2013年12月7日土曜日

注目のロビンソン・カノーがマリナーズと10年契約に合意

今オフ最も注目されていたロビンソン・カノーがついにニューヨークから離れてプレーすることを決断した。
移籍先はマリナーズで契約内容は10年240MドルとMLB史上3番目に大きな契約となる。
カノーは当初10年300Mドルの史上最高契約を希望していたが流石にそれはヤンキースに受け入れられず、お互いある程度歩みよってはいたが熱心に彼を欲しがっていたマリナーズがついに年がの強打者を手に入れることになった。
マリナーズはプリンス・フィルダーやジョシュ・ハミルトンがFAになった際も興味を示していたがチームの弱さや打者に不利な本拠地の性質から強打者にはやや敬遠されがちなチームだった。
しかし今季はフェンスの位置を手前にもってきた効果かチーム本塁打数はリーグ2位にまで激増し、本塁打が出ない球場ではなくなったということを印象づけた。
特に左のラウル・イバニエスやカイル・シーガーなどが多く本塁打を放っており、左打者にはそれほど不利な球場ではなくなりつつある。
カノーの打力があればセーフコ・フィールドでも3割25本塁打近い数字を毎年残していくことができるだろう。
これでマリナーズは念願の主砲を手に入れたことになるが現時点で予想される内野のラインナップとしては1Bジャスティン・スモーク、2Bカノー、3Bシーガー、SSニック・フランクリンとなるはずだ。
有望株のフランクリンはデビューイヤーとなった今季は主に2Bでプレーしていたが、カノーの加入によりSSへと戻ることが濃厚となる。
今季終盤SSでプレーしていたブラッド・ミラーとはポジション争いになるかもしれない。
マリナーズはその陣容を見てもわかる通りかなり若手主体のチームで、カノーが加入してもなおレギュラーは20代の選手が多い。
ここから右で強打の外野手などを補強しない限りは、打線は来季カノーが期待通りの結果を残せるか、フランクリン、マイク・ズニーノ、アブラハム・アルモンテ、スモーク、ジャスティン・アックリーなどの若手野手がブレイクできるかどうかにかかってくる。
彼らが揃ってブレイクするのならば打線は非常に強力なものになることは間違いないし、誰もブレイクできなければ今季と変わらず本塁打だけ多く得点効率があまり良くない打線になってしまうはずだ。
長年得点力不足に喘いでいたが、これを機に変わることができるのかかなり注目のチームだ。

加えてマリナーズは投手も楽しみなチームだ。
フェリックス・ヘルナンデスと岩隈久志という2人の大エースがおり、どちらもサイ・ヤング賞級の成績を期待できる。
今季はこの二人以外あまり機能しなかったのが現状なのだが、投手の方も来季は若手にかなり期待できる。
デビューしたばかりのジェームズ・パクストン、タイワン・ウォーカーの二人は今季かなりの好投を見せており来季の先発ローテーションを担う可能性が高く、最後の枠も制球力の高いエラスモ・ラミレスが入ることになるだろう。
彼が期待通りの活躍をすれば一転非常に強力な先発ローテーションにもなりうる。
リリーフにも期待の若手がおり、終盤クローザーに定着したダニー・ファークァーやスティーブン・プライヤーやカーター・キャップスといった若手の豪腕投手もブレイクイヤーとなる可能性が高い。
他にも若いながら結果を残しつつある投手が複数おり、将来性は非常に豊かだ。

あくまで野手、投手ともに期待通りにブレイクすればという前提だが、アストロズ以外はどこにも優勝の目があるア・リーグ西地区においてマリナーズにも来季プレーオフ進出の可能性は出てきたと言えよう。
そのためにはまず今回新たに加入するカノーが期待通り活躍することは必要不可欠であり、彼がヤンキースで培った勝利のメンタリティをマリナーズに持ち込むことができれば、地区優勝というのもそれほど遠い目標ではなくなるはずだ。
マリナーズとカノーにとって重要なのは最初の5年間。
この5年のうちマリナーズが地区優勝を決めワールドシリーズ進出することができれば、残りの5年間は度外視しても成功と言っていい契約となるだろう。

また、カノーを失ったヤンキースは大幅に得点力が落ちることは間違いない。
なにせ彼はチームで最も安定していた打者であり、チームにおける存在の大きさという点ではタイガースにおけるミゲル・カブレラをもしのぐといっても過言ではない選手だった。
ヤンキースはすでに二塁手候補としてケリー・ジョンソンに白羽の矢を立てているが、来季は長打力と内野守備に苦しむことは間違いないだろう。



4 件のコメント:

  1. カノーがいなくなったことで、来季のヤンキースが楽しみになってきました。
    Aロッドは出場停止になるでしょうから、金が浮いて結構補強できると思います。
    ガードナー、エルズベリー、ベルトランで外野が埋まり、マッキャンが正捕手、ファーストはテシェーラ、ショートはジーターまたはライアン、サードはユーキリスでしょうか?
    テシェーラはどうせすぐ(または開幕前)に怪我するでしょうから、代えも必要ですね。
    ガードナーが放出されるという話もありますから、外野にだれか1名で、セカンドですがソリアーノは元々セカンドでしたから守れませんかね?

    来年のヤンキースは打線がましになりそうですね。
    問題は投手陣ですが・・・
    黒田は歳ですし、サバシアはもはやエースではなくなりました。
    ノバはまだ覚醒段階で、ヒューズはツインズへ、・・・先発が思いつきません。
    楽天の田中将大が入ってくれればいいのですが。
    リリーフはリベラが引退したのでロバートソンがクローザーでしょうが、セットアッパーはローガンでしょうか?
    すこし心配な気がします。
    残りの補強ポイントは先発1〜2名、リリーフ1〜2名、セカンド1名ぐらいですね。

    何よりも妥協せずに補強してほしいです。

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    1. コメントありがとうございます。
      現状予想されているラインナップはCマキャン、1Bテシェイラ、2Bジョンソン、3B?、SSジーター、LFガードナー、CFエルズベリー、RFベルトラン、DHソリアーノといったもののようです。
      ソリアーノに守備は期待しないほうがいいでしょうが、守れたとしてもやはり外野になるでしょう。
      カノー移籍でガタガタになりつつある内野守備をこれ以上崩壊させるのは流石に考えものですからね。
      あとはインファンテを狙っているという噂やイチローやガードナーのトレードの噂なども出ていますが、高齢選手が多い以上控えの層を厚くするのは必須でしょう。

      先発ローテーションは黒田、サバシア、ノバ、ピネダ、ウォーレンorフェルプスといったところでしょうか。
      先発投手を補強するのであればウォーレンとフェルプスはリリーフにまわすことができますね。
      ただリベラがいなくなったことでリリーフの信頼感が落ちてしまったのも事実ですから、リリーフの強化はしなくてはならないでしょう。

      ここまで補強したからには最後まで徹底的にやってほしいところですね。

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  2. スカーバラ2013年12月9日 20:55

     ロビンソン・カノーと10年契約。マリナーズはこの契約に向こう10年のチームの浮沈をかけたようですね。しかし、カノーにはそれだけの価値が十分にあります。2001年に地区優勝して以来、ずっとアスレティックス、エンゼルス、レンジャーズの後塵を拝してきたマリナーズですが、思い切った勝負で初のリーグ優勝、そして世界一を狙いにいくようです。
     確かにアストロズは当分は苦しいでしょうが(ペナントにからんでくるのは3年後くらいか?)、その他の4チームが戦力的には拮抗してくると思うので、ア・リーグの西地区も面白くなると思います。それに他所から選手を奪ってばかりという観のあるヤンキースが主力中の主力を他球団にとられるというのも何か痛快ですね(ファンには悪いですが)。

     それにしても大リーグを見ていて凄いと思うのは、今回のような長期の大型契約が珍しくないこと。日本のプロ野球でも少しずつ複数年契約が増えてきましたが、最長で5年くらいですし、単年契約が基本という傾向は変わっていません(複数年契約を要求する選手がいると「我儘」と言われることも多い)。
     これには複数年契約に対する偏見がかかわっています。曰く「複数年契約なんか結んだら、選手は最後の一年だけ頑張って、後の年はサボる」と。しかし、これは選手を馬鹿にした見解であり、妥当とは言えない。あまり極端に活躍しない場合は特別の解除条項を契約書に入れておけば対処できますし、むしろ戦力流出を阻止しチーム力を保つ積極面にもっと目をむけるべきでしょう(フロントの眼力が一番問われる)。特に資金力が乏しくFAによる戦力流出に対処しにくいチームこそ複数年契約を積極的に用いるべきではないかと思います。

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    1. コメントありがとうございます。
      カノーのいいところは本当に頑丈なところです。
      怪我がない選手はそれだけで長期契約のリスクが大きく下がります。
      マリナーズには他にもトレードで選手を獲得するという噂がありますし、それに値するプロスペクトも保有していますからかなり楽しみになってきました。
      またアストロズもプロスペクトの宝庫となってきたいますから、数年後はマリナーズとアストロズの優勝争いも見れるようになるのかもしれない。
      逆に私が応援しているエンジェルスはかなり希望がなくなってきており悲しい限りです。

      長期契約の是非については色々と難しいところですね。
      近年珍しくなくなった10年契約も、30歳になってからではかなり大きなリスクを伴います。
      ただそれだけの選手を獲得するには10年というのが必要になってきているのも事実です。
      獲得するチームとしては最初の5年で年俸分以上の活躍をしてもらって、残り5年をまずまずの成績で終えてもトータルでの収支は回収できるという考えでもあるのでしょう。
      しかし契約の規模はともかくおっしゃる通り長期契約自体はうまく使えば資金力の乏しいチームにとってもかなり有効な戦略です。
      その代表的な存在なのがレイズのロンゴリアですが、彼のように価値がある選手を早いうちに見抜いて安価な長期契約に持ち込むというのはこれからのトレンドになってくるでしょうね。

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