2014年11月6日木曜日

2014年ゴールドグラブ賞

今季のゴールドグラブ賞が発表された。

ア・リーグ

C  サルバドール・ペレス(ロイヤルズ) 2年連続2回目
1B エリック・ホズマー(ロイヤルズ) 2年連続2回目
2B ダスティン・ペドロイア(レッドソックス) 2年連続4回目
3B カイル・シーガー(マリナーズ) 初
SS JJ・ハーディ(オリオールズ) 3年連続3回目
LF アレックス・ゴードン(ロイヤルズ) 4年連続4回目
CF アダム・ジョーンズ(オリオールズ) 3年連続4回目
RF ニック・マーケイキス(オリオールズ) 3年ぶり2回目
P  ダラス・カイコ(アストロズ) 初


ナ・リーグ

C  ヤディアー・モリーナ(カージナルス) 7年連続7回目
1B エイドリアン・ゴンザレス(ドジャース) 3年ぶり4回目
2B DJ・ラメイヒュー(ロッキーズ) 初
3B ノーラン・アレナード(ロッキーズ) 2年連続2回目
SS アンドレルトン・シモンズ(ブレーブス) 2年連続2回目
LF クリスチャン・イェリッチ(マーリンズ) 初
CF フアン・ラガーレス(メッツ) 初
RF ジェイソン・ヘイワード(ブレーブス) 2年ぶり2回目
P  ザック・グレインキー(ドジャース) 初


ワールドチャンピオンのジャイアンツからは誰も選出されなかったが、ア・リーグチャンピオンのロイヤルズからは3人、しかも2年連続で同じ顔ぶれの選手となった。
またオリオールズも3選手選出されており、堅守の印象のあるオリオールズとロイヤルズが大勢を占めている。
ナ・リーグの方はモリーナが7年連続と相変わらずの強さを見せたが、初受賞が4人出るなど多少ばらけた印象もある。

さて、このゴールドグラブ賞だが、日本のゴールデングラブ賞と同様正確に守備力を示しているかには関しては疑問を呈されることが多い。
過去に物議を醸した例を挙げるなら今季引退したレジェンドであるジーターが代表的だろう。
その華やかな守備とキャプテンシーから守備のいい印象があり、5度ものGG賞を獲得しているが実際には彼がその年一番守備力の高い遊撃手だったことはなく、むしろ平均以下の守備を披露している年も多かった。
何故そういったことがわかるかと言うと、近年打撃だけではなく守備も数値化することが可能になりつつあるからだ。
例えばDRSやUZRといったものが代表的で、数値がプラスなら平均以上、マイナスなら平均以下ということがわかる。
ある程度正確にその選手の守備力を定義するためには統計である以上一定量のサンプルが必要になり、3年間分のデータが必要とされているが、発展途上の指標である以上このあたりは仕方ないだろう。
もちろんこういったなんでも数値化してしまえという風潮に疑問を呈することもなくはないが、ファンや識者がその選手のすべてのプレーを見るのは無理があるため、本当にその選手の守備力がチームに貢献できるようなものなのかを測るにはこういった指標は完璧ではなくても有用なのだと私は思う。

ここでGG賞の方に話を戻すが、この賞はデータに基づいたものではなく、あくまで印象によるもの(明らかに打撃成績も加味されているなど)なので、多少不可思議な選手がなされることがよくある。
例えば今回の選手をDRS基準で見ると以下のようになる。

C  ペレス+8 モリーナ+8
1B ホズマー+3 ゴンザレス+12
2B ペドロイア+17 ラメイヒュー+16
3B シーガー+10 アレナード+16
SS ハーディ+10 シモンズ+28
LF ゴードン+27 イェリッチ+13
CF ジョーンズ+2 ラガーレス+28
RF マーケイキス+1 ヘイワード+32
P  カイコ+10 グレインキー+5

DRSがマイナス値を示した選手が選出されていない点は大きな前進だと言えるが、例えばホズマー、シーガー、ジョーンズあたりは他にもっと高い数値を示した選手がおり、ホズマーに関してはUZRはマイナスを示していた。
またジョーンズはここ数年印象で選ばれている感が最も強い選手であり、レオニス・マーティンなどはDRS、UZR、捕殺などで大きくジョーンズを上回っているにもかかわらず受賞できていない。
守備率もほぼ同じため、やはり打撃や印象でジョーンズが選出されたのではないかと思ってしまう。
印象というのは重要なものであるため否定するつもりはないが、そのために本当に実力のある守備職人が日の目を見ないならまた話も変わってくるだろう。

守備職人と言えば、今回よほどのMLBファンでないとわからない名前が一つでているはずだ。
それがフアン・ラガーレスだ。
ドミニカ出身の25歳で昨年デビューしたばかりの彼は打撃に特筆すべき点はほとんどないものの守備力は既にMLB最高レベル。
守備範囲や肩などで数々のファインプレーを演出する守備の達人だ。
打撃は平均以下、守備はMLB最高、そういう選手が好みの方は是非彼を追いかけてみてはいかがだろうか。






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