2014年3月6日木曜日

メジャーの〇〇自慢を探せ! 〈ウィニングショット編〉

今回は投手のウィニングショットに目を向けてみる。
好投手はみな強力なウィニングショットを持っているもの。
リベラのカッター、ヨハン・サンタナのチェンジアップのような時代を代表する強力な変化球を持つ投手を紹介しよう。

☆コール・ハメルズ(フィリーズ)
”チェンジアップ”
チェンジアップと言えば数年前まではヨハン・サンタナの代名詞だった。
そこからサンタナが低迷し、チェンジアップの最強の使い手として新たに名乗りを上げたのがハメルズだ。
彼は速球は平均程度の球速しかないのだが、83mph前後のチェンジアップで他の球種を際立たせている。




☆クレイトン・カーショウ(ドジャース)
”カーブ”
今や現役最高の投手の名を欲しいままにしているカーショウはすべての球種がハイレベルで、大きな弱点はない。
しかしその中でもひと際輝く球種が73mph前後のスローカーブだ。
このカーブの凄さを語るにはある一つのデータを示すだけでいいだろう。
カーショウが過去にシーズンで投げこんだ2157球のカーブの中で、本塁打されたものは1球もない。
これ以上に凄さがわかるデータはあるだろうか。





☆ダルビッシュ有(レンジャーズ)
”スライダー”
日本人ファンならお馴染みのダルビッシュのスライダーは日本のみならずMLBにおいても最強のウィニングショットとして評価されている。
彼が奪三振を量産しているのもスライダーがあるからに他ならない。
2009年のWBCで彼が最後に投じたスライダーには大きな衝撃を受けたが、曲がりの大きくなるMLB球で投げるダルビッシュのスライダーはまさに魔球だ。





☆アダム・ウェインライト(カージナルス)
”カーブ”
近年はカーブを多投する投手というのは多くなく、先に紹介したカーショウもカーブの割合は10%程度にすぎない。
その中で30%近い割合でカーブを投げるウェインライトは珍しいタイプの投手と言えるだろう。
2mの長身から投げ込む大きく割れるカーブは当然のごとく効果的で、コントロールも非常にいい。
怪我で1年を棒にふった後もカーブの精度は損なわれておらず、現役屈指のカーブピッチャーだと言える。





☆フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)
”チェンジアップ”
2009年頃まではそれほどチェンジアップを投げていなかったがサイ・ヤング賞を獲得した2010年からはチェンジアップの割合が大きく増加。
2013年はまた大きく割合を減らしたが、彼のチェンジアップの特徴は球速。
89mph前後という速さでストンと落ち、速球との球速差も3mph程度しかないため打者は見極めに非常に苦労する。
通常チェンジアップは速球との球速差が大きい方がいいものだが、ヘルナンデスのチェンジアップは空振りをとるだけでなくゴロを打たせるのにもかなり効果的だ。



4 件のコメント:

  1. マット・ハービーのフォーシームもすごいですよね。
    キングもそうですが、ストラスバーグのチェンジアップは現役最高級だと思います。
    一番好きなのはカーショウのスローカーブで、腕の振りは速いのにあんな遅くて大きく曲がる球を投げられると打てっこないです(笑)

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    1. コメントありがとうございます。
      今回フォーシームは入れませんでしたが、カーショウやハービーのフォーシームは素晴らしいですね。
      ストラスバーグはデビュー当時はカーブの方が印象が強かったのですがここ最近はチェンジアップがかなり効果的になっていますよね。
      三振を奪うシーンでもチェンジアップを目にするシーンが多いです。
      カーショウはカーブを低めに投げるだけでなく高め、特にインハイに投げるパターンも見受けられます。
      そうして見逃し三振をとってしまうのですからよっぽどカーブに自信がなければできないことですね。

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  2. スカーバラ2014年3月11日 16:49

     もしも完璧にコントロールできたら「究極の魔球」と言えると思われるナックルボール。ティム・ウェイクフィールドが引退した今は、現在ブルージェイズにいるR.A.ディッキーがナックルボーラーの一番手でしょうか。去年は今一つでしたが、ナックルに磨きをかけて2012年のように活躍してほしいですね。
     ナックルボールは投げる際、他の投球より力が要らないので、あまり疲れず短い間隔でも登板可、少々球数が増えても平気、長期間にわたって現役でいられる等々のメリットがありますが、コントロールが難しいという大きな欠点があります(捕手は苦労する。また、投手の中にもナックルは「まともな投球法」ではないと考える人もいる)。そこさえ何とかなれば投手にとって最良の投球法になると思うのですが、今のところこの投球法を完全にコントロール下に置いた投手はおそらくいません(伝説的ナックルボーラーのフィル・ニークロでもそこまでいかなかった)。まあ、「どこにいくかわからない」ことこそナックルボールの魅力でもあるのですが。

     さて、一時期「究極の魔球」と言われていたのはスプリット・フィンガード・ファストボール(SFF)。80年代にアストロズのマイク・スコット投手がこのボールを駆使して大活躍したことで日本でも有名になっていましたが、最近はあまり聞かなくなってしまいました。それに近いボールは今でも投げられているはずですが(「スプリッター」という名前の球は今でもよく聞く)、「SFF」というはっきりした名前の球を決め球にしている投手はあまりいないようです。確かひじを痛めるフォークボールよりひじに優しく、同じような効果をもたらす球として登場したのですが、研究の結果「フォークよりひじに悪い」ということが分かったためあまり使われなくなったという話を聞いたことがあります。

     フォークとかSFFとかは今の大リーグでは少々下火みたいですが(ナックルはそもそも用いる人が少ない)、できるだけいろんな決め球があった方が面白いので、少しでも使用する投手が増えてくれるといいですね(限定的に使いながらでも)。ただ、変化球(特にスライダー)は直球の球威をじわじわと落としてしまうという見解も有力なので、便利な球でも濫用はいけません。

     さて、ある意味「ザ・魔球」と言える球は何か?確か創刊当初の『スラッガー』誌のコラムで、「魔球」というためには効果絶大なだけでなく、何か怪しげでいかがわしい感じがしなくてはならないという趣旨の文章が載っていました。そのコラムが取り上げていたのはゲイロード・ペリー投手。自他ともに認めるスピットボールの達人でした。ボールに唾や噛みタバコ、ワセリン等の異物をつけて投げるスピットボール。おそろしく激しい変化をするこの球は確かに「魔球」と言えるでしょう。でも、反則ですから、今、堂々と「私はこの道の達人だ」と言える投手はいないでしょうね(長期出場停止は避けられない)。
     ちなみにペリー投手は常にスピットボールを投げていたわけではなく、スピットボールを投げると思わせて、打者が対応するためにバットを短く持ったら、「大して速くもない我が速球」を投げて凡打に討ち取っていたとか。イカサマ親父でしたが、危険投球ではなかったためファンには妙に親しまれており、300勝あげて殿堂入りもしています。あらゆる角度から投手が撮影される現代では、もうこんな投手はあらわれないでしょう(少し寂しい気もしますが)。

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    1. コメントありがとうございます。
      ナックルボールは確かに魔球と呼ぶにふさわしいですね。
      先発してほとんど一球種だけで試合を支配できるのはナックルだけでしょう。
      ただやはり使い手が少ないからこそ効果的という側面もあるでしょうから、あまり使い手が多くなると効果は薄れてしまうのかもしれません。
      それはスプリッターに関しても同様で、日本人投手の多くが使っているこの球種ですが、使い手が少ないからこそウィニングショットとして威力があります。
      田中は現役最強のスプリッター投手になれるのか楽しみですね。

      ちなみに珍しい球種と言えばトレードでエンジェルスへ移籍したヘクター・サンティアゴは希少なスクリューボールの使い手でもあります。
      こういう珍しいボールの使い手というのは効果はどうあれワクワクさせてくれますよね。

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