2014年9月6日土曜日

MVPレースの展望〈ナ・リーグ〉

ナ・リーグでMVP有力候補なのは以下の4選手だ。

ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)
138試合 打率.295 36本塁打 102打点 出塁率.402 OPS.968 10盗塁
fWAR5.9 rWAR6.4 wOBA.410

クレイトン・カーショウ(ドジャース)
23試合 17勝3敗 防御率1.70 169.1回 202奪三振 25四球 WHIP0.83
fWAR6.0 rWAR7.4 FIP1.89 xFIP2.07

アンドリュー・マッカッチェン(パイレーツ)
123試合 打率.303 21本塁打 72打点 出塁率.396 OPS.926 17盗塁
fWAR5.0 rWAR5.1 wOBA.400

バスター・ポージー(ジャイアンツ)
127試合 打率.305 19本塁打 78打点 出塁率.356 OPS.841 0盗塁
fWAR4.9 rWAR4.2 wOBA.365

基本的にはスタントンとカーショウの2選手の争いになりそうだ。
スタントンは今季怪我なくほとんどの試合に出続け、最大のウリであるパワーを存分に発揮している。
後半に入って勢いはさらに加速し、このままいけばキャリア初の40本塁打超えと本塁打王と打点のタイトルをとる可能性は高いだろう。
打率に関しては3割にのせてシーズンを終えられるかどうかというところだが、守備貢献度も非常に高い彼は例年なら文句なしのMVP最有力候補だ。
それを阻むのは現在負け越しで3位のチームと、またしてもレジェンド級のシーズンを過ごしているカーショウだ。
今季のカーショウの凄さを測るデータはいくらでもある。
例えば今季は5月に2回途中7失点という大炎上をおかした以外には4失点以上した試合がない。
そしてクオリティスタートを達成できなかったのもその試合を含めて2度しかない。
奪三振率と四球率はともにキャリアハイのペースで、6月には9回15奪三振のノーヒッター(味方のエラーがなければ完全試合)も演じてみせた。
WHIPに至っては歴代9位のペースで、防御率は2000年以降で最高の数値を叩き出している。
チームも好調で現在地区優勝争いのまっただ中だ。
しかしそんなカーショウにもマイナス要素はある。
まずは投手であるということ。
これはMVP投票では必ずネックになる要素だ。
そしてもう一つはシーズン序盤に怪我で離脱していたことだ。
そのため4月は一度も登板しておらず、仕事量の少なさが不利になる。
歴史的なシーズンではあっても完璧ではないということだ。
これがどう影響してくるか。
少なくともこの調子でいって20勝 200回さえ達成してしまえば誰も文句が言えないと私は思うのだがどうだろうか。
スタントン次第でもあるし、この一騎打ちは白熱している。

昨年のMVPマッカッチェンは今季も好調だが、相変わらず少々インパクトに欠けてしまうためスタントンを上回ることはないだろう。
伸びしろに注目なのがドジャースと絶賛地区優勝争い中のジャイアンツを引っ張る2012年のMVPポージー。
前半戦こそパッとしなかったが8月以降ハイペースで調子をあげており、一塁手として試合に出る試合も多いためこの勢いが続けば25本塁打 100打点が見えてくる。
チーム自体も最近調子をあげており、ドジャースとの優勝争いを制する立役者にでもなれば彼の名前はMVP投票でも重要になってくるだろう。

2 件のコメント:

  1. スカーバラ2014年9月7日 19:34

     もしカーショーがMVPを獲得するとすれば歴史的な快挙になります。ナショナル・リーグで投手がMVPに選出されたのは1968年のボブ・ギブソン(カーディナルス)が最後で、もう45年間もありません。1969年以降も6人の投手がMVPに選出されているアメリカン・リーグと比べると投票者たちの「投手嫌い」は際立っていると言えるでしょう(圧倒的な成績を残した1985年のドワイト・グッデンも選ばれなかった)。この牢固たる因習を打ち破るとすれば凄いことですし、カーショーならその資格は十分あると思います。

     ただ、管理人さんの仰る通り、シーズン序盤休んでいたことが響く危険性は少なくないでしょうね。ただでさえ、投手は「野手に比べて働いていない」と言われることがあり(個々の試合の負担の重さを考えるとこの評価は不当なはずだが)、4月に欠場していたのが不利に働くことは十分考えられます。でも、カーショーの現在までの成績はそれを補いうるものだと思います。他の候補である野手たちの成績も圧倒的とまでは言えないので、相対的にカーショーに票が集まる可能性もあるのではないでしょうか?

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    1. コメントありがとうございます。
      ついにカーショウが20勝も達成しました。
      しかし残念なことに予想される彼の残り登板回数はおそらく1度だけです。
      投球回数は現在190.1回ですから完投しても200回には届きそうにありません。
      あるいは最終戦あたりでリリーフ登板させてなんとか200回に届かせる可能性もありますがどうなるでしょうか。
      MVP争いとしては最有力候補だったスタントンが今季を終了したのでカーショウには有利な体勢が整っていますね。

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