
今季はチームの成績は度外視で若手の成長に賭けるシーズンになりそうで、とても楽しみです。

2012年1月17日火曜日

現在最強の左打者は誰か

プリンス・フィルダーの契約が未だにきまらず、MLBファンはやきもきしていることでしょう。
フィルダーと言えば現役最強の左打者の候補にも挙げられますが、現在最も優秀な左打者を考察してみたいと思います。

まず候補としてカーティス・グランダーソン、ジョシュ・ハミルトン、エイドリアン・ゴンザレス、ライアン・ハワード、カルロス・ゴンザレス、ジャコビー・エルズベリー、プリンス・フィルダー、ジョーイ・ボットー、ロビンソン・カノーを挙げておきます。
さらに私はこの中からA・ゴンザレス、P・フィルダー、J・ボットーの三人に絞り込みました。

他の打者を外した理由は以下の通りです。

C・グランダーソン:今季は本塁打増加したものの確実性(打率、三振)で劣る

J・ハミルトン:怪我さえなければ素晴らしい成績を残すものの左投手とデーゲームに弱い

R・ハワード:パワーと打点を稼ぐ能力は随一だが確実性で劣る

C・ゴンザレス:ヒッターズパークの恩恵をモロに受けておりアウェイでは並の打者

J・エルズベリー:今季は躍進したがフロックの可能性を捨てきれない

R・カノー:打率が高く本塁打も多いが四球が少なく出塁率は高くない

残った三選手を詳しく考察します。

プリンス・フィルダー
現役では一二を争うパワーの持ち主。
打率3割を超えたことはないものの、キャリア通算.288とそれほど低打率でもなく、MILのような強力打線にあってもかなり警戒されて四球数は3年連続で100を超えており、出塁率も通算.390とかなりハイレベル。
大きな怪我はなく毎年ほとんどの試合に出場している。
年によって差はあるものの左打者には強くない。
通算OPS.929

エイドリアン・ゴンザレス
打者にとっては最悪なペトコパークでプレイしてきたにも関わらず、40本塁打や打率3割も経験したことのある好打者。
BOSに移籍した今季は本塁打こそ30本に届かなかったものの打率.338を記録し、OPSも.950越え。
SDでは警戒を一身に受けていたものの四球数が100を超えたのは一度だけ。
通算出塁率.375もフィルダーにはかなり劣る。
フィルダー同様大きなケガはなく毎年ほぼ全試合に出る。
ここ二年は左投手を苦手としていない。
通算OPS.889

ジョーイ・ボットー
昨年のナ・リーグMVP。
通算打率.313、通算出塁率.405と非の打ち所のない成績。
本塁打も30本前後が見込める。
今季は161試合に出場したものの、他の年を比べると上記2名には耐久性で劣る。
昨年は対左と対右で打率に大きな差があったものの、キャリアを通じてみれば左投手を全く苦手にしておらず、むしろ得意といってもよく対左では上記2名を大きく上回る。
ナ・リーグでも屈指のヒッターズパークを本拠地に持つにも関わらず、なぜか毎年アウェイの方が好成績を残す不思議な打者。
はっきり言って弱点と言える弱点がなく、現役の左打者の中では最も完成された存在。
本塁打はフィルダーほどは打っていないもののOPSは非常に優れており、通算OPS.955。


以上から現在最強の左打者はジョーイ・ボットーだと思われます。
MVPを獲得したことがあるにも関わらず地味な印象が拭えない選手ではありますが、彼がFAになる2013年オフは争奪戦になることでしょう。

2012年1月15日日曜日

ストーブリーグ

黒田投手の移籍先がついに決まりましたね。
その移籍先はなんとNYY。
優勝争いができるチームを希望していた黒田と、プレーオフの試合を任せられる安定感のある投手を求めていたNYYの思惑が合致した形になりました。
黒田は1年1000万ドルなので若手が育つまでの一年間のつなぎでしょう。
これで今までのような無援護に悩まされることはなさそうですが、本拠地が打者有利(特にホームランが出やすい)で打撃の強いチームが多い東地区のNYYですから勝敗以外のスタッツは落ちる可能性が高いです。
ビル・ジェームズの予想では
11勝11敗 防御率3.57 204.0回 145奪三振 49四球 被本塁打23 WHIP1.22
となっていますが、これはLAD残留を想定した予想です。
なので私は
16勝9敗 防御率3.85 204.0回 150奪三振 52四球 被本塁打25 WHIP1.25
程度になると予想します。
安定感のある先発投手の不足に悩んでいたNYYにとってはいい補強になりましたね。

他にもNYY⇔SEAでビッグトレードが行われました。
NYYはヘスス・モンテロとヘクター・ノエシを放出し、SEAからマイケル・ピネダとホゼ・カンポスを獲得しました。
NYYは将来性もあり即戦力のあるピネダを獲得し、SEAは打撃力の高いモンテロを獲得するというwin-winのトレードになりそうです。
しかしピネダの影に隠れてあまり注目されていませんがカンポスもかなりのポテンシャルの持ち主です。
19歳ですが球威があり奪三振力も高く、フェリックス級の投手に育つ可能性もあります。
モンテロがいなくなってもサンチェスという有望株がいますし、キャッシュマンGMの若手有望株をプロテクトする方針は功を奏してきているようです。
来季以降もNYYは楽しみです。

2012年1月10日火曜日

日本人選手の挑戦

今年も日本人選手が海を渡りMLBに挑戦します。
現時点で移籍が決定したのは3人です。
残念ながら中島は破談してしまい、青木とダルビッシュは交渉中です。
そこで既に決定した3選手の来季がどうなるのか予想してみます。

・岩隈久志”SEA 1年150万ドル 出来高340万ドル”
岩隈は昨年ポスティングによりOAKと交渉しましたが破談してしまいました。
当時OAKが提示した条件よりだいぶグレードが下がってしまいましたが、最初はこれくらいの方が本人もやりやすいのではないでしょうか。

MLBでの成功を握るカギは”耐久性”と”スプリッターの制球”の二つになるでしょう。
耐久性は当然ながら中4日でのローテーションに耐えられるかというところですが、今までの故障歴から考えるにおそらくフルシーズン先発ローテーションを守りきるのは難しいと思われます。
しかし彼の”無理をしない”という信条は日本よりもむしろMLBのほうがあっているのではないでしょうか
後者は非常に重要な要素になります。
彼が最も評価されているのがこの低めにコントロールされたスプリッターです。
そもそもMLBでは使い手の少ないスプリッターをどこまで磨くことができるか。
黒田もこの球種を駆使して活躍しています。

SEAは打線の援護がほとんど見込めず、勝敗はあまりよくないものになるかもしれませんが、幸運にも本拠地はリーグ屈指のピッチャーズパークです。
うまくやれば内容はそれなりのものになるのではないでしょうか。
��勝10敗 防御率3.70 投球回150 奪三振138 四球40
と予想します。

・和田毅”BAL 2年815万ドル”
激戦区であるア・リーグ東地区にはいってしまったのは不運ですが、年俸も適正ですしあまり過度なプレッシャーも受けることがないのでなかなかいいのではないでしょうか。

アメリカでは日本のジェイミー・モイヤーという報道もあった和田ですが、制球力が鍵を握りそうです。
独特のフォームで打者のタイミングをはずし、抜群の制球力で翻弄する。
これが出来ればMLBでも活躍できるでしょう。
しかし球質の軽さは不安要素です。
特に同地区にNYY、BOSという驚異的な打線を持つチームがあることもあり、被本塁打はかなり多くなりそうです。
フォームが独特でMLBでは通用しやすいのではないかという声もあがっていますが、先発だと慣れられてフォームのアドバンテージはあまり見込めないでしょう。
上原のようにリリーフ転向になる可能性も低くはありません。
和田にとっては幸運なことに、BALは先発ローテーションが確定しておらず、ガスリー以外の若手投手たちとの競争になります。
しかし年齢ではアドバンテージがなく、同程度の実力だった場合は若手が優先されてしまうのも確かです。
被本塁打を恐るあまり四球が多くならないこと祈ります。
��勝12敗 防御率4.20 投球回140 奪三振120 四球50

・川崎宗則”SEA マイナー契約”
彼はイチローとプレーしたいという夢を叶えるために渡米します。
その夢を叶えるために貪欲になれるなら、メジャー昇格へのモチベーションとしては問題ないのではないでしょうか。
しかし川崎には酷なことですが、彼がSEAのレギュラーを奪い取るところは想像できません。
守備範囲は広くなく肩も弱いという時点でショートとサードは期待できず、セカンドは初のフルシーズンを迎える期待の星アックリーがいます。
川崎は俊足ではありますが打撃に関しては特筆すべきものはなく、早打ちでMLBでは好まれないタイプです。
年齢も30歳と将来の期待しての起用もないでしょうし、残念ですがメジャー昇格してもレギュラーは無さそうです。
唯一のいきる道は”足を活かす”です。
20試合 打率.220 本塁打0 打点5 盗塁8 
と予想します。
この予想をいい意味で裏切ってくれれば日本人としては嬉しいところですが。