2013年4月17日水曜日

新人王は誰の手に[ア・リーグ]

今回はア・リーグの新人王有力候補の紹介です。

トレバー・バウアー(インディアンス)
オフにダイヤモンドバックスからトレードされたバウアーは2011年のドラフト全体3位で指名された逸材です。
ではなぜそんな逸材が早々にトレードされたのか、その理由は彼の性格にあります。
リンスカムによく似た体格、フォームの彼は、そのフォームを独自の理論で作り上げました。
また独自のトレーニング理論を曲げようとしない頑固さも持ち合わせています。
そういう面を嫌ってダイヤモンドバックスを放出を決意しましたが、先発候補に悩むインディアンスには願ってもない逸材です。
しかし昨季のメジャーでの登板、そして今季の初登板で制球難を露呈しており、ポテンシャルは間違いないものの克服しなければならない課題もあり、それがクリアできなければ新人王は難しいでしょう。

クリス・アーチャー(レイズ)
昨季デビューした24歳の本格派ですが、若い本格派の多くが抱えている制球面の問題を彼もまた抱えています。
層の厚いレイズの先発ローテーションに食い込むには、これをある程度改善しなければならないでしょう。
5月頃には昇格してローテーションの一角として投げ続ければ新人王の有力候補になる可能性は大きいです。

ダニー・ハルツェン(マリナーズ)
2011年ドラフト全体2位指名のハルツェンは、ドラフト時に大エースになる可能性は低いものの、安定した2,3番手になる安全性の高い投手だと言われました。
プロ1年目の昨季はAAで好投を続けたもののAAAに昇格後は制球難に悩まされました。
しかしどうやらその問題は解決したようで、今季はスプリングトレーニングでもAAAでも安定した投球を見せています。
そうなると先発ローテーションの安定していないマリナーズにおいては出場機会も増えるでしょう。
5月以内に昇格できるのであれば新人王のめもあります。

ウィル・マイヤーズ(レイズ)
多くの識者が今季のア・リーグ新人王最有力候補に推しているのがオフにレイズへ移籍したマイヤーズです。
昨季はAAとAAAであわせて37本塁打を放ち、その底知れぬ長打力を見せつけました。
レイズは外野手の層が薄いため、うまくいけば5月頃には昇格してライトに定着するでしょう。
まだまだ課題も残る選手ですが、スーパースターになる素質は十分です。

ジャッキー・ブラッドリー(レッドソックス)
スプリングトレーニングで大暴れし、開幕MLBスタメンを勝ち取った22歳の外野手。
今はまだその真骨頂を見せることは出来ていませんが、その優れた出塁能力はもう発揮しています。
出場機会が多そうなので、ある程度の数字を残せば新人王の可能性もあるでしょう。

本命:ウィル・マイヤーズ
対抗:トレバー・バウアー
穴:ジャッキー・ブラッドリー
と予想していますが、ナ・リーグと違い評価ではマイヤーズが一歩抜けている状態です。

2013年4月15日月曜日

新人王は誰の手に[ナ・リーグ]

MLBが開幕してまだ半月ですが、今年も活躍する新人が出てきました。
当初から有力候補とされていた選手、まだ昇格していないものの有力な選手、注目度の高くなかった伏兵など新人王候補を紹介していきたいと思います。

シェルビー・ミラー(カージナルス)
昨季終盤にメジャーデビューを果たした22歳でカージナルスのマイナーにおいて最高の先発投手。
昨季はメジャーで6試合(1試合先発)に登板して防御率1.32、13.2回で16三振を奪うなどそのポテンシャルを見せつけてくれました。
今季はスプリングトレーニングでまずまずの結果を残し開幕からメジャーの先発ローテーションに加入、既に2試合に登板して2勝、防御率1.46と素晴らしいパフォーマンスを披露しています。
内容的にも優れており、気になるのはスタミナ面だけという投手です。

フリオ・テヘラン(ブレーブス)
マイナーで最高の投手と言われながら、昨年は結果が残せなかったペドロ二世は、今季は開幕からメジャーのローテーションで投げることになりました。
スプリングトレーニングで見せたパフォーマンスは圧巻で、22歳のコロンビア投手は大ブレイクの可能性を秘めています。
開幕してからここまで2試合に登板し、ここまでは思うような結果を残せていないものの、彼が今季の新人王有力候補であることは間違いありません。

ウィリー・ペラルタ(ブルワーズ)
昨季メジャーデビューし、なかなかの好成績を残した23歳の好投手。
その体格から想像できる通りの剛球を投げ、今季は先発ローテーションの一角としてフルシーズン投げ抜くことが濃厚です。
出場機会の安定度という点では他の新人王候補よりも有利です。

ヒョンジン・リュ(ドジャース)
オフにポスティングでドジャース入りした韓国の至宝。
スプリングトレーニングではなかなかの投球を見せ、あまり気味だった先発ローテーションで見事一角に収まりました。
既に3登板していますが、かなりのハイパフォーマンスを披露しています。
球威はそれほどではないものの、奪三振力が高く制球面でも非常に安定しています。
ドジャースファンとしては正直あまり期待していなかったのですがこれは嬉しい誤算です。
グレインキーが長期離脱してしまった先発ローテーションにおいては彼の存在は重要になってくるでしょう。
このまま順調にいけるのであれば新人王を見えてきます。

ホゼ・フェルナンデス(マーリンズ)
20歳のキューバ人右腕。
クレメンス、バーランダーとも比較される速球派の逸材で、球威・制球・奪三振力、どれをとっても素晴らしいという完成度の高さが魅力です。
今季は早くもメジャーでプレーしており、2試合に先発し防御率0.82というハイパフォーマンスを披露しています。
しかし若く、昨季のイニング数も134回なだけに球数制限がどの程度になるかで新人王が候補になるか左右されます。
180回近く投げられるのであれば、有力候補と考えてもいいでしょう。

ジェド・ジョーコ(パドレス)
今季メジャーデビューの24歳強打の内野手。
スプリングトレーニングで4本塁打を放ち、三塁手のチェイス・ヘッドリーと二塁手のローガン・フォーサイスが故障していることもあって開幕から二塁と三塁でプレー。
昨季マイナーで30本塁打しているパワーがウリの選手で、メジャーではまだその長打力は発揮できていないものの四球はよく選んでいます。
うまくいけばこのまま正二塁手として1年プレーする可能性もあります。

エバン・ガティス(ブレーブス)
開幕前はそれほど話題に放っていなかった伏兵捕手。
スプリングトレーニングで6本塁打を放つなど大活躍し、マキャンの怪我もあって開幕から主に捕手としてプレー。
すると開幕戦で本塁打を放ち、その後も打ち続け今のところは8試合で4本塁打という強打者ぶりで早くも4番に据わっています。
守備の評価はあまり高くない打撃型捕手で、マキャンの復帰後どうなるのかが気になるところ。
外野も守れますがブレーブスの外野は不動の3選手が守っており、一塁は今はDL入りしている主力のフリーマンが守っており、控えにするにはもったいないという状態になります。
出場機会さえまとまれば新人王も射程圏内に入ってくるかもしれません。

アダム・イートン(ダイヤモンドバックス)
昨季メジャーデビューした24歳の外野手ですが、新人王有力候補でもありましたがDL入りしてしまいスタートダッシュには失敗。
しかし早めに戻ってこれそうなのでそれほど大きな障害にはならないでしょう。
彼のウリはマイナー3年間で平均打率.355を記録している驚異的な打撃技術。
パワーはまだまだ成長の余地があるものの、守備やスピードにも優れたアベレージタイプの完成系のような選手です。
今季年間通してプレーすれば打率3割、出塁率3割7分、盗塁30は見こめ、そうなると新人王になる可能性も高くなります。

オスカー・タベラス(カージナルス)
未だメジャーデビューは果たしていないものの、MLB.comのプロスペクトランキングで全体3位に入る有望株で、スプリングトレーニングでは24試合に出場しまずまずの結果を残しました。
今季は開幕をAAAで迎えたものの5試合で打率.412と変わらず猛威を振るっています。
打撃においては非常に楽しみな素材で、これでまだ20歳というのがその明るい将来性を予見させます。
早めに昇格し、センターを守るジェイが不振に陥れば彼にもチャンスが回ってくるでしょう。


本命:ヒョンジン・リュ
対抗:シェルビー・ミラー
穴:ホゼ・フェルナンデス
と私は予想していますが果たしてどうなるのかシーズン終了後が楽しみです。

2013年4月3日水曜日

ダルビッシュ、あと1アウトに泣く

ついに待ちに待ったMLBが開幕し、3日が過ぎました。
開幕から日本人選手が活躍し、今日は日本人ファンにとっては嬉しくもちょっぴり悔しい出来事がありました。
そう、今季のサイ・ヤング賞候補にも挙げられているダルビッシュです。
ダルビッシュはアストロズとの2戦目に登板し、圧巻のパフォーマンスを披露しました。
序盤から4シームがやや荒れ気味ながらも三振を奪いまくり、昨季同様の奪三振力の高さを見せつけてくれました。
しかし今日のダルビッシュはそれだけでは終わりません。
なんとそのまま無四球ノーヒットを続けていったのです。
6回あたりからは完全試合の期待も高まり、敵地ミニッツメイドも異様な雰囲気に包まれていました。
その後も守備に助けられたりフルカウントまでいったりとファンをドキドキさせながらもパーフェクトのまま最終回へ。
その頃には序盤湿りがちだった打線も調子を取り戻して点差は大きく広がっていました。
そして9回2アウトになり、完全試合まであと一人という状況。
しかしこれが野球だというべきか、最後の打者に投げたダルビッシュの初球はセンター方向への痛烈な打球となってヒットが記録されてしまいました。
そしてMLBらしくヒットが出た時点で交代になり、今日のダルビッシュは8.2回 無失点 被安打1 無四球 14奪三振という内容に。
それでもMLBでのキャリアハイとなる14奪三振を記録するなど圧倒的な投球でなおかつ無四球は、昨年までとは違うんだということをまざまざと感じさせられました。
当然今後打たれることも出てくるでしょうし、打線・リリーフが昨年より弱体化しているため勝ち星なども昨年のようにつきやすい状況ではありませんが、ダルビッシュはサイ・ヤング賞の有力候補になるはずです。