2013年3月12日火曜日

アメリカ代表、1次ラウンド総括

まず1試合目の対メキシコ戦について。
この試合はメキシコは出しうる限りのベストなメンバーで挑みました。
メキシコの先発投手はブルワーズのエースであるヨバニ・ガヤルドで、アメリカ打線は彼から一点しかとることができずにその後もMLB投手の継投に苦しみ力を発揮できませんでした。
結局この試合は2‐5で敗れましたが、敗因となったのは先発したディッキーでしたね。
実は彼はこのスプリングトレーニングで2試合に登板して防御率9.00と調子が悪く、WBCでもその調子の悪さが続いてしまい4回で4失点してしまいました。
しかしその後は強力なリリーフ陣が5回を1失点に抑えました。

次に2試合目の対イタリア戦について。
この試合も先発したアメリカのボーグルソンが初回から失点するなど不穏な空気でしたが、5回に火のついた打線に助けられました。
そしてこの試合でもアメリカのリリーフは5回を1安打無失点と完璧に抑え込みました。

最後に3試合目の対カナダ戦について。
この試合もアメリカは先制を許してしまいます。
結局逆転したのは8回でしたが、先発のホランドが5回を2失点に抑えリリーフもところどころ打たれながらなんとか大崩せずにすみました。
流れとしてはそこまで悪いものではなかったんじゃないかなと思います。

この3試合で注目すべきはリリーフですね。
合計で14回を3失点に抑えるという安定感を見せました。
短期決戦で最も重要なのは投手であり、球数制限のあるWBCではリリーフはなおさら重要になります。
1次ラウンドを3連勝とほぼ完璧に勝利してきたドミニカも強力な打線ばかりがクローズアップされますが、その強さの最大の要因はリリーフの充実度にあります。
アメリカも同様にリリーフの層が厚く、3失点のうち2失点はパーキンスですから、彼を重要な場面から外すことでより調子を重視して安定感が出るでしょう。
1戦目のディッキーのように先発が大崩れすることがなければ安定した強さを見せられると思います。

打線はやや低調ですがマウアーやライトはさすがの安定感ですし、打線は水物でもありますから1次ラウンドでの調子から2次ラウンドではトーリ監督もテコ入れをしてくるでしょう。
打線の要になると期待されていたスタントンの不調は心配ですが、代わりに入ったゾブリストは活躍しましたし大きな問題にはならないでしょう。

1次ラウンドでの懸念材料は先発投手と一部の野手、ただしリリーフはやはり安定感があるということがわかったのが収穫ですね。
こうなると試合を左右するのは先発投手になるので、明日登板予定のジオ・ゴンザレスがどういう投球を見せるかが非常に重要になってくるでしょう

2013年3月4日月曜日

アメリカ代表選手の調子は?

現在行われているスプリングトレーニングでの代表選手の成績から調子がどうなのか見ていきたいと思います。

ディッキー 防御率9.00 5.0回 三振1 四球1
ゴンザレス 防御率3.60 5.0回 三振3 四球2
ボーグルソン 防御率0.00 5.0回 三振4 四球1
ホランド 防御率1.29 7.0回 三振3 四球0
デトワイラー 防御率6.75 2.2回 三振2 四球0

ボッグス 防御率0.00 3.0回 三振2 四球2
グレガーソン 防御率0.00 3.0回 三振3 四球0
グレン・パーキンス 防御率0.00 3.1回 三振5 四球0
ビニー・ペスタノ 防御率6.00 3.0回 三振1 四球0
スティーブ・シシェック 防御率4.50 4.0回 三振5 四球2
クリス・ペレス 防御率0.00 2.0回 三振2 四球0
ティム・コリンズ 防御率9.00 3.0回 三振5 四球3
アフェルト 防御率8.10 3.1回 三振1 四球5
ベル 防御率0.00 3.0回 三振2 四球1

キンブレル 防御率6.75 4.0回 三振3 四球5

マウアー 打率.364 出塁率.563 OPS.926
ルクロイ 打率.357 出塁率.357 OPS.857
アレンシビア 打率.375 出塁率.412 OPS1.037

テシェイラ 打率.286 出塁率.333 OPS.690

フィリップス 打率.294 出塁率.294 OPS.706

ライト 打率.333 出塁率.333 OPS.667

ロリンズ 打率.200 出塁率.385 OPS.685

ゾブリスト 打率.235 出塁率.263 OPS.557
ブルームキスト 打率.438 出塁率.438 OPS1.063

ブラウン 打率.250 出塁率.364 OPS.989

ジョーンズ 打率.091 出塁率.091 OPS.273
ビクトリーノ 打率.000 出塁率.313 OPS.313

スタントン 打率.400 出塁率.444 OPS1.244


まだスプリングトレーニングは始まって間もなく、数字のサンプルも非常に少ないものですが短期決戦であり、すぐそこに迫っているWBCに対しては調子の良し悪しというのは決してあなどれません。
まず投手に関して気になるのはキンブレルです。
現役NO.1クローザーの彼は、このスプリングトレーニングでは制球難に苦しんでいます。
実力はまず間違いないですが今の彼には一発勝負の大事な場面でのラスト1イニングを任せるのは少し怖いかもしれません。
先発はいずれも制球に苦しんでいる投手がいないのが好印象ですが、中継ぎではコリンズ、アフェルトの両左腕が制球が安定していないのが短期決戦では致命傷になりかねません。
大事な場面での登板では気を付けたほうがいいでしょう。
野手に関しては捕手3人と自慢の長距離砲二人(ブラウン、スタントン)の二人の調子がいいですね。
捕手以外の内野と中堅の二人が不調ですが、幸いなことに彼らは守備でも大きく貢献してくれる選手ですから少なくとも置物になることはないでしょう。
5四球を選び三振は一つもしていないマウアーの安定感は流石という他ありません。
短期決戦では彼のようにしっかりボールを見極められる選手は非常に重要になるでしょう。