2014年7月30日水曜日

和田毅メジャー初勝利!

和田は日本を代表する左腕として活躍し、オリオールズと契約し渡米後まもなく故障によりTJ手術を受け、一度もメジャーの舞台で投げることなく新天地に活躍の場を求めた。
そして念願叶いカブスでメジャーデビューを果たし、初登板の試合では5回無失点と好投してみせた。
しかし次の試合では5失点するなどメジャーの洗礼を浴び、迎えたメジャー3戦目で彼はついにメジャー初勝利をあげた。
相手は強打のロッキーズ打線、主砲のトゥロウィツキーがいないとは言え7回1失点と封じてみせたのは今後への好材料だ。
球威に乏しい和田にとって生命線になるのは制球力であり、実際5失点した前回登板では4四球と制球の乱れが乱調の大きな原因になった。
再建中のチームにあって33歳の投手というのは好条件ではないが、生き残りをかけて今後の登板は一度たりとも気が抜けない。
もし彼が他の日本人投手のようにチームに必要なローテーションの軸になることができれば、日本の投手力の高さを改めて証明することができるだろう。
今後の活躍に多いに期待したい。

2014年7月26日土曜日

次代のスーパースターはこの男だ! vol.4

★ノーラン・アレナード(ロッキーズ)
  • Born: 4/16/1991 in Newport BeachCA 
  • Bats/Throws: R/R
  •  
  • HT: 6'2''
  •  
  • WT: 205
  • Debut: 4/28/2013
  •  
  • College: N/A

ロッキーズには、どこのチームも欲しがる圧倒的な選手がいる。
MLB最高の遊撃手トロイ・トゥロウィツキーだ。
彼の魅力は遊撃手としては最高の打力と最高峰の守備力を兼ね備えていることだ。
彼が守るロッキーズの内野はまさに鉄壁だが、今のロッキーズは彼だけが要ではない。
なぜなら昨季そこにアレナードが新たに加わったからだ。
ロッキーズ屈指の有望株として評価されていた彼がメジャーデビューを果たしたのは2013年のこと。
打撃では飛び抜けたものこそ持っている訳ではなかったがバランスがよく、何よりその守備力が頭一つ抜けていた。
メジャー昇格後の彼は打撃ではクアーズ・フィールドの恩恵を受けながらも”そこそこ”のレベルで落ち着いていたが、その守備で多くのファンを魅了した。
守備範囲、肩、センス、どれをとっても最高峰で三塁守備に限って言えば既にMLB全体でも3指に入る存在と言っていいだろう。
今季は28試合連続安打をするなど打撃の方も成長を見せており、数年後には三塁手版トロイ・トゥロウィツキーという評価を受けていてもおかしくない若手だ。









次代のスーパースターはこの男だ! vol.3

★ゲリット・コール(パイレーツ)
  • Born: 9/8/1990 in Newport BeachCA 
  • Bats/Throws: R/R
  •  
  • HT: 6'4''
  •  
  • WT: 240
  • Debut: 6/11/2013
  •  
  • College: UCLA

パイレーツの次期エース候補ゲリット・コールは平均95mph超えの豪速球を武器にする2011年の全米1位指名投手である。
そのポテンシャルの高さは誰もが認めるところで、速球投手にありがちな制球難に苦しめられてもおらず年齢の割に完成度が高い。
デビューイヤーとなった昨季は大きく苦しむことも少なく、序盤は少なかった奪三振も日を追うごとに増えていった。
9月には5試合で防御率1.69とメジャーリーガー達を圧倒し、パイレーツの誇る強力ローテーションの一角として多いに活躍し、チームに貢献した。
昨季は新人王を獲得したホゼ・フェルナンデスを筆頭にルーキーに好投手が揃っていたためデビューの遅かった彼は新人王レースでは目立つことはなかったが、ファンに将来のMLBを背負ってたつポテンシャルを見せつけることはできた。
2年目となった今季は当然エース級の活躍が期待されたが、現在は怪我もあって少しばかり調子を落としている。
速球投手の多くが付き合うことになる早期の故障にも、いずれ彼は向き合わなくてはならないだろう。
フェルナンデスのようにいつTJ手術で1年を棒に振ることになるかもわからない。
それでも多くのファンにとって彼は夢を見させてくれる存在だ。
速球投手、特にゲリット・コールという男にはそれだけ大きなスケールと魅力がある。






2014年7月8日火曜日

オールスター選出選手発表

2014年7月15日に行われるオールスターのメンバーが、両リーグ最後の1人を残して発表された。
選出結果は以下の通り。

ア・リーグ

先発野手
C マット・ウィーターズ(オリオールズ)
1B ミゲル・カブレラ(タイガース)
2B ロビンソン・カノー(マリナーズ)
SS デレク・ジーター(ヤンキース)
3B ジョシュ・ドナルドソン(アスレチックス)
OF ホゼ・バティスタ(ブルージェイズ)
OF マイク・トラウト(エンジェルス)
OF アダム・ジョーンズ(オリオールズ)
DH ネルソン・クルーズ(オリオールズ)

投手
フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)
ダルビッシュ有(レンジャーズ)
田中将大(ヤンキース)
マックス・シャーザー(タイガース)
デビッド・プライス(レイズ)
スコット・カズミア(アスレチックス)
ジョン・レスター(レッドソックス)
マーク・バーリー(ブルージェイズ)
デリン・ベタンセス(ヤンキース)
ショーン・ドゥーリトル(アスレチックス)
グレン・パーキンス(ツインズ)
グレッグ・ホランド(ロイヤルズ)

控え野手
C デレク・ノリス(アスレチックス)
C サルバドール・ペレス(ロイヤルズ)
C カート・スズキ(ツインズ)
1B ホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス)
1B ブランドン・モス(アスレチックス)
2B ホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)
SS アレクセイ・ラミレス(ホワイトソックス)
3B エイドリアン・ベルトレ(レンジャーズ)
OF マイケル・ブラントリー(インディアンス)
OF ヨエニス・セスペデス(アスレチックス)
OF アレックス・ゴードン(ロイヤルズ)
DH エドウィン・エンカーナシオン(ブルージェイズ)
DH ビクター・マルチネス(タイガース)


ナ・リーグ

先発野手
C ヤディアー・モリーナ(カージナルス)
1B ポール・ゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)
2B チェイス・アトリー(フィリーズ)
SS トロイ・トゥロウィツキ(ロッキーズ)
3B アラミス・ラミレス(ブルワーズ)
OF アンドリュー・マッカッチェン(パイレーツ)
OF カルロス・ゴメス(ブルワーズ)
OF ヤシエル・プイグ(ドジャース)

投手
カレイトン・カーショウ(ドジャース)
ザック・グレインキー(ドジャース)
ジョニー・クエト(レッズ)
マディソン・バンガーナー(ジャイアンツ)
タイソン・ロス(パドレス)
ジェフ・サマージャ(カブス/アスレチックス)
フリオ・テヘラン(ブレーブス)
アダム・ウェインライト(カージナルス)
ジョーダン・ジマーマン(ナショナルズ)
フランシスコ・ロドリゲス(ブルワーズ)
パット・ニーシェック(カージナルス)
トニー・ワトソン(パイレーツ)
アロルディス・チャプマン(レッズ)
クレイグ・キンブレル(ブレーブス)

控え野手
C ジョナサン・ルクロイ(ブルワーズ)
C デビン・メゾラコ(レッズ)
1B フレディ・フリーマン(ブレーブス)
2B ディー・ゴードン(ドジャース)
2B ダニエル・マーフィ(メッツ)
SS スターリン・カストロ(カブス)
3B マット・カーペンター(カージナルス)
3B トッド・フレイジャー(レッズ)
OF チャーリー・ブラックモン(ロッキーズ)
OF ジョシュ・ハリソン(パイレーツ)
OF ハンター・ペンス(ジャイアンツ)
OF ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)

両リーグで最多選出チームは6人のアスレチックスで、チームの好調さがそのまま結果に出た形だ。
上原が選ばれていないなど不可解な点もあるにはあるが、それがオールスターというもの。
この中でも最も注目すべきなのはもちろんジーターだ。
MLB屈指のスター選手最後のオールスターであり、昨季のリベラ同様特別な計らいがあることだろう。
日本人は田中、ダルビッシュの2人が選ばれており、並み居る強打者相手にどういったパフォーマンスを見せるか注目だ。

最後の1人を決めるファイナルボートには以下の選手たちが選ばれている。

ア・リーグ
クリス・セール(ホワイトソックス)
ギャレット・リチャーズ(エンジェルス)
リック・ポーセロ(タイガース)
コリー・クルーバー(インディアンス)
ダラス・カイコ(アストロズ)

ナ・リーグ
ジャスティン・モーノー(ロッキーズ)
アンソニー・レンドン(ナショナルズ)
アンソニー・リゾー(カブス)
ケイシー・マギー(マーリンズ)
ジャスティン・アップトン(ブレーブス)


2014年7月6日日曜日

止まらないカーショウの圧倒的パフォーマンス

出遅れはしたものの、やはりクレイトン・カーショウはMLB最高の投手である。
そう断言するに足るパフォーマンスを今の彼は見せ続けている。
先月彼がノーヒッターを達成したのは記憶に新しいが、そこからも彼の勢いは止まらずにその試合も含めて4試合連続で無失点を記録しているのだ。
これで連続無失点イニングは36にまで伸びた。
MLB記録は1988年にオーレル・ハーシュハイザーが樹立した59イニング連続無失点だが、この不滅の記録の更新も不可能ではないのではないかと思わせる程の勢いが今のカーショウにはある。
また6月最初の登板から続けている連勝も7にまで伸びており、後半戦が非常に楽しみだ。


2014年7月4日金曜日

田中将大 MLB移籍後初のQS失敗

ヤンキースの田中がこの日ツインズ戦に登板し、元ヤンキースのフィル・ヒューズとの投げ合いを制して12勝目を手にした。
しかしこの試合勝利はしたものの、田中はMLB移籍後初となるQS(クオリティ・スタート)失敗を記録してしまった。

最近日本でもよく聞かれるようになったQSという言葉。
その意味は6回以上を3自責点以内に抑えること、つまり先発投手として最低限の仕事を果たしているかどうかを示している。
そしてQS率を見ることで、その投手がどれほどの試合で最低限の仕事を果たしたかわかり、登板ごとの安定感をはかることもできる。
具体例を挙げると、18勝3敗 防御率2.90という好成績でシーズンを終えた2008年の松坂は内容的にはあまり良いものではなかったというのは識者の間での見解だが、それを裏付ける数値の一つとして48%という非常に低いQS率がある。
これは彼の登板試合のうちの半分で先発としての最低限の仕事を果たせなかったということである。
それでも彼が見た目は好成績を残せたのは打線やリリーフ、そして運の良さに多いに助けられたからに他ならない。
このQS率はシーズンごとに見てもたいていサイ・ヤング賞争いをするようなトップクラスの投手で80%前後といったところで、70%を超えればかなりの好投手と言っていいだろう。
昨季防御率1.83という歴史的活躍を見せたカーショウでもQS率は82%でしかなかったということが、シーズンを通して安定感を維持し続けることの難しさを示している。

さてここで田中の話に戻るが、彼はMLB移籍後ここまで16試合連続でQSに成功していた。
しかし今日の試合惜しくも7回に失点したことでこの記録は途絶えてしまった。
これで田中のQS率は94%。
QS率だけ見ても後ろからフェリックス・ヘルナンデスが追ってきている。
昨季日本でシーズン無敗を達成したときのように、今季はQS率100%という数字が田中を特別な存在に押し上げていたのだが、これでその特別さは失われてしまった。
そのずば抜けた安定感でレースをリードしていた田中、破竹の勢いでハイパフォーマンスを続け多くのスタッツで田中を上回るヘルナンデス。
田中の記録が途切れたのは残念だが、このサイ・ヤング賞レースがどうなるのかが非常に楽しなものになってきた。