2014年11月6日木曜日

新人王ファイナリスト6名

新人王のファイナリストが各リーグ3名ずつ選出された。
残念ながら田中将大はファイナリストに残ることはできなかったが、来季以降今度はサイ・ヤング賞争いに顔を出すことを期待しよう。

”ア・リーグ”

ホゼ・アブレイユ(27)
145試合 打率.317 35二塁打 36本塁打 107打点 出塁率.383 OPS.964 3盗塁

キューバからやってきた最高級の打者。
打撃成績は新人という枠からかけ離れたものでほとんど文句なし。
数字だけで考えるなら彼が新人王を獲得するのに最もふさわしい。
問題はキューバリーグでの経歴を持つ彼を果たして新人と定義していいのか。
これは日本人選手にも同じことが言えるが、規制するルールがない以上とりあえず今回はアブレイユが高い確率で受賞することになるだろう。


デリン・ベタンセス(26)
70試合 5勝0敗 1セーブ 22ホールド 防御率1.40 90.0回 135奪三振 24四球 4被本塁打 WHIP0.78

メジャーデビューは2011年だったため年齢的には新人離れしているがメジャーではこれまで数イニングしか投げておらず、今季が実質的な初年度。
元々は先発として期待されていたがうまくいかず、今季はリリーフ専任にしたところかなりの好成績を残した。
非常に質の高い投球でチームに大きく貢献し、特にリリーフ専任ながら90回を投げたあたりかなりの労働量であるが、役割がセットアッパーにとどまったためセーブ数などの派手な数字がないのが惜しい。


マット・シューメイカー(28)
27試合 16勝4敗 防御率3.04 136.0回 124奪三振 24四球 14被本塁打 WHIP1.07

遅咲きの投手で昨季終盤にメジャーデビューし、今季が実質的なルーキーイヤーとなった。
マイナーではいい成績とは言い難いがメジャーで何かがはまったのか好投を続けあれよあれよと16勝をあげた。
規定投球回には届いていないが、内容的にも素晴らしく特に制球力はかなりハイレベルだ。
これが実力なのかどうかは今後見ていかなければわからないが、少なくとも今季の成績は新人としてはかなり素晴らしい部類に入る。


今回のア・リーグ新人王ファイナリストは全体的に高齢で、もしここに田中が入っていたとしてもそれは変わらない。
数字だけ見れば圧倒的なのはもちろんアブレイユだが、もし彼が選ばれればイチロー以来の他国トップリーグ経験者の受賞となる。
近年は毎年のように有力候補に日本人、キューバ人、韓国人といった他国リーグ経験者が入ってきたが、いざ選ばれればこれがなんらかの変化のきっかけになるかもしれない。
少なくとも日本、キューバ、韓国のようにある程度レベルの高いリーグを持つ国で実績がある選手は規制する必要は今後出てくるだろうと私は思う。


”ナ・リーグ”

ジェイコブ・デグローム(26)
22試合 9勝6敗 防御率2.69 140.1回 144奪三振 43四球 7被本塁打 WHIP1.14

2010年にドラフトで入団すると1年の全休などの壁に当たりながらもしっかり段階を踏んで今季のメジャーデビューまでたどり着いた。
序盤は制球難にも悩まされていたが終盤に入るにつれ洗練されていき、9月には試合開始から8人連続奪三振というタイ記録まで樹立してみせた。
規定投球回にも10勝にも届いていないあたり色々と惜しいが、かなり優秀な成績だと言える。


ビリー・ハミルトン(24)
152試合 打率.250 25二塁打 6本塁打 48打点 出塁率.292 OPS.648 56盗塁

大きな期待とともに今シーズンを迎えた彼だが、盗塁こそリーグ2位に入ったものの彼のパフォーマンスに失望したファンも多いだろう。
それくらい彼への期待度は大きかったからだ。
元々それほど安定感があったわけではない打撃の方で苦しみ、肝心の盗塁もデータ不足が原因か23もの盗塁死を記録している。
盗塁の最大のコツは塁に出ることとはよく言ったもので、今後は打撃面での進化が期待される。
ただ守備面では自慢の足を活かした広い守備範囲など貢献度が高く、打撃× 守備⚪︎ 走塁△というシーズンだったように思う。


コルテン・ウォン(24)
113試合 打率.249 14二塁打 12本塁打 42打点 出塁率.292 OPS.680 20盗塁

デビューしたばかりの昨季の散々なパフォーマンスからはかなり改善されたが、やはり成績的に飛び抜けた点がないのが痛い。
守備・走塁でのパフォーマンスは優れたものだったが、いくら二塁手とは言え打撃力がやはり大きな課題だ。
プレーオフで見せたように意外にもパンチ力はあり、出塁力があがれば将来性は感じさせるが、今季に関しては新人王受賞の可能性はないだろう。


ナ・リーグは大いに期待されたハミルトンと伏兵デグロームの一騎打ちという形になるが、個人的にはフルシーズンしっかり試合に出て好守備も披露し続けたハミルトンに軍配があがるのではないかと思う。
デグロームは記録も含めかなりのハイパフォーマンスだったことは確かだが、やはり10勝に届いていないあたりが響くのではないだろうか。
とは言えどちらが受賞しても個人的には文句がない戦いだ。


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