2014年7月4日金曜日

田中将大 MLB移籍後初のQS失敗

ヤンキースの田中がこの日ツインズ戦に登板し、元ヤンキースのフィル・ヒューズとの投げ合いを制して12勝目を手にした。
しかしこの試合勝利はしたものの、田中はMLB移籍後初となるQS(クオリティ・スタート)失敗を記録してしまった。

最近日本でもよく聞かれるようになったQSという言葉。
その意味は6回以上を3自責点以内に抑えること、つまり先発投手として最低限の仕事を果たしているかどうかを示している。
そしてQS率を見ることで、その投手がどれほどの試合で最低限の仕事を果たしたかわかり、登板ごとの安定感をはかることもできる。
具体例を挙げると、18勝3敗 防御率2.90という好成績でシーズンを終えた2008年の松坂は内容的にはあまり良いものではなかったというのは識者の間での見解だが、それを裏付ける数値の一つとして48%という非常に低いQS率がある。
これは彼の登板試合のうちの半分で先発としての最低限の仕事を果たせなかったということである。
それでも彼が見た目は好成績を残せたのは打線やリリーフ、そして運の良さに多いに助けられたからに他ならない。
このQS率はシーズンごとに見てもたいていサイ・ヤング賞争いをするようなトップクラスの投手で80%前後といったところで、70%を超えればかなりの好投手と言っていいだろう。
昨季防御率1.83という歴史的活躍を見せたカーショウでもQS率は82%でしかなかったということが、シーズンを通して安定感を維持し続けることの難しさを示している。

さてここで田中の話に戻るが、彼はMLB移籍後ここまで16試合連続でQSに成功していた。
しかし今日の試合惜しくも7回に失点したことでこの記録は途絶えてしまった。
これで田中のQS率は94%。
QS率だけ見ても後ろからフェリックス・ヘルナンデスが追ってきている。
昨季日本でシーズン無敗を達成したときのように、今季はQS率100%という数字が田中を特別な存在に押し上げていたのだが、これでその特別さは失われてしまった。
そのずば抜けた安定感でレースをリードしていた田中、破竹の勢いでハイパフォーマンスを続け多くのスタッツで田中を上回るヘルナンデス。
田中の記録が途切れたのは残念だが、このサイ・ヤング賞レースがどうなるのかが非常に楽しなものになってきた。





2 件のコメント:

  1. キングはさすがですね。
    オールスターの先発にも選ばれるほど前半戦は田中とともに圧倒的な活躍をしました。
    奪三振能力、制球力、投球術、風格など、全てにおいて穴が無い投手で、今やクレイトン・カーショウに次ぐ先発投手でしょう。
    今のところは、「さすが」としか言いようがありません。

    しかし気になるのは、やはり後半戦の9月前後です。
    毎年成績を大きく落としており、8月にはサイ・ヤング賞候補筆頭だったのに、シーズンが終わってみると名前すら出てきません。
    昨季は仕方ないとしても、過去2,3年を見ていると、また今年もか?と思ってしまいます。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      最近のヘルナンデスの安定感には目を見張りますね。
      田中が調子を落とし怪我に見舞われたのに対し、ヘルナンデスは調子を維持したまま毎試合すばらしいパフォーマンスを見せています。
      ホームでもアウェイでも変わらないあたり流石という他ありません。

      とは言え、おっしゃる通り2010年にサイ・ヤング賞を獲得して以来、毎年終盤に調子を落としている印象は否めません。
      しかしこれがもしモチベーションの問題なら今季は最後までハイパフォーマンスを維持してくれるのではないでしょうか。
      例年とは違い今季は彼がエースとして試合で活躍することがチームをプレーオフに導く可能性に直結するわけですから。
      もし単なるスタミナの問題ならその限りではありませんけどね。

      削除