2014年2月24日月曜日

ヤンキースがブレット・ガードナーと4年の延長契約

ブレット・ガードナー(30)がヤンキースと4年5200万ドルの延長契約を交わした。
この契約は二ケタ本塁打を打ったことがない選手、しかもレフトという攻撃的なポジションの選手に対してではかなり高額な部類に入るのではないだろうか。
彼の打撃の魅力は投手に多くのボールを投げさせることだ。
打撃能力はそれほど高いわけではないが、球数を多く消費させ塁に出ることを信条とするいやらしい打者だ。
しかし好調な年でもフルシーズンでOPS.800を越えないその打撃はレフトとしては明らかにパワー不足。
彼は打撃ではなく、守備・走塁で高く評価されている選手だ。
レフトでの守備力はリーグでも指折りで、スピードを活かした広い守備範囲で好守を披露してくれる。
走塁もリーグ屈指でただ単に足が速いだけではなく走塁技術も高い為フルシーズン出ることができれば盗塁王も狙える。
そのため本来ならばセンターで使いたい選手なのだが今季からはエルズベリーが加入したことでしばらくはセンターにエルズベリー、レフトにガードナーという体制でいくことになる。
ガードナーが優秀な外野手であることは間違いないのだが、それではこれからの4年間に5200万ドルの価値があるだろうかと考えると少し疑問を生じる。
足を活かした二塁打や三塁打を量産してくれれば問題ないが、2013年には四球率が下がり三振率が上がってしまった。
これから打撃力が落ちていけばレフトのレギュラーとして使うのは厳しくなってくる。
守備・走塁も走力が衰えていけば下降線をたどるだろう。
2010年のパフォーマンスを4年間続けられるのなら5200万ドルは高くないが、それができる可能性は低い以上ガードナーに4年契約というのはリスキーである。
またこういう延長契約を安易にすることで若手選手の出場機会を制限することにもなる。
特にヤンキースの場合は内野のプロスペクトが少ない半面外野にはそれなりのプロスペクトがいる。
本来ならば今のレギュラーとの契約が切れた時点からそのプロスペクト達へと若返りを図るのが理想だったはずだ。
スレイド・ヒースコット、タイラー・オースティン、メイソン・ウィリアムズといったプロスペクトの出番を奪ってしまうガードナーとの契約は個人的にはあまりいいものには思えない。
ヤンキースは若返りを図るつもりはないのだろうか。



オリオールズがネルソン・クルーズと契約

FA市場の有力野手の一人ネルソン・クルーズがオリオールズと1年800万ドルで合意した。
ここ数年間打率.260 25本塁打前後を記録してきた打者にも関わらず条件がここまで低くなった理由は主に3つ。
①33歳と比較的高齢な上に守備・走塁面での貢献も期待できない。
②打撃も本拠地に助けられてきた面や出塁能力の低さなど手放しで評価できない部分がある。
③昨季の薬物スキャンダル選手の一人。

さらに1410万ドルのクオリファイングオファーを受けた選手だったため、獲得球団はドラフト指名権を失うというマイナス面が響いてここまで長引いてしまった。
実際の契約はクオリファイングオファーを大きく下回った上に単年契約を得られないというクルーズにとっては踏んだり蹴ったりの結果になったが、既に強力な打線を擁していたオリオールズがドラフト指名権を失うリスクを負ってまでクルーズを獲得したことは少しばかり意外だった。
オリオールズは先日ヒメネスを補強することで投手陣を強化したのだが、確かに外野手に関しては一抹の不安はあった。
ジョーンズとマーケイキスは不動としても、残るレフト候補が伸び悩み続けているヤングとまだメジャーフルシーズンの経験がないウルティアだったからだ。
ただクルーズの獲得でその不安が解消されたかというと、そういうわけでもない。
上記3点のようなマイナス要素がある上にこれでオリオールズ打線の右打者はジョーンズ、マチャド、クルーズ、ハーディ、ヤングという出塁能力の低い選手ばかりで埋め尽くされることになるからだ。
出塁率というものを神聖視する必要はないのだが、せっかくこれだけ長打力のある選手が多くいるのだから出塁して塁に帰ってくる役割の選手もいた方がいいだろう。
しかし残念ながらそういう選手がオリオールズには見当たらない。
個人的にはロイヤルズへ移籍した青木が入ればかなり重要な役割を担うことができるのではないかと思うが、それは現状叶わない。
果たしてオリオールズの重量打線は結果をだすことができるだろうか。

2014年2月23日日曜日

ドジャースがキューバの守備職人エリスベル・アルエバルエナを獲得

彼のプレーをWBCで見て衝撃を受けた日本のファンは少なくないのではないか。
ドジャースがキューバ代表の遊撃手エリスベル・アルエバルエナ(23)を5年2500万ドルで獲得したと発表した。
彼は2013年のWBCでキューバ代表として日本と対戦し、その守備の才能を見せつけてくれた。
185cmの恵まれた体格を持ちながら俊敏さもあり、もちろん強肩だ。
キューバには守備のいい内野手が多くおり、今までもメジャーでプレーした選手ではアレクセイ・ラミレス、ホゼ・イグレシアス、ユネル・エスコバーなどがいるが、いずれも守備面で高い評価を受けている。
だが同時に打撃面はそれほどハイレベルというわけでもないのが彼らの特徴。
早打ちという特徴をアルエバルエナも受け継いでおり、キューバリーグでも決して圧倒的な打撃を披露していたわけではない。
ただその守備の素晴らしさと若さから評価が高く、ドジャースはそこに価値を見出したのだろう。
これでドジャースが今オフに獲得したキューバ人選手はアレックス・ゲレーロと合わせて二人になる。
ゲレーロも守備の評価が高い二塁手で、いずれ彼らが二人ともメジャーに定着するのであれば珍しいキューバ人二遊間も出来上がる。
ドジャースがヤシエル・プイグの大活躍で味をしめてキューバ人選手獲得に積極的に乗り出している感は否めないが、実際ここ数年のキューバ人メジャーリーガーの活躍をみればそれも悪い投資ではないだろう。

ゲレーロの方はともかく、アルエバルエナは昇格に少し時間がかかるかもしれない。
彼自身の打撃力の問題があるのと同時に、ドジャースには現状ハンリー・ラミレスというスター遊撃手がいるからだ。
ラミレスとの契約は今季までで、今季終了後ドジャースが彼と契約延長するのかどうかは注目ポイントの一つとなっている。
ラミレスをコンバートしようにも三塁には今オフに2年契約を結んだフアン・ウリベがおり、人材はやや余り気味。
今思い描ける将来像としてはアルエバルエナの打撃が一定のラインに達すればラミレスを三塁手にコンバートし、そのころにはウリベとの契約も終了しているという状態だ。
そのためにはラミレスとの再契約のための資金も必要になり、ますます年俸総額が跳ねあがることになる。
ラミレスの年齢も考えれば長期契約するよりは素直にFA市場に出した方がいいと個人的には思う。
なぜならドジャースの内野にはコリー・シーガーというプロスペクトがいるからだ。
ヤンキースやフィリーズのような高齢者まみれのチームにしないためには多少結果が出なくても若返りを図る必要があり、ラミレスと長期契約すれば数年後のシーガーのレギュラー定着の障害になることは間違いない。
アルエバルエナ獲得はラミレス放出の予兆なのか、それともさらなる金満街道を歩んでいくのか見ものだ。

”追記”
アレックス・ゲレーロについては「アレックス・ゲレーロ、オリボに耳をかじられる」にて詳しく記述。

2014年2月21日金曜日

メジャー経験のあるNPB新外国人選手まとめ vol.2

☆クリス・ナーブソン(32)→ヤクルト
2013年 2試合 0勝0敗 防御率0.00 2.0回 0奪三振 1四球 WHIP1.00
通算 97試合 26勝18敗 防御率4.65 396.2回 326奪三振 150四球 WHIP1.37

2年連続で160回以上投げたこともある技巧派左腕。
身長190cmある左腕というのは日本では珍しいため、それが功を奏するのか全く役に立たないのか注目。
投球スタイルは日本の基準で考えても軟投派で、平均球速は87mph(約140km)前後と速球の威力はない。
しかしツーシームやカッターといったムービングファストボールを駆使し、遅いカーブやチェンジアップで緩急をつけることを得意とする。
日本のボールをどれだけコントロールできるか、長身をどれほど活かせるかがカギになってくるだろう。




☆コディ・ランサム(38)→西武
2013年 62試合 打率.189 9本塁打 20打点 出塁率.286 OPS.707 0盗塁
通算 383試合 打率.213 30本塁打 105打点 出塁率.303 OPS.703 6盗塁

常に脇役としてプレーしてきたベテラン内野手。
注目すべきはこれだけ打率が低いにも関わらずOPSは.700を維持している点。
AAAでは過去に5度20本塁打以上を放っており、潜在的なパワーはある。
コンタクト力が伴っていないが、日本で20本塁打以上打つ可能性はもちろんあり、内野守備も平均的なレベルには守れるはず。
しかし年齢を考えれば過度な期待は禁物。




☆ルイス・クルーズ(30)→ロッテ
2013年 61試合 打率.145 1本塁打 11打点 出塁率.190 OPS.369 1盗塁
通算 195試合 打率.234 7本塁打 57打点 出塁率.272 OPS.589 4盗塁

日本にやってくる選手としては珍しい守備型内野手。
打撃は昨季の不振こそ運に恵まれなさすぎと言えるが、パワーはなく早打ちタイプであまり期待はできない。
彼に期待すべきは守備で、ショート、セカンド、サード全てを平均以上のクオリティで守りきることができる。
最初は人工芝に苦しむかもしれないが慣れてくるまで辛抱すればハイレベルな守備をみせてれるはずだ。




☆グレッグ・レイノルズ(28)→西武
2013年 6試合 1勝3敗 防御率5.52 29.1回 13奪三振 6四球 WHIP1.50
通算 33試合 6勝11敗 防御率7.01 123.1回 53奪三振 26四球 WHIP1.65

右腕で平均89mph(約143km)前後と決して速球は速くないのだが、彼について特筆すべきはなんといっても制球の良さ。
球威はないがフォーシーム、ツーシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップをストライクゾーンに集めることで打たせて取る。
身長は2メートルとかなりの長身なので、マウンドとボールに適応できるかどうかはかなり重要になってくるだろう。






ブレーブスがアンドレルトン・シモンズと7年契約を結ぶ

今オフ主力との長期延長契約をいくつも出してきたブレーブスがまたしても若手の囲い込みにかかった。
遊撃守備の鬼アンドレルトン・シモンズ(24)との7年5800万ドルの長期契約だ。
彼についてよく知らないファンは、彼の打撃成績を見た際にどうしてこれほどの契約を得ることができたのか不思議に思うかもしれない。
実際打撃に関しては、昨季17本塁打を放ったパンチ力はあるものの出塁率は3割に到達せず、それほど高い打撃力を有しているわけではない。
彼の真骨頂は守備にある。
現役のショートとしてまぎれもなく最強の守備力を持っており、大きな怪我がなければこの守備力は7年の契約期間中も維持することができるだろう。
打撃がこのまま成長せずとももはや守備だけで1000万ドル以上の価値を持っている選手だけにブレーブスも長期契約に踏み切ったのだ。
彼の具体的な凄さについては以前書いた”最強の遊撃守備 アンドレルトン・シモンズ”を参考にして頂きたいが、今回のブレーブスの契約は彼の打撃の成長次第では非常にお買い得になる可能性もあるだろう。


2014年2月20日木曜日

ホーマー・ベイリーが6年1億500万ドルで延長契約に合意

年俸調停権を得て、長期契約を望んでいた好投手ホーマー・ベイリーがレッズと6年1億500万ドルの長期大型契約を結んだ。
27歳のベイリーは過去2年連続で200回&防御率3点台&二ケタ勝利&ノーヒットノーランを達成している。
2013年は速球の平均球速が94mph(約152km)と速球派で、フォーシーム、ツーシームを軸にスライダー、カーブ、チェンジアップを交えて投げる。
しかしこれだけの球威がありながら制球力も兼ね備えており、四球率は3年連続で2.25前後と非常に安定している。
2013年は奪三振率と被本塁打率が向上したことで投球の質も上がり、投球内容はかなり優秀なものだった。
打者に有利なレッズの本拠地においては彼のような投手は理想的だと言えるだろう。
今回の契約は総額1億ドル超えとかなり高額な部類だが、2013年の成績を毎年6年間残せるのならばお買い得になる。
しかしマーケットの決して大きくないレッズだけに、エースのマット・レイトスやクローザーのアロルディス・チャプマンなどの今後の契約に影響を与えかねない。
レッズはベイリーだけでなくボットー、フィリップス、ブルースらとも長期契約を結んでいる。
今後もそういった人材を多数出てくることが予想され、多くの選手が長期契約を求めるとチームのやりくりは苦しくなってくるかもしれない。


2014年2月19日水曜日

メジャー経験のあるNPB新外国人選手まとめ vol.1

近年元メジャーリーガーがNPBでプレーすることが多くなっている。
印象的だったのは昨年入団したアンドリュー・ジョーンズ。
MLBでスーパースターだった選手が落ち目になってから日本を選んだことで、日本のプロ野球自体の評価が上がっているのだと感じさせられた。
中にはNPBを踏み台にして再度メジャーリーガーとして華を咲かせようというもくろみの選手もいるだろう。
実際ケイシー・マギーやナイジャー・モーガンは日本の球団を退団してメジャー球団とマイナー契約をした。
今後も実績のある選手が日本に来る例は後を絶たないはずだ。
そして今季もそういう選手が何人か日本でプレーするので、彼らを簡単にチェックしてみよう。
*チェックするのは2013年にメジャーでプレーした選手のみ




☆ケビン・ユーキリス(34)→楽天
2013年 28試合 打率.219 2本塁打 8打点 出塁率.305 OPS.648 0盗塁
通算 1061試合 打率.281 150本塁打 618打点 出塁率.382 OPS.861 26盗塁

レッドソックスの主力として長年活躍したことに加え、『マネーボール』でも取り上げられた”四球のギリシャ神”。
とにかく四球を選ぶ選球眼が最大の武器で、20本前後を打つパワーも魅力的だった。
ただもうすぐ35歳と流石に衰えは隠せず、以前と同じ活躍はもはや望むべくもない。
選球眼も衰えてはいるが、速球がそれほど速くない日本ではまだまだやれるはず。
AJとのコンビは四球を量産することになるだろう。



☆ユニエスキー・ベタンコート(32)→オリックス
2013年 137試合 打率.212 13本塁打 46打点 出塁率.240 OPS.595 0盗塁
通算 1156試合 打率.261 80本塁打 457打点 出塁率.285 OPS.673 30盗塁

こちらはユーキリスとはま逆の早打ちタイプ。
オリックスは大砲候補として獲得したが、実際のところはそれほどパワーがあるわけではなく。
日本でも中距離打者として落ち着くだろう。
守備は身体能力頼りで精度は低い。



☆トラビス・ブラックリー(31)→楽天
2013年 46試合 2勝2敗 防御率4.83 50.1回 40奪三振 22四球 WHIP1.35
通算 82試合 9勝9敗 防御率5.23 192.2回 132奪三振 81四球 WHIP1.40

左の先発投手として期待されるブラックリーは平均約90mph(145km)のツーシームを軸にカッター、カーブ、チェンジアップ、スライダーなどを操る。
キャリア最速は94.2mph(約152km)と左腕だけに日本でなら速球派として扱われるだろう。
ただこれといって強力な武器があるわけでもないのは難点。



☆マイケル・ボウデン(27)→西武
2013年 34試合 1勝3敗 防御率4.30 37.2回 23奪三振 15四球 WHIP1.25
通算 103試合 3勝5敗 防御率4.51 133.2回 100奪三振 54四球 WHIP1.40

ボウデンはこれまたこれといって特徴のない右投手だ。
平均球速は91mph(約147km)前後とリリーフとしては速くなく、絶対的な武器となる変化球も持ち合わせていない。
球種はフォーシームとスライダーを軸にチェンジアップ、カッター、ツーシームなども投げこむ。
最速は2011年に記録した95.4mph(約154km)だが、2013年に限っては92.9mph(約150km)が最速だったので要注意。



☆ルイス・メンドーザ(30)→日本ハム
2013年 22試合 2勝6敗 防御率5.36 94.0回 54奪三振 43四球 WHIP1.59
通算 90試合 16勝25敗 防御率5.39 359.0回 208奪三振 140四球 WHIP1.55

日本に来る投手なんて所詮こんなものだと言いたくなるくらいこれまた特徴的な武器のない投手。
球種はツーシーム、フォーシーム、スライダーにたまに投げるチェンジアップといったところだが、速球の平均球速は先発ながら92mph(約148km)前後で、勝負どころでは95mph(約153km)程度の速球を投げ込めるため日本では球威でなんとかなるかもしれない。

 

2014年2月18日火曜日

ウバルド・ヒメネスが4年契約でオリオールズと合意

このオフのFA投手でトップ3に入る実力者ウバルド・ヒメネスがオリオールズと4年5000万ドルの契約に合意した。
ヒメネスは数年前はロッキーズのエースでオールスターの先発投手になるなど投手に不利なクアーズ・フィールドでも活躍していた好投手だが、その後一気に不調に陥りインディアンスへトレード。
移籍後も復調せず2012年は防御率5点台にまで落ちた。
原因の一端は自慢の速球の球速が低下したことにあると思われたが、2013年は球速は戻らなかったもののスライダーピッチャーとして復活し奪三振率はキャリアハイを記録した。
特に後半戦の活躍度が非常に高く、オールスター後は13試合で防御率1.82と圧倒的だった。
9月に入ってからは課題だった制球も抜群の安定感を見せており、これが本物の実力なら彼は今季エースとして活躍できるはずだ。

オリオールズは常々エースの不在に悩まされてきた。
デイビス、マチャド、ジョーンズなど野手はタレント揃いだがチェンはエースの器ではなく、期待されたブリットンやマテゥスといった若手も先発ではうまくいかず、挙句の果てに大エースになることを期待されたバンディも怪我で昨季を棒に振ってしまった。
今のところエース級のポテンシャルを持つ投手は若手のゴースマンくらいだが、23歳の投手にそんな重圧を背負わせるわけにもいかない。
しかしヒメネスの加入で状況は大きく変わるだろう。
もちろん彼がエース級の活躍を出来ればの話だが、これでオリオールズローテーションの魅力が格段に上がったことは間違いない。
現状で予想されるローテーションは
ウバルド・ヒメネス
クリス・ティルマン
ミゲル・ゴンザレス
ウェイン・チェン
バド・ノリス
とかなり頑強なもので、ここに若手のケビン・ゴースマン、ザック・ブリットン、そして6月ごろまでの昇格が予想されるディラン・バンディなどが割って入ってくる予定だ。
今まではエース級がいないことでどうしても格落ち感があった先発ローテーションは強豪揃いのア・リーグ東地区でも対等に戦えそうな布陣になりつつある。
打線は言うまでもなく強力で、ここに若手のブレイクなどがあれば地区優勝しても全くおかしくない。
大補強したヤンキースに加え、ディフェンディングチャンピオンのレッドソックスにとってはまたしても厄介なライバルの強化と言えるだろう。
今年もア・リーグ東地区は混戦で魅せてくれるはずだ。




2014年2月17日月曜日

ブレーブスの延長契約まとめ

今オフのブレーブスはいくつかの複数年の契約延長を締結させた。
まずは年俸調停権を持っていた選手3人。

〇フレディ・フリーマン(24)
8年1億3500万ドル
ヘイワードと同じ年齢で、当初はヘイワードの方が高い評価を受けていたが今ではそれが逆転。
フルシーズンのデビューイヤーから3年連続で20本塁打以上に加え、2013年はあらゆるスタッツが高水準のブレイクを果たし長期大型契約を手にすることとなった。
3割20本クラスの打者になるだろうと言われていたがまさにその通りの打者へと成長し、守備も評価が高い。
今後は30本塁打前後の打者へのさらなる成長が見込まれるが、今回結んだ契約はブレーブス市場最高額であり、その期待度の高さが見受けられる。


〇ジェイソン・ヘイワード(24)
2年1330万ドル
フリーマンと同年齢で、当時はヘイワードの方がポテンシャルを高く評価されていたのだがやや伸び悩んでおり差がついてしまった。
守備に関しては既にリーグ最高クラスだが、打撃が期待された程伸びておらず、ケン・グリフィーjrとも比較されたポテンシャルはどこへ行ってしまったのか。
怪我も少なくなく、もう一度1年目の打撃を取り戻すことが求められる。


〇クレイグ・キンブレル(25)
4年4200万ドル+2018年チームオプション
現役最高のクローザーの呼び声高く、ここまでは非常に順調に来ている。
年平均1000万ドル超えというのはリリーフに対しての契約としてはかなり高額な部類だが、キンブレルに関しては納得。
年齢も考えれば今回ブレーブスが結んだ契約は理想的だろう。
この契約期間中も今までと同じレベルの成績で維持できるのであれば、リベラ超えも見えてくるのかもしれない。
そうなればブレーブスもキンブレルをフランチャイズプレイヤーとして引退させようとするだろう。
とにかく長期離脱しないことが最重要だ。


そして先日も記事にした実績の浅いテヘランだ。

〇フリオ・テヘラン(23)
6年3240万ドル+2020年チームオプション
近年多くなった早期囲い込み。
ブレーブスは最も脂の乗った20代を確保することに成功した。
既に完成度が高いだけに、エースとして働くことを期待していいだろう。
確かにリスクもあるのだが、成功したときのリターンは計り知れない。
言うなればミドルリスクハイリターンといったところか。

2014年2月15日土曜日

ブレーブスがフリオ・テヘランと6年契約を結ぶ

先日フレディ・フリーマンと8年1億3500万ドルという長期大型契約を結んだブレーブスが今度は若手投手のフリオ・テヘランと6年3240万ドルの契約を結んだ。
テヘランはペドロ・マルチネス2世とも呼ばれた逸材で、2011年にデビューしたものの期待されたほどの結果を残せず、昨季はメジャーに定着し14勝8敗 防御率3.20という好成績で新人王争いにも顔を出した。
若くから期待されていただけあって年齢もまだ23歳と若く、昨季後半に入ってからは奪三振率も高い数値を記録するなどこれからの伸び代も十分。
制球力も優秀で既に弱点を探すのも難しいレベルに達しており、今季はオールスター投手になったとしてもおかしくない。
ブレーブスも今やMLBのトレンドとなった”若い内に囲い込み”に傾倒しつつあるが、伸び悩み気味のヘイワードに対しては2年契約で抑えるなど今のところかなり妥当なやり方をしている(FAではBJ・アップトンのような失敗もあったが)。
次々と若手スターを輩出するブレーブスの育成方やスカウティング力は他のチームもぜひとも見習ってほしいものである。


フィリーズ絶賛迷走中?

MLBで高齢化に悩まされている金満チームというとどこが思い浮かぶだろうか?
真っ先に名前が挙がるのはヤンキースだろう。
今まで片っ端からFA選手を獲得してきたおかげでマイナー組織は枯渇し、大型契約の高齢選手を何人も抱える羽目になっている。
だが実はナ・リーグにもヤンキースと同じような状況に陥っているチームがある。
それが今季からサンドバーグ監督が率いるフィリーズだ。
2000年代後半のフィリーズを知っているファンの印象は強いチームだったはずだが、昨季は89敗と黄金期は既に過ぎ去ってしまったことを強く印象付けてしまった。
一時期話題になったハラデイ、リー、ハメルズ、オズワルトの最強のローテーションも今ではリーとハメルズの両左腕しか残っていない。
投手、野手それぞれ主力の年齢を見てみるとその深刻さがヤンキースに匹敵するということがよくわかる。
リー(35)、ハメルズ(30)、パペルボン(33)、アダムズ(35)、ハワード(34)、アトリー(35)、ロリンズ(35)、ルイーズ(35)、リビア(25)、ブラウン(26)が主力選手で、若いと言えるのはリビアとブラウンくらいしかいない。
それだけなくこのオフにFAになるはずだったアトリーと3年間のオプション付きの5年契約、同じくルイーズと1年間のチームオプション付きの4年契約を締結とただでさえ高齢な選手と複数年契約を提示してしまった。
フランチャイズプレイヤーを大切にするのは結構なことだが、彼らが投資分に見合う活躍をする可能性は年齢的にも低く、彼らが失敗すればフィリーズは多くの不良債権を抱えることになる。
同地区のナショナルズ、ブレーブスの台頭、そしてブラウンなどの若手が成長しつつあることを考えると高額な高齢選手を放出して再建へと方針を切り替えてもよかったはずだ。
しかし結果的にアマロGMのとった行動はさらなる高齢選手の確保。
FA市場が開くと早々にマーロン・バード(36)と2年契約を交わし、先日は引退も噂されていたAJ・バーネット(37)と1年契約で合意した。
もはや恐ろしいくらいの即戦力主義で、年俸総額も全く削減できていない。
大型契約選手を多く抱えるため勝ちに行かなくてはならないというのはわかるが、若手を育てていく気がほとんどないのは驚きだ。
マイナー組織もヤンキース同様貧弱で、個人的にはまだヤンキースの方がマシに思える。
この酷い状態のフィリーズは一体どこまで迷走していくのか。
果たして今季好結果に結び付くのか。
黄金期が過ぎ去ったチームの末路がどうなるのか非常に興味深い。

2014年2月13日木曜日

デレク・ジーターはラストイヤーに

デレク・ジーターが今季をラストイヤーとすることに決めた。
ジーターと言えばヤンキースのみならずMLB全体の顔であり、最も人気のある選手だ。
現時点で通算成績は
2602試合 打率.312 3316安打 256本塁打 1261打点 
出塁率.381 OPS.828 348盗塁
打撃三冠のタイトル経験こそないがヤンキースを5度もワールドチャンピオンに導いたまごうことなきレジェンドだ。
通算安打数は現時点で歴代10位。
今季レギュラーとして長期離脱なしにプレーできれば6位のキャップ・アンソンが持つ3435安打は超えられるはずだ。
引退から5年後の一発殿堂入りも間違いないだろう。

さて、ジーターの輝かしいキャリアについては実際に引退する際に振り返るとして、彼の引退でヤンキースはある大きな問題に直面することになる。
それはジーターの後釜不在だ。
ジーターの後継者として最初はエデュアルド・ヌネスが注目されていたがここまで成長はなく、既に26歳で守備も拙い。
とてもじゃないが彼をジーターの後釜に据えることはできないだろう。
かといってヤンキースのマイナーにそれほどの逸材がいるかというとそういうわけでもない。
たび重なる補強で枯渇してきたヤンキースのマイナー組織は特に内野手の層が非常に薄い。
当然ジーターの後釜候補などいるはずもなく、現状はさらなる補強かトレードくらいしかあてがない。
現時点で2015年FAになることが決まっている有力なショートはアズドルバル・カブレラ(インディアンズ)とハンリー・ラミレス(ドジャース)の二人。
ただラミレスはドジャースが契約延長する可能性も高いので(早ければ今オフ中にも)、現実的なのはカブレラの方だろうか。
インディアンズはマイナーにフランシスコ・リンドーアというプロスペクトがおり、彼がいる以上カブレラとの長期契約というのは考えにくい。
昨季は不振だったカブレラだがある程度成績を戻せばFA市場に打って出ることになるだろう。
トレードを活用するならばトロイ・トゥロウィツキ(ロッキーズ)やスターリン・カストロ(カブス)あたりが候補になってくるかもしれない。
トゥロは近年チームが不振だっただけに何度かトレードの噂も出ており、オプションも含めれば2021年まで大型契約が残っている。
リーダーシップも評価が高く、現役最高のショートストップと言われているだけに彼を獲得できればジーター以上の選手が手に入ることになる。
ただ残念なことにヤンキースにはそれに見合うプロスペクトがいない。
当然ロッキーズ側も半端なプロスペクト相手ではトゥロを出すことはないだろうし、チーム自体が上向きになればそもそもトレードの可能性も消える。
そう考えると狙い目なのはカストロの方か。
彼は今23歳で2019年までの契約(オプションを含めれば2020年まで)も残っている。
普通に考えればトレードの可能性はないが、長期契約1年目で躓いたことで少し評価が下がっている。
まだサラリーは低いとは言え、カブスにはセカンド、ショート、サードにそれぞれトッププロスペクトがいる。
頑丈さは評価に値するがパワーはそれほどではないのに四球をあまり選んでくれないところやエラーの多さなど現代の基準では評価しづらい選手だ。
せめて3割前後打ってくれればいいのだが、もし今季もあまり打撃が戻らなければトレード候補になってもおかしくないだろう。
もちろん問題はヤンキースにカブスが欲しがる選手がいるのかどうかなのだが。

ショート補強は急務となっているが、現状で一番現実的なのは来オフのFAでのカブレラ獲得だろう。
結局若返りを図ることはできないが、ヤンキースである以上何もせずにいることはできない。
後釜問題は常についてまわるが、とりあえず今季はジーターがリベラのように有終の美を飾ることが理想だ。


2014年2月10日月曜日

ドジャースの充実先発ローテーション

派手に補強しているチームも面白いが、ファンとしてはそろそろドジャースにも目を向けなければならないだろう。
カーショウとの契約延長以外は派手な動きがなかったこのオフのドジャースだが、先日ブレーブスからFAになっていたポール・マホームを1年150万ドルで獲得した。
これによってドジャースの先発ローテーション候補は以下のようになる。
*併記するのは2013年成績

☆クレイトン・カーショウ(25)
33試合 16勝9敗 防御率1.83 236.0回 232奪三振 WHIP0.92

☆ザック・グレインキー(30)
28試合 15勝4敗 防御率2.63 177.2回 148奪三振 WHIP1.11

☆ヒョンジン・リュ(26)
30試合 14勝8敗 防御率3.00 192.0回 154奪三振 WHIP1.20

〇ダン・ヘイレン(33)
31試合(30先発) 10勝14敗 防御率4.67 169.2回 151奪三振 WHIP1.24

〇チャド・ビリングズリー(29)
2試合 1勝0敗 防御率3.00 12.0回 6奪三振 WHIP1.42

〇ジョシュ・ベケット(33)
8試合 0勝5敗 防御率5.19 43.1回 41奪三振 WHIP1.50

〇ステファン・ファイフ(27)
12試合(10先発) 4勝4敗 防御率3.86 58.1回 45奪三振 WHIP1.53

〇ポール・マホーム(31)
26試合 10勝11敗 防御率4.41 153.0回 105奪三振 WHIP1.41

☆の3人は今季のローテーション当確で、特にカーショウ、グレインキーの左右エースの2本柱はリーグ最高クラス。
この二人でサイ・ヤング賞争いをしても全くおかしくない。
リュはより研究される2年目で成績を落とすのか、あるいはさらに向上させるのか興味深い。
向上させることができれば3番手まではリーグ最高クラスのローテーションになるだろう。

残りの2枠を〇の5人で争うことになる。
この中でも万全の状態なら3番手クラスの成績を残せそうなのがビリングズリー。
2013年は怪我で泣いたがこのあたりで元エースの維持を見せなくてはならない。
トミー・ジョン手術から復活したアダム・ウェインライトのようになれればドジャースローテに隙はほぼなくなる。
ベケット、ヘイレンの実績ある高額ベテランは優先度が高いが、ヘイレンはこの2年の不振、ベケットは怪我の影響がそれぞれ気になるところ。
ただヘイレンの方は少なくともイニングイーターの4,5番手としては働いてくれるはずで、契約内容に見合うかどうかはともかく、ローテーションに穴をあける可能性は低いだろう。
彼らが活躍するのであれば、基本的にはファイフやマホームはロングリリーフかケガ人が出た際の穴埋めの役割を担うことになるだろう。

怪我などの不確定要素を考えてもこのローテーションは強力だ。
実績のある選手が多く、年齢的なバランスも悪くない。
田中は獲得できなかったがナショナルズ程ではないものの強力ローテーションが出来上がったはずだ。
あとはそれをサポートするリリーフだが、個人的にリリーフでは23歳の剛球投手ホゼ・ドミンゲスに注目している。
クローザーの座はケンリー・ジャンセンで揺るぎないだろうが、今季はこのドミンゲスがリリーフの重要なポジションに定着するのではないだろうか。
他にもブライアン・ウィルソン、クリス・ウィズローといった剛球投手に左のリリーフエースであるパコ・ロドリゲス、そして新たに獲得したクリス・ペレスもまだまだ期待できる。
リリーフも盤石になりつつあり、先発ローテーションと合わせて2014年のドジャース投手陣はリーグ最高クラスのものが出来上がったと言っていい。
後はチームのケミストリーを高めていくだけ、投手王国再来だ。


2014年2月7日金曜日

マリナーズがフェルナンド・ロドニーを獲得

今季をシアトルの年にすべくさらなる補強を目論んでいるマリナーズがベテランリリーバーのフェルナンド・ロドニーを獲得した。
契約内容は2年1400万ドルと今年37歳になるリリーフ投手に対するものとしては高めだが、おそらく他との獲得競争の中で相場が上がってしまったのだろう。
ロドニーは2012年にレイズで防御率0.60、48セーブというとんでもない成績をたたき出し大ブレイクした投手だ。
それまではただのノーコンの速球投手だったのが一転非の打ちどころのないクローザーへ変貌してしまったのだから誰もが驚いただろう。
しかし2013年はまたしても制球難が顔を出し防御率は3.38にまで落ち込んだ。
それでも大乱調だったのは最初の2カ月だけで後半はまずまずの活躍をしたり、FIPは2.83と悪くなかったあたり、同じ制球難でも昔と同じ投手というわけではないようだ。
2013WBCではドミニカ代表クローザーとして活躍したが、それが影響しての不調だったと考えれば今季は2013年よりはいい成績を望めるのかもしれない。
30代後半になっても球速の面では今が全盛期で、昨年はキャリア最速の100.7mphをたたき出したことを考えれば年齢的な衰えはまだ考えなくてもいいのかもしれない。
マリナーズは主力リリーフは比較的若い投手が多いので、2年間のクローザー経験があるロドニー獲得は案外いい選択だっただろう。
昨季後半にクローザーに定着して活躍したダニー・ファークァー、2012年から昨季前半までクローザーを務めたトム・ウィルヘルムセンなどクローザー候補は他にもいるため、ロドニーがもしうまくいかなかったときは彼らをクローザーに昇格させることもできる。
個人的には若き剛腕投手ステファン・プライアーに期待しているのだが、マリナーズもなかなか層の厚い投手陣が出来上がりつつある。
後は実績ある先発投手を一人獲得できれば投手に関しては補強完了だろう。
本気で優勝を狙うのであればまだ補強は終わらないはずだ。
投手か野手か、いずれにしても近い内にマリナーズのさらなる補強の知らせがはいってくるだろう。


2014年2月5日水曜日

2014年はシアトル・イヤー?

アメリカで最も人気のあるスポーツ、アメリカンフットボールのNFLでシアトル・シーホークスが今季のチャンピオンに輝いた。
そしてMLBでは今季シアトル・マリナーズが躍進しようとしている。
シアトルファンは今頃歓喜に沸いているだろうが、MLBの方も負けてはいられない。
長年の不振で失った人気をマリナーズが取り戻す時が来たのだ。
もし今季マリナーズが躍進し地区優勝することができれば、まさに今年はシアトル・イヤーになるわけだ。
そんなマリナーズの現状の戦力を見てみよう。

ESPNの予想デプスチャートでは以下のようになっている。

C  マイク・ズニーノ
1B ジャスティン・スモーク
2B ロビンソン・カノー
3B カイル・シーガー
LF ダスティン・アックリー
CF マイケル・ソーンダース
RF ローガン・モリソン
DH コリー・ハート

SP
フェリックス・ヘルナンデス
岩隈久志
エラスモ・ラミレス
タイワン・ウォーカー
ジェームズ・パクストン

RP
チャーリー・ファーブッシュ
スティーブン・プライアー
ヨービス・メディーナ
トム・ウィルヘルムセン

CP 
ダニー・ファークァー

この戦力で激戦区ア・リーグ西地区の勝ちぬけるのか?
簡単ではないだろう。
というよりレンジャーズ、アスレチックスの充実度などを見れば補強した今でもなおプレーオフすら厳しいように思える。
有望株を駒にしてでもカノーの周りを固める打者を獲得するのか、あるいはFA市場にでている3番手級投手を獲得して投手王国を作り上げるのかそろそろ方向性をはっきりさせる必要がある。
ただ球場の特性を考えるのならば実績ある先発投手を一人加えるのが有力な手だろう。
そうすれば少なくとも3番手までは確実性のある投手で固めることができる。
若手のラミレス、ウォーカー、パクストンがブレイクしなくてもなんとかなるはずだ。
しかし貧弱な打線を強化するのもそれはそれで有効な手段だ。
ロースターが厚くなってやや余剰化しているフランクリン、スモークあたりならば放出は可能で、今季も確実に一定の成績が見込めそうなのはカノー、シーガーあたりしかいないため出塁能力と長打力の高い打者が欲しいところだ。
出塁能力は高くないが、マリナーズはレンジャーズからFAになっているネルソン・クルーズと交渉しているという話がある。
薬物問題はあったものの目下5年連続20本塁打以上放っているだけに長打力があるのは間違いなく、どうしても左打者が多くなってしまう今季のマリナーズ打線においてはアクセントになっていいだろう。
ただし今までの成績は打者に有利なアーリントンで残したもので、特にセーフコ・フィールドではほとんど打てていない点には留意しなくてはいけない。
これまでの実績を考えてもあまり大きな期待はできないが、後はいくらでとれるのかが問題になってくるだろう。
今のFA市場を見ると長打力のある野手はクルーズくらいしか残っていないため、この選択は今季勝負をかける上で間違ってはいないはずだが、あまりにも大きな契約をしてしまうのは避けなくてはいけない。
他にもマリナーズは先発投手やベテランリリーバーのフェルナンド・ロドニーなどにも興味を示している。
補強する意思があるのは結構なことで野手・投手ともにそれぞれ一人ずつくらい実績ある選手を獲得できるならマリナーズの優勝も見えてくるだろう。
長くて低迷しただけに今季こそ野球でシアトル市民を喜ばせてほしいものだ。


2014年2月2日日曜日

メジャーの〇〇自慢を探せ! 〈スピード編〉

今回はスピード自慢のメジャーリーガーを紹介する。

☆ビリー・ハミルトン(レッズ)
彼に関してはこのブログでも何度か取り上げているが、今はまだ全国的な知名度はなくてもいずれ名が知られてくるはずだ。
マイナーでの盗塁数は2011年に135試合103盗塁、2012年に132試合155盗塁、2013年に123試合75盗塁。
2013年の盗塁数が少なめなのは出塁率.308と出塁自体が少なかったためで、逆に言えばこの出塁率でもこれだけ盗塁できる点は驚異的だ。
打撃が向上し出塁能力が上がればメジャーでも久々の100盗塁が見られるだろうし、これから先10年連続で盗塁王になったとしても驚かない。



☆ジャコビー・エルズベリー(ヤンキース)
今オフ7年の大型契約を得てヤンキースへと移籍したエルズベリーは、抜群のスピードと盗塁精度を誇っている。
これまで50盗塁以上を3度でキャリアハイは2009年の70盗塁。
出塁能力自体は平均より少しいいくらいなのにこの盗塁数はやはり驚異的。
そのスピードはセンターでの守備でも活かされており、これでヤンキースの外野守備は充実度がずいぶん上がるはず。
30歳になった今でも40~50盗塁を期待できる。



☆エルビス・アンドラス(レンジャーズ)
ダルビッシュの同僚でもある好守のショートストップ。
昨季はキャリアハイの42盗塁を決めたが出塁率自体はキャリア最低レベルだった。
とにかく身体能力が高く、肩、スピードは非常に高いレベルにある。
盗塁技術も洗練されてきており、出塁能力が上がれば将来的には70盗塁前後を記録してもおかしくない。




☆マイク・トラウト(エンジェルス)
あらゆるツールを備えた現役最高の外野手だが、その中でも非常に高い評価を受けているのがスピード。
出塁率は高いものの長打力もあるため盗塁数は今後も30~50程度で推移するだろうが、そのスピードはあらゆる面で活かされている。
打撃では右打者ながら内野安打を量産し、守備では遠い打球にも追いつくことができる。
この完成度でまだ22歳だということには心底驚かされるが、大きな怪我などがない限りは今後もしばらくそのスピーディなプレーでファンを驚かせてくれるだろう。



☆エリック・ヤング(メッツ)
2013年のナ・リーグ盗塁王に輝いたが、父親も昔盗塁王になったことがあり史上初の親子盗塁王となった。
昨季46盗塁のうちオールスター以降の67試合で30盗塁と後半になって猛チャージをかけた。
メッツに移籍したことが吉となったのだが、マイナーでは87盗塁を記録したことがありある程度出塁ができれば今季は60盗塁前後を期待できるかもしれない。



☆ジャロッド・ダイソン(ロイヤルズ)
おそらく他に紹介した選手に比べて全くの無名に近く、それどころかレギュラーですらないのだが2年連続30盗塁を記録しているスピードスター。
パワーも打撃力も低く、スピードだけで評価されているまさに一芸選手だ。
スピードを活かした外野守備も見もの。
青木の移籍で日本人の関心が増えれば知名度も少しばかり上がるかもしれない。