今季は怪我もあり、現時点でキャリアワーストの被本塁打率を記録するなど正念場となっているのだが、8月に入ってからは非常に安定しておりようやく調子が上がってきたかなという状態だ。ここから調子を上げてFAに向けてその価値を示したいところだ。
2015年8月13日木曜日
岩隈久志 野茂以来2人目のノーヒットノーラン達成
日本人にとっては受難の年になっている2015年のMLB。その中にあって日本人ファンにとってはこれ以上ない快挙を岩隈久志が成し遂げてくれた。岩隈は日本人としては野茂以来2人目となるノーヒットノーランをオリオールズに対して達成した。9回7奪三振3四球という内容だった。
2014年12月27日土曜日
黒田が広島復帰濃厚
広島カープに少し遅いクリスマスプレゼントが届くかもしれない。
このほどヤンキースからFAとなっていた黒田博樹がカープに復帰するという報道がなされた。
以前より黒田はFAになるたびにカープ復帰への可能性が囁かれ、実際彼は複数年契約が得られたであろう状況でも単年契約にこだわってきた。
チカラが衰える前にカープへ復帰したいとの言葉もあり、近年は毎年のようにカープファンは期待してきたことだろう。
しかしMLBとNPB、しかもカープということでその経済力は桁違い。
MLBでは1500万ドル以上の価値を見出されている彼をカープが獲得できる道理はなかった。
黒田の気持ちは嬉しく思うも実際にはMLBで引退すると予想していたファンもたくさんいたはずだ。
しかし今回の報道通りなら、まだMLBでプレーできるレベルにある彼がカープのローテーションへと加わることになる。
年俸は4億円と言われており、MLBでの年俸とは比べ物にならないがそれだけ黒田にとってカープへの思いは強かったということだろうか。
通常日本に帰ってくる日本人メジャーリーガーは衰え、実力的にMLBで一線でやれなくなった選手がほとんどだ。
しかし黒田の場合は違う。
防御率こそ過去5年で最低の数値を記録したが、2桁勝利に200回近い投球回数、防御率3点台と日本に来ることが考えられないレベルの数字を2014年には残している。
年齢は来年40歳と高齢だが、日本のスポーツ新聞がよくいう”現役バリバリのメジャーリーガー”とは違う”本物の”メジャーリーガーがやってくることになるのだ。
それも日本の野球をすでに経験している投手である。
マウンドやボールの違いがあるため多少は感覚を戻す必要はあるだろうが、過去の経験があるため再び日本流にアジャストできる可能性は高い。
データで見ても黒田が非常に能力が高い投手であることは明らか。
パワーピッチは難しくとも洗練された技術により打者を打ち取る能力に長けている。
以下にFanGraphsより2014年の彼の投球データを引用するが、これを見れば彼が未だMLBでローテーションの2,3番手を張れるレベルであることがわかるだろう。
32試合 11勝9敗 防御率3.71 199.0回 146奪三振 35四球 20被本塁打
WHIP1.14 被打率.246 奪三振率6.60 四球率1.58 FIP3.60 xFIP3.54
シンカー 91.0mph(約147km) 39.7%
スプリッター 86.1mph(約139km) 27.4%
スライダー 82.9mph(約133km) 22.3%
4シーム 90.7mph(約146km) 6.5%
カーブ 76.1mph(約123km) 3.9%
カッター 89.6mph(約144km) 0.3%
2014年の最高球速は94.7mph(約152km)で未だに日本では上位の球威を誇ることが伺える。
マウンドやボールの違い、あるいは年齢的な劣化により来季は球速に衰えが出ることは間違いないだろうが、大きな衰えでなければ問題にはならないはずだ。
今の黒田を支えているのは制球力で、打たせてとるタイプの彼にとっては内野の守備力が重要になってくる。
その点NPB一の二塁守備を誇る菊池がいることが黒田にとって大きなプラス要素になるはずだ。
前年までMLBで一線級の活躍を見せていたからといってNPBで最高クラスの活躍ができるとは限らない。
環境的に大きな違いがあるし、黒田自身年齢という問題もある。
それでもこのレベルの投手が来日するケースは極めて稀であり、彼のプレーは日本中の野球ファンの注目を集めることになるだろう。
彼が日本にいた時のダルビッシュや田中、あるいは今の金子のような数字を残せるとはあまり思えないが、エース級と呼べるくらいの成績はだしてくれるのではないかと私は思っている。
若い先発投手が揃うカープは、エース前田に黒田が加わったことで一気にローテーションの層が厚くなった感がある。
20億円近いオファーを蹴ってカープに戻ってくる黒田は2015年シーズンNPBでの再注目選手になることは間違いないだろう。
願わくば大活躍してカープの偉大なレジェンドとして引退してほしいものだ。
2014年11月8日土曜日
日米野球来日ロースター決定
来日する29人のメジャーリーガー達が決定した。
ベストには程遠いメンバーであることは間違いないが、カノー、プイグ、アルトゥーベ、ロンゴリアなどのスター選手も少なからずおり、MLBに興味のあるファンにはなかなか興味深いシリーズになるのではないだろうか。
投手
岩隈久志(マリナーズ)
ジェレミー・ガスリー(ロイヤルズ)
マット・シューメイカー(エンジェルス)
ヘクター・サンティアゴ(エンジェルス)
和田毅(カブス)
フランクリン・モラレス(FA)
クリス・カプアーノ(FA)
ジェフ・ベリヴ(レイズ)
ジェリー・ブレビンス(ナショナルズ)
ランディ・チョート(カージナルス)
ロブ・ウッテン(ブルワーズ)
ホゼ・ベラス(アストロズ)
トミー・ハンター(オリオールズ)
マーク・メランソン(パイレーツ)
捕手
サルバドール・ペレス(ロイヤルズ)
エリック・クラッツ(ロイヤルズ)
ドリュー・ブーテラ(ドジャース)
内野手
カルロス・サンタナ(インディアンス)
ジャスティン・モーノー(ロッキーズ)
ホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)
ロビンソン・カノー(マリナーズ)
エバン・ロンゴリア(レイズ)
アルシデス・エスコバー(ロイヤルズ)
エドゥアルド・ヌニェス(ツインズ)
外野手
ヤシエル・プイグ(ドジャース)
デクスター・ファウラー(アストロズ)
内野手/外野手
クリス・カーター(アストロズ)
ルーカス・デューダ(メッツ)
ベン・ゾブリスト(レイズ)
まず投手についてだが、酷いの一言。
一流と言える投手は岩隈とメランソンくらいしか見当たらず、MLBベストメンバーを組むならこの選手らは誰も入ることはないであろうメンツだ。
しかし野手の方はそれなりの選手が集まっている。
私がラインナップを組むとしたら以下のようになるだろうか。
1 DH ホゼ・アルトゥーベ
2 CF ヤシエル・プイグ
3 2B ロビンソン・カノー
4 3B エバン・ロンゴリア
5 1B カルロス・サンタナ
6 RF ベン・ゾブリスト
7 LF クリス・カーター
8 C サルバドール・ペレス
9 SS アルシデス・エスコバー
これだけ見れば絶対的な破壊力には欠けるものの、かなり面白みはあるのではないだろうか。
少なくとも1番から4番まではオールスター級の野手が揃っている。
問題はこのメンバーがしっかりかみ合うかどうかと、コンディションやモチベーションなどだ。
日本のチームはこのチーム相手にどこまでやれるのか非常に楽しみである。
ベストには程遠いメンバーであることは間違いないが、カノー、プイグ、アルトゥーベ、ロンゴリアなどのスター選手も少なからずおり、MLBに興味のあるファンにはなかなか興味深いシリーズになるのではないだろうか。
投手
岩隈久志(マリナーズ)
ジェレミー・ガスリー(ロイヤルズ)
マット・シューメイカー(エンジェルス)
ヘクター・サンティアゴ(エンジェルス)
和田毅(カブス)
フランクリン・モラレス(FA)
クリス・カプアーノ(FA)
ジェフ・ベリヴ(レイズ)
ジェリー・ブレビンス(ナショナルズ)
ランディ・チョート(カージナルス)
ロブ・ウッテン(ブルワーズ)
ホゼ・ベラス(アストロズ)
トミー・ハンター(オリオールズ)
マーク・メランソン(パイレーツ)
捕手
サルバドール・ペレス(ロイヤルズ)
エリック・クラッツ(ロイヤルズ)
ドリュー・ブーテラ(ドジャース)
内野手
カルロス・サンタナ(インディアンス)
ジャスティン・モーノー(ロッキーズ)
ホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)
ロビンソン・カノー(マリナーズ)
エバン・ロンゴリア(レイズ)
アルシデス・エスコバー(ロイヤルズ)
エドゥアルド・ヌニェス(ツインズ)
外野手
ヤシエル・プイグ(ドジャース)
デクスター・ファウラー(アストロズ)
内野手/外野手
クリス・カーター(アストロズ)
ルーカス・デューダ(メッツ)
ベン・ゾブリスト(レイズ)
まず投手についてだが、酷いの一言。
一流と言える投手は岩隈とメランソンくらいしか見当たらず、MLBベストメンバーを組むならこの選手らは誰も入ることはないであろうメンツだ。
しかし野手の方はそれなりの選手が集まっている。
私がラインナップを組むとしたら以下のようになるだろうか。
1 DH ホゼ・アルトゥーベ
2 CF ヤシエル・プイグ
3 2B ロビンソン・カノー
4 3B エバン・ロンゴリア
5 1B カルロス・サンタナ
6 RF ベン・ゾブリスト
7 LF クリス・カーター
8 C サルバドール・ペレス
9 SS アルシデス・エスコバー
これだけ見れば絶対的な破壊力には欠けるものの、かなり面白みはあるのではないだろうか。
少なくとも1番から4番まではオールスター級の野手が揃っている。
問題はこのメンバーがしっかりかみ合うかどうかと、コンディションやモチベーションなどだ。
日本のチームはこのチーム相手にどこまでやれるのか非常に楽しみである。
2014年9月26日金曜日
デレク・ジーター ホーム最終戦でサヨナラヒット
やはりこの男は伝説だった。
これまでいくつもの伝説を残してきたヤンキースのキャプテン、デレク・ジーター。
Mr.Novemberと呼ばれるようになったポストシーズンでのサヨナラ本塁打、The Flipと呼ばれるポストシーズンでの歴史に残る守備、3000本安打を本塁打で決めたことなど、印象的なプレーは数知れない。
そして今日迎えたヤンキースタジアムでの最終戦。
ジーターの最終年にポストシーズンをプレゼントすることはできなかったがホーム最終戦だけは絶対に落としてはならなかった。
ヤンキースの先発投手は黒田。
初回オリオールズに2点先制を許すも、その裏すぐにジーターのタイムリー二塁打を含んだ攻撃で同点に追いつく。
そして同点の7回裏満塁の場面でおあつらえ向きにジーターに打順がまわり、安打こそならなかったもののエラーを誘いイチローらがホームインし勝ち越しの2得点に貢献。
黒田も好投しこのまま勝利かと思われたが守護神ロバートソンが9回にまさかの2被本塁打し同点に追いつかれる。
なんとしてでも勝ちたいヤンキースだが、その裏1アウト2塁の場面でまたしても打席にはジーター。
やはりスター性が呼び込むのかいい場面でことごとく打席が回ってきたが、最後にしっかり結果を出すのがこの男。
だからこそのスーパースター。だからこそのMLBの顔。だからこそのデレク・ジーターである。
そうして彼はサヨナラ安打という最高の形でヤンキースタジアムでの伝説を締めくくった。
これまでいくつもの伝説を残してきたヤンキースのキャプテン、デレク・ジーター。
Mr.Novemberと呼ばれるようになったポストシーズンでのサヨナラ本塁打、The Flipと呼ばれるポストシーズンでの歴史に残る守備、3000本安打を本塁打で決めたことなど、印象的なプレーは数知れない。
そして今日迎えたヤンキースタジアムでの最終戦。
ジーターの最終年にポストシーズンをプレゼントすることはできなかったがホーム最終戦だけは絶対に落としてはならなかった。
ヤンキースの先発投手は黒田。
初回オリオールズに2点先制を許すも、その裏すぐにジーターのタイムリー二塁打を含んだ攻撃で同点に追いつく。
そして同点の7回裏満塁の場面でおあつらえ向きにジーターに打順がまわり、安打こそならなかったもののエラーを誘いイチローらがホームインし勝ち越しの2得点に貢献。
黒田も好投しこのまま勝利かと思われたが守護神ロバートソンが9回にまさかの2被本塁打し同点に追いつかれる。
なんとしてでも勝ちたいヤンキースだが、その裏1アウト2塁の場面でまたしても打席にはジーター。
やはりスター性が呼び込むのかいい場面でことごとく打席が回ってきたが、最後にしっかり結果を出すのがこの男。
だからこそのスーパースター。だからこそのMLBの顔。だからこそのデレク・ジーターである。
そうして彼はサヨナラ安打という最高の形でヤンキースタジアムでの伝説を締めくくった。
2014年7月30日水曜日
和田毅メジャー初勝利!
和田は日本を代表する左腕として活躍し、オリオールズと契約し渡米後まもなく故障によりTJ手術を受け、一度もメジャーの舞台で投げることなく新天地に活躍の場を求めた。
そして念願叶いカブスでメジャーデビューを果たし、初登板の試合では5回無失点と好投してみせた。
しかし次の試合では5失点するなどメジャーの洗礼を浴び、迎えたメジャー3戦目で彼はついにメジャー初勝利をあげた。
相手は強打のロッキーズ打線、主砲のトゥロウィツキーがいないとは言え7回1失点と封じてみせたのは今後への好材料だ。
球威に乏しい和田にとって生命線になるのは制球力であり、実際5失点した前回登板では4四球と制球の乱れが乱調の大きな原因になった。
再建中のチームにあって33歳の投手というのは好条件ではないが、生き残りをかけて今後の登板は一度たりとも気が抜けない。
もし彼が他の日本人投手のようにチームに必要なローテーションの軸になることができれば、日本の投手力の高さを改めて証明することができるだろう。
今後の活躍に多いに期待したい。
そして念願叶いカブスでメジャーデビューを果たし、初登板の試合では5回無失点と好投してみせた。
しかし次の試合では5失点するなどメジャーの洗礼を浴び、迎えたメジャー3戦目で彼はついにメジャー初勝利をあげた。
相手は強打のロッキーズ打線、主砲のトゥロウィツキーがいないとは言え7回1失点と封じてみせたのは今後への好材料だ。
球威に乏しい和田にとって生命線になるのは制球力であり、実際5失点した前回登板では4四球と制球の乱れが乱調の大きな原因になった。
再建中のチームにあって33歳の投手というのは好条件ではないが、生き残りをかけて今後の登板は一度たりとも気が抜けない。
もし彼が他の日本人投手のようにチームに必要なローテーションの軸になることができれば、日本の投手力の高さを改めて証明することができるだろう。
今後の活躍に多いに期待したい。
2014年7月8日火曜日
オールスター選出選手発表
2014年7月15日に行われるオールスターのメンバーが、両リーグ最後の1人を残して発表された。
選出結果は以下の通り。
ア・リーグ
先発野手
C マット・ウィーターズ(オリオールズ)
1B ミゲル・カブレラ(タイガース)
2B ロビンソン・カノー(マリナーズ)
SS デレク・ジーター(ヤンキース)
3B ジョシュ・ドナルドソン(アスレチックス)
OF ホゼ・バティスタ(ブルージェイズ)
OF マイク・トラウト(エンジェルス)
OF アダム・ジョーンズ(オリオールズ)
DH ネルソン・クルーズ(オリオールズ)
投手
フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)
ダルビッシュ有(レンジャーズ)
田中将大(ヤンキース)
マックス・シャーザー(タイガース)
デビッド・プライス(レイズ)
スコット・カズミア(アスレチックス)
ジョン・レスター(レッドソックス)
マーク・バーリー(ブルージェイズ)
デリン・ベタンセス(ヤンキース)
ショーン・ドゥーリトル(アスレチックス)
グレン・パーキンス(ツインズ)
グレッグ・ホランド(ロイヤルズ)
控え野手
C デレク・ノリス(アスレチックス)
C サルバドール・ペレス(ロイヤルズ)
C カート・スズキ(ツインズ)
1B ホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス)
1B ブランドン・モス(アスレチックス)
2B ホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)
SS アレクセイ・ラミレス(ホワイトソックス)
3B エイドリアン・ベルトレ(レンジャーズ)
OF マイケル・ブラントリー(インディアンス)
OF ヨエニス・セスペデス(アスレチックス)
OF アレックス・ゴードン(ロイヤルズ)
DH エドウィン・エンカーナシオン(ブルージェイズ)
DH ビクター・マルチネス(タイガース)
ナ・リーグ
先発野手
C ヤディアー・モリーナ(カージナルス)
1B ポール・ゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)
2B チェイス・アトリー(フィリーズ)
SS トロイ・トゥロウィツキ(ロッキーズ)
3B アラミス・ラミレス(ブルワーズ)
OF アンドリュー・マッカッチェン(パイレーツ)
OF カルロス・ゴメス(ブルワーズ)
OF ヤシエル・プイグ(ドジャース)
投手
カレイトン・カーショウ(ドジャース)
ザック・グレインキー(ドジャース)
ジョニー・クエト(レッズ)
マディソン・バンガーナー(ジャイアンツ)
タイソン・ロス(パドレス)
ジェフ・サマージャ(カブス/アスレチックス)
フリオ・テヘラン(ブレーブス)
アダム・ウェインライト(カージナルス)
ジョーダン・ジマーマン(ナショナルズ)
フランシスコ・ロドリゲス(ブルワーズ)
パット・ニーシェック(カージナルス)
トニー・ワトソン(パイレーツ)
アロルディス・チャプマン(レッズ)
クレイグ・キンブレル(ブレーブス)
控え野手
C ジョナサン・ルクロイ(ブルワーズ)
C デビン・メゾラコ(レッズ)
1B フレディ・フリーマン(ブレーブス)
2B ディー・ゴードン(ドジャース)
2B ダニエル・マーフィ(メッツ)
SS スターリン・カストロ(カブス)
3B マット・カーペンター(カージナルス)
3B トッド・フレイジャー(レッズ)
OF チャーリー・ブラックモン(ロッキーズ)
OF ジョシュ・ハリソン(パイレーツ)
OF ハンター・ペンス(ジャイアンツ)
OF ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)
両リーグで最多選出チームは6人のアスレチックスで、チームの好調さがそのまま結果に出た形だ。
上原が選ばれていないなど不可解な点もあるにはあるが、それがオールスターというもの。
この中でも最も注目すべきなのはもちろんジーターだ。
MLB屈指のスター選手最後のオールスターであり、昨季のリベラ同様特別な計らいがあることだろう。
日本人は田中、ダルビッシュの2人が選ばれており、並み居る強打者相手にどういったパフォーマンスを見せるか注目だ。
最後の1人を決めるファイナルボートには以下の選手たちが選ばれている。
ア・リーグ
クリス・セール(ホワイトソックス)
ギャレット・リチャーズ(エンジェルス)
リック・ポーセロ(タイガース)
コリー・クルーバー(インディアンス)
ダラス・カイコ(アストロズ)
ナ・リーグ
ジャスティン・モーノー(ロッキーズ)
アンソニー・レンドン(ナショナルズ)
アンソニー・リゾー(カブス)
ケイシー・マギー(マーリンズ)
ジャスティン・アップトン(ブレーブス)
選出結果は以下の通り。
ア・リーグ
先発野手
C マット・ウィーターズ(オリオールズ)
1B ミゲル・カブレラ(タイガース)
2B ロビンソン・カノー(マリナーズ)
SS デレク・ジーター(ヤンキース)
3B ジョシュ・ドナルドソン(アスレチックス)
OF ホゼ・バティスタ(ブルージェイズ)
OF マイク・トラウト(エンジェルス)
OF アダム・ジョーンズ(オリオールズ)
DH ネルソン・クルーズ(オリオールズ)
投手
フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)
ダルビッシュ有(レンジャーズ)
田中将大(ヤンキース)
マックス・シャーザー(タイガース)
デビッド・プライス(レイズ)
スコット・カズミア(アスレチックス)
ジョン・レスター(レッドソックス)
マーク・バーリー(ブルージェイズ)
デリン・ベタンセス(ヤンキース)
ショーン・ドゥーリトル(アスレチックス)
グレン・パーキンス(ツインズ)
グレッグ・ホランド(ロイヤルズ)
控え野手
C デレク・ノリス(アスレチックス)
C サルバドール・ペレス(ロイヤルズ)
C カート・スズキ(ツインズ)
1B ホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス)
1B ブランドン・モス(アスレチックス)
2B ホゼ・アルトゥーベ(アストロズ)
SS アレクセイ・ラミレス(ホワイトソックス)
3B エイドリアン・ベルトレ(レンジャーズ)
OF マイケル・ブラントリー(インディアンス)
OF ヨエニス・セスペデス(アスレチックス)
OF アレックス・ゴードン(ロイヤルズ)
DH エドウィン・エンカーナシオン(ブルージェイズ)
DH ビクター・マルチネス(タイガース)
ナ・リーグ
先発野手
C ヤディアー・モリーナ(カージナルス)
1B ポール・ゴールドシュミット(ダイヤモンドバックス)
2B チェイス・アトリー(フィリーズ)
SS トロイ・トゥロウィツキ(ロッキーズ)
3B アラミス・ラミレス(ブルワーズ)
OF アンドリュー・マッカッチェン(パイレーツ)
OF カルロス・ゴメス(ブルワーズ)
OF ヤシエル・プイグ(ドジャース)
投手
カレイトン・カーショウ(ドジャース)
ザック・グレインキー(ドジャース)
ジョニー・クエト(レッズ)
マディソン・バンガーナー(ジャイアンツ)
タイソン・ロス(パドレス)
ジェフ・サマージャ(カブス/アスレチックス)
フリオ・テヘラン(ブレーブス)
アダム・ウェインライト(カージナルス)
ジョーダン・ジマーマン(ナショナルズ)
フランシスコ・ロドリゲス(ブルワーズ)
パット・ニーシェック(カージナルス)
トニー・ワトソン(パイレーツ)
アロルディス・チャプマン(レッズ)
クレイグ・キンブレル(ブレーブス)
控え野手
C ジョナサン・ルクロイ(ブルワーズ)
C デビン・メゾラコ(レッズ)
1B フレディ・フリーマン(ブレーブス)
2B ディー・ゴードン(ドジャース)
2B ダニエル・マーフィ(メッツ)
SS スターリン・カストロ(カブス)
3B マット・カーペンター(カージナルス)
3B トッド・フレイジャー(レッズ)
OF チャーリー・ブラックモン(ロッキーズ)
OF ジョシュ・ハリソン(パイレーツ)
OF ハンター・ペンス(ジャイアンツ)
OF ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)
両リーグで最多選出チームは6人のアスレチックスで、チームの好調さがそのまま結果に出た形だ。
上原が選ばれていないなど不可解な点もあるにはあるが、それがオールスターというもの。
この中でも最も注目すべきなのはもちろんジーターだ。
MLB屈指のスター選手最後のオールスターであり、昨季のリベラ同様特別な計らいがあることだろう。
日本人は田中、ダルビッシュの2人が選ばれており、並み居る強打者相手にどういったパフォーマンスを見せるか注目だ。
最後の1人を決めるファイナルボートには以下の選手たちが選ばれている。
ア・リーグ
クリス・セール(ホワイトソックス)
ギャレット・リチャーズ(エンジェルス)
リック・ポーセロ(タイガース)
コリー・クルーバー(インディアンス)
ダラス・カイコ(アストロズ)
ナ・リーグ
ジャスティン・モーノー(ロッキーズ)
アンソニー・レンドン(ナショナルズ)
アンソニー・リゾー(カブス)
ケイシー・マギー(マーリンズ)
ジャスティン・アップトン(ブレーブス)
2014年7月4日金曜日
田中将大 MLB移籍後初のQS失敗
ヤンキースの田中がこの日ツインズ戦に登板し、元ヤンキースのフィル・ヒューズとの投げ合いを制して12勝目を手にした。
しかしこの試合勝利はしたものの、田中はMLB移籍後初となるQS(クオリティ・スタート)失敗を記録してしまった。
最近日本でもよく聞かれるようになったQSという言葉。
その意味は6回以上を3自責点以内に抑えること、つまり先発投手として最低限の仕事を果たしているかどうかを示している。
そしてQS率を見ることで、その投手がどれほどの試合で最低限の仕事を果たしたかわかり、登板ごとの安定感をはかることもできる。
具体例を挙げると、18勝3敗 防御率2.90という好成績でシーズンを終えた2008年の松坂は内容的にはあまり良いものではなかったというのは識者の間での見解だが、それを裏付ける数値の一つとして48%という非常に低いQS率がある。
これは彼の登板試合のうちの半分で先発としての最低限の仕事を果たせなかったということである。
それでも彼が見た目は好成績を残せたのは打線やリリーフ、そして運の良さに多いに助けられたからに他ならない。
このQS率はシーズンごとに見てもたいていサイ・ヤング賞争いをするようなトップクラスの投手で80%前後といったところで、70%を超えればかなりの好投手と言っていいだろう。
昨季防御率1.83という歴史的活躍を見せたカーショウでもQS率は82%でしかなかったということが、シーズンを通して安定感を維持し続けることの難しさを示している。
さてここで田中の話に戻るが、彼はMLB移籍後ここまで16試合連続でQSに成功していた。
しかし今日の試合惜しくも7回に失点したことでこの記録は途絶えてしまった。
これで田中のQS率は94%。
QS率だけ見ても後ろからフェリックス・ヘルナンデスが追ってきている。
昨季日本でシーズン無敗を達成したときのように、今季はQS率100%という数字が田中を特別な存在に押し上げていたのだが、これでその特別さは失われてしまった。
そのずば抜けた安定感でレースをリードしていた田中、破竹の勢いでハイパフォーマンスを続け多くのスタッツで田中を上回るヘルナンデス。
田中の記録が途切れたのは残念だが、このサイ・ヤング賞レースがどうなるのかが非常に楽しなものになってきた。
しかしこの試合勝利はしたものの、田中はMLB移籍後初となるQS(クオリティ・スタート)失敗を記録してしまった。
最近日本でもよく聞かれるようになったQSという言葉。
その意味は6回以上を3自責点以内に抑えること、つまり先発投手として最低限の仕事を果たしているかどうかを示している。
そしてQS率を見ることで、その投手がどれほどの試合で最低限の仕事を果たしたかわかり、登板ごとの安定感をはかることもできる。
具体例を挙げると、18勝3敗 防御率2.90という好成績でシーズンを終えた2008年の松坂は内容的にはあまり良いものではなかったというのは識者の間での見解だが、それを裏付ける数値の一つとして48%という非常に低いQS率がある。
これは彼の登板試合のうちの半分で先発としての最低限の仕事を果たせなかったということである。
それでも彼が見た目は好成績を残せたのは打線やリリーフ、そして運の良さに多いに助けられたからに他ならない。
このQS率はシーズンごとに見てもたいていサイ・ヤング賞争いをするようなトップクラスの投手で80%前後といったところで、70%を超えればかなりの好投手と言っていいだろう。
昨季防御率1.83という歴史的活躍を見せたカーショウでもQS率は82%でしかなかったということが、シーズンを通して安定感を維持し続けることの難しさを示している。
さてここで田中の話に戻るが、彼はMLB移籍後ここまで16試合連続でQSに成功していた。
しかし今日の試合惜しくも7回に失点したことでこの記録は途絶えてしまった。
これで田中のQS率は94%。
QS率だけ見ても後ろからフェリックス・ヘルナンデスが追ってきている。
昨季日本でシーズン無敗を達成したときのように、今季はQS率100%という数字が田中を特別な存在に押し上げていたのだが、これでその特別さは失われてしまった。
そのずば抜けた安定感でレースをリードしていた田中、破竹の勢いでハイパフォーマンスを続け多くのスタッツで田中を上回るヘルナンデス。
田中の記録が途切れたのは残念だが、このサイ・ヤング賞レースがどうなるのかが非常に楽しなものになってきた。
2014年6月30日月曜日
田中 MLBタイ記録を樹立
カーショウとリンスカムの2人のノーヒッターに加えて、もう一つ大きなニュースがあった。
今やヤンキースのエースという存在になった田中将大が連続クオリティスタートのMLBタイ記録を樹立したのだ。
以前も言及したが1973年にスティーブ・ロジャースが達成した16試合連続QSがこれまでのMLB記録であり、田中は5/28の試合で9回2失点とまたしても好投したためこの記録に並んだことになる。
次の登板では新記録がかかる。
6月登板の5試合全てで本塁打を浴びるなど少々気がかりな点はあるが、相変わらず抜群の制球力で余計なランナーを出さないため最小失点で抑えることに成功している。
右のクリフ・リーと言ってもいい投球内容で次の試合でもきっと好投して新記録を達成してくれることだろう。
あわよくばシーズンQS率100%というとんでもない記録も狙えるかもしれない。
現状の活躍ぶりはサイ・ヤング賞最有力候補と言って差し支えなく、田中は日本だけでなくMLBでもレンジェンドへの道を歩みつつある。
今やヤンキースのエースという存在になった田中将大が連続クオリティスタートのMLBタイ記録を樹立したのだ。
以前も言及したが1973年にスティーブ・ロジャースが達成した16試合連続QSがこれまでのMLB記録であり、田中は5/28の試合で9回2失点とまたしても好投したためこの記録に並んだことになる。
次の登板では新記録がかかる。
6月登板の5試合全てで本塁打を浴びるなど少々気がかりな点はあるが、相変わらず抜群の制球力で余計なランナーを出さないため最小失点で抑えることに成功している。
右のクリフ・リーと言ってもいい投球内容で次の試合でもきっと好投して新記録を達成してくれることだろう。
あわよくばシーズンQS率100%というとんでもない記録も狙えるかもしれない。
現状の活躍ぶりはサイ・ヤング賞最有力候補と言って差し支えなく、田中は日本だけでなくMLBでもレンジェンドへの道を歩みつつある。
2014年6月12日木曜日
ダルビッシュ メジャー初完封
この日本塁打王候補のスタントンや昨季楽天の日本一に貢献したマギーなどを擁するマーリンズ打線相手に9回6安打10奪三振3四球の完封劇で7勝目。
これまで2度のノーヒッター未遂などをやってきたダルビッシュだがメジャー3年目にしてこれが初完投・初完封となった。
何よりも成長を感じさせるのは9回を117球で抑えたこと。
これまでなら130球近い球数を要していたところを3つの四球を出しながらも120球以内で抑えるようになったのはメジャーにしっかりアジャストした証拠だ。
四球は少ないとは言えないがストライクゾーンで勝負できるようになったダルビッシュは弱点を着実に減らしていっている。
今日の試合はこれから何度も完投・完封するであろうダルビッシュの最初の一歩である。
またこの日は田中もマリナーズを相手に先発登板し、9回1アウトまで完封ペースを維持していたが不運な内野安打でランナーを許すと続くカノーに本塁打を打たれ2点を失い、今季2度目の完封とはいかなかった。
それでも後続はしっかりと打ち取り9回6安打2失点11奪三振1四球1被本塁打で10勝目を挙げた。
これまで2度のノーヒッター未遂などをやってきたダルビッシュだがメジャー3年目にしてこれが初完投・初完封となった。
何よりも成長を感じさせるのは9回を117球で抑えたこと。
これまでなら130球近い球数を要していたところを3つの四球を出しながらも120球以内で抑えるようになったのはメジャーにしっかりアジャストした証拠だ。
四球は少ないとは言えないがストライクゾーンで勝負できるようになったダルビッシュは弱点を着実に減らしていっている。
今日の試合はこれから何度も完投・完封するであろうダルビッシュの最初の一歩である。
またこの日は田中もマリナーズを相手に先発登板し、9回1アウトまで完封ペースを維持していたが不運な内野安打でランナーを許すと続くカノーに本塁打を打たれ2点を失い、今季2度目の完封とはいかなかった。
それでも後続はしっかりと打ち取り9回6安打2失点11奪三振1四球1被本塁打で10勝目を挙げた。
2014年6月4日水曜日
田中 初の月間最優秀投手を獲得
ヤンキースの田中将大が初の月間最優秀に輝いた。
5月の成績は以下の通り。
6試合 5勝1敗 防御率1.88 43.0回 42奪三振 6四球 2被本塁打 WHIP0.98
1敗こそしてしまったが4月は苦しんだ被本塁打も2本に抑え、完封も記録するなど本領発揮してきた感がある。
1年目のダルビッシュが大きく苦しんだ左打者にも全く苦労しておらず、クオリティスタート率も両リーグ唯一の100%を維持するなど既に最高の投手の一角へと顔を出している。
ルーキーが月間最優秀投手を獲得するのはMLBでは昨年7月のクリス・アーチャー以来だが、田中がもはやルーキーという枠組みに収まってはいないのは言うまでもないだろう。
日本では凄まじい記録を樹立した田中だが、実はあるMLB記録も視野に入ってきている。
それが連続クオリティスタート達成の記録であり、これまでのMLB記録は1973年のスティーブ・ロジャースが樹立した16試合連続クオリティスタートだ。
この記録に到達するまであと5試合続けていかなくてはならないが、それをやってしまいそうな雰囲気があるのが田中将大という男だ。
次の対戦相手は兄貴分ダルビッシュがMLBで最も苦手とするアスレチックス。
今季好調でボールを見極める選球眼と試合の流れを変える長打力に長けた打線に加え、リーグ最高クラスの投手力を持ち合わせた隙の少ないチームだ。
相手投手もここまで防御率2.37のドラフト1位投手ポメランツということで、田中にとってもヤンキース打線にとっても苦しい戦いになることは間違いないだろう。
連続クオリティスタート記録への最大の難関になるはずだ。
逆にこのチームをあっさりシャットアウトすることができれば田中にもはや敵はいなくなる。
6月5日(日本時間6日)の試合は最も注目すべき試合になる。
そうなれば新人王はおろかサイ・ヤング賞も視界に入ってくるだろう。
5月の月間アワードは以下の通り。
月間MVP
野手部門 エドウィン・エンカーナシオン(TOR) ヤシエル・プイグ(LAD)
投手部門 田中将大(NYY) マディソン・バンガーナー(SF)
ルーキー ジョージ・スプリンガー(HOU) コルテン・ウォン(STL)
5月の成績は以下の通り。
6試合 5勝1敗 防御率1.88 43.0回 42奪三振 6四球 2被本塁打 WHIP0.98
1敗こそしてしまったが4月は苦しんだ被本塁打も2本に抑え、完封も記録するなど本領発揮してきた感がある。
1年目のダルビッシュが大きく苦しんだ左打者にも全く苦労しておらず、クオリティスタート率も両リーグ唯一の100%を維持するなど既に最高の投手の一角へと顔を出している。
ルーキーが月間最優秀投手を獲得するのはMLBでは昨年7月のクリス・アーチャー以来だが、田中がもはやルーキーという枠組みに収まってはいないのは言うまでもないだろう。
日本では凄まじい記録を樹立した田中だが、実はあるMLB記録も視野に入ってきている。
それが連続クオリティスタート達成の記録であり、これまでのMLB記録は1973年のスティーブ・ロジャースが樹立した16試合連続クオリティスタートだ。
この記録に到達するまであと5試合続けていかなくてはならないが、それをやってしまいそうな雰囲気があるのが田中将大という男だ。
次の対戦相手は兄貴分ダルビッシュがMLBで最も苦手とするアスレチックス。
今季好調でボールを見極める選球眼と試合の流れを変える長打力に長けた打線に加え、リーグ最高クラスの投手力を持ち合わせた隙の少ないチームだ。
相手投手もここまで防御率2.37のドラフト1位投手ポメランツということで、田中にとってもヤンキース打線にとっても苦しい戦いになることは間違いないだろう。
連続クオリティスタート記録への最大の難関になるはずだ。
逆にこのチームをあっさりシャットアウトすることができれば田中にもはや敵はいなくなる。
6月5日(日本時間6日)の試合は最も注目すべき試合になる。
そうなれば新人王はおろかサイ・ヤング賞も視界に入ってくるだろう。
5月の月間アワードは以下の通り。
月間MVP
野手部門 エドウィン・エンカーナシオン(TOR) ヤシエル・プイグ(LAD)
投手部門 田中将大(NYY) マディソン・バンガーナー(SF)
ルーキー ジョージ・スプリンガー(HOU) コルテン・ウォン(STL)
2014年6月1日日曜日
新人王レースの展望〈ア・リーグ編〉
5月も終了し、これでシーズンの約3分の1が終了したことになる。
あらゆるアワードは今後どういった展開を見せるかはわからないが、新人王に関してはよほど不作でない限りは大体この時点から候補者がある程度しぼられてくる。
それは序盤から出場している方が成績的に有利になるからだ。
昨季6月に昇格して新人王に輝いたマイヤーズや、同じく6月昇格で新人王有力候補の一人にまでなったプイグなどは基本的に例外的存在だと考えていいだろう。
ということで今回は現時点までに昇格しメジャーでプレーしている選手の中から両リーグ各5選手ずつピックアップして成績とともに紹介する。
☆田中将大(ヤンキース)
11試合 8勝1敗 防御率2.06 78.2回 88奪三振 12四球 7被本塁打 WHIP0.95
日本のファンからすれば彼を新人扱いするのも馬鹿らしい話だが、田中は新人の枠を飛び越えてリーグトップクラスの成績を残している。
ほとんどのカテゴリでトップ10入りしており、防御率とWHIPに関してはリーグ1位になっている。
新人王最有力候補であり、また現時点のア・リーグサイ・ヤング賞の有力候補でもある。
怖いのは疲れによる失速と故障くらいだろう。
☆ホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス)
44試合 打率.260 15本塁打 42打点 出塁率.312 OPS.908 0盗塁
キューバ史上最高級といっても素材だが、こちらも前評判通りの活躍ぶりを見せている。
一時は本塁打と打点の二冠もキープしていたが、怖いのは故障だけという状態で早速DL入りしてしまい、近いうちの復帰が待ち望まれる。
まだメジャーの水に慣れている段階で本領発揮とはいっていないだろうが、左投手から結果を残せていない、四球が極端に少なく三振が多い、などの弱点は既に見えてきている。
最初の調子が続くのであれば最終的に40本塁打は超えてくるだろうが、ここからは弱点にどれだけつけ込まれないかという戦いになる。
サイ・ヤング賞級のパフォーマンスを見せている田中に対抗するためには、40本塁打 100打点、あるいはタイトル獲得などが必要になってくるだろう。
☆ザンダー・ボガーツ(レッドソックス)
53試合 打率.304 3本塁打 13打点 出塁率.397 OPS.835 1盗塁
上の2人に比べれば少し地味に見えるかもしれないが、彼がキャリアルーキーであるのに対してこちらは21歳の純粋なルーキーだということを考慮すればかなりの好成績だ。
昨季は終盤に昇格しプレーオフでも活躍するなど今季の活躍に期待されたが出足は少々不調。
しかしその後調子を上げて今では2番打者もまかされるようになった。
彼のすばらしいのはしっかりボールを見極める点であり、三振も少なくないがしっかり四球を選び出塁率がかなりの高水準になっている。
パワーもないように見えるが二塁打を量産しており、ペドロイアと少し似たところがあると考えていいだろう。
はまれば本塁打も大幅に増えてもおかしくない。
田中とアブレイユがいなければ最有力候補になれたというところが惜しいが、このまま調子を維持してほしいところ。
☆ヨーダノ・ベンチュラ(ロイヤルズ)
10試合 2勝5敗 防御率3.45 57.1回 59奪三振 19四球 6被本塁打 WHIP1.26
こちらもデビューは昨季のロイヤルズ期待のエース候補。
その特徴はなんと言っても超のつく剛球で、平均球速96.0mph(約155km)、最高では101.9mph(164km)を記録するなど球速においては既にMLBの先発投手で3本指に入る。
そしてそれだけの剛球を操りながらも制球はそれほど悪くなく、かなり迫力ある投手だ。
序盤快調に飛ばしていたのだが5月に入ってからはあまり調子が良くなく、先日は故障の疑いでMRI検査も受けた。
DL入りはせずに済んだのだがこれだけの速球を操るため剛球投手の例に漏れず彼も故障との戦いに苦しむことになるだろう。
また今季の新人王レースにおいては球威以外で同じ投手の田中に勝る点がなく、彼がいる限りはベンチュラが上回る可能性は低い。
☆ジョージ・スプリンガー(アストロズ)
40試合 打率.255 10本塁打 29打点 出塁率.343 OPS.840 1盗塁
大卒でドラフトにかかったため24歳でのデビューとトップ選手のデビューとしてはやや遅いが、アストロズが待ち望んだスター野手候補の満を持しての登場だ。
昨季はマイナーで37本塁打 45盗塁というずば抜けた好成績を残したが、今季は開幕ではなく4月半ばからのデビューになった。
いきなり4番を担ったこともあってか最初こそ苦しんだが5月に入ってからは調子を上げて5月の26試合だけで10本塁打を量産してみせた。
盗塁はまだ少ないなど完全にメジャーに馴染んだわけではないが、だからこそ今後の躍進ぶりが非常に気になるところ。
彼が爆発すれば新人王争いが面白くなること間違いなし。
5ツールを備えたニュースターのパフォーマンスにご注目あれ。
あらゆるアワードは今後どういった展開を見せるかはわからないが、新人王に関してはよほど不作でない限りは大体この時点から候補者がある程度しぼられてくる。
それは序盤から出場している方が成績的に有利になるからだ。
昨季6月に昇格して新人王に輝いたマイヤーズや、同じく6月昇格で新人王有力候補の一人にまでなったプイグなどは基本的に例外的存在だと考えていいだろう。
ということで今回は現時点までに昇格しメジャーでプレーしている選手の中から両リーグ各5選手ずつピックアップして成績とともに紹介する。
☆田中将大(ヤンキース)
11試合 8勝1敗 防御率2.06 78.2回 88奪三振 12四球 7被本塁打 WHIP0.95
日本のファンからすれば彼を新人扱いするのも馬鹿らしい話だが、田中は新人の枠を飛び越えてリーグトップクラスの成績を残している。
ほとんどのカテゴリでトップ10入りしており、防御率とWHIPに関してはリーグ1位になっている。
新人王最有力候補であり、また現時点のア・リーグサイ・ヤング賞の有力候補でもある。
怖いのは疲れによる失速と故障くらいだろう。
☆ホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス)
44試合 打率.260 15本塁打 42打点 出塁率.312 OPS.908 0盗塁
キューバ史上最高級といっても素材だが、こちらも前評判通りの活躍ぶりを見せている。
一時は本塁打と打点の二冠もキープしていたが、怖いのは故障だけという状態で早速DL入りしてしまい、近いうちの復帰が待ち望まれる。
まだメジャーの水に慣れている段階で本領発揮とはいっていないだろうが、左投手から結果を残せていない、四球が極端に少なく三振が多い、などの弱点は既に見えてきている。
最初の調子が続くのであれば最終的に40本塁打は超えてくるだろうが、ここからは弱点にどれだけつけ込まれないかという戦いになる。
サイ・ヤング賞級のパフォーマンスを見せている田中に対抗するためには、40本塁打 100打点、あるいはタイトル獲得などが必要になってくるだろう。
☆ザンダー・ボガーツ(レッドソックス)
53試合 打率.304 3本塁打 13打点 出塁率.397 OPS.835 1盗塁
上の2人に比べれば少し地味に見えるかもしれないが、彼がキャリアルーキーであるのに対してこちらは21歳の純粋なルーキーだということを考慮すればかなりの好成績だ。
昨季は終盤に昇格しプレーオフでも活躍するなど今季の活躍に期待されたが出足は少々不調。
しかしその後調子を上げて今では2番打者もまかされるようになった。
彼のすばらしいのはしっかりボールを見極める点であり、三振も少なくないがしっかり四球を選び出塁率がかなりの高水準になっている。
パワーもないように見えるが二塁打を量産しており、ペドロイアと少し似たところがあると考えていいだろう。
はまれば本塁打も大幅に増えてもおかしくない。
田中とアブレイユがいなければ最有力候補になれたというところが惜しいが、このまま調子を維持してほしいところ。
☆ヨーダノ・ベンチュラ(ロイヤルズ)
10試合 2勝5敗 防御率3.45 57.1回 59奪三振 19四球 6被本塁打 WHIP1.26
こちらもデビューは昨季のロイヤルズ期待のエース候補。
その特徴はなんと言っても超のつく剛球で、平均球速96.0mph(約155km)、最高では101.9mph(164km)を記録するなど球速においては既にMLBの先発投手で3本指に入る。
そしてそれだけの剛球を操りながらも制球はそれほど悪くなく、かなり迫力ある投手だ。
序盤快調に飛ばしていたのだが5月に入ってからはあまり調子が良くなく、先日は故障の疑いでMRI検査も受けた。
DL入りはせずに済んだのだがこれだけの速球を操るため剛球投手の例に漏れず彼も故障との戦いに苦しむことになるだろう。
また今季の新人王レースにおいては球威以外で同じ投手の田中に勝る点がなく、彼がいる限りはベンチュラが上回る可能性は低い。
☆ジョージ・スプリンガー(アストロズ)
40試合 打率.255 10本塁打 29打点 出塁率.343 OPS.840 1盗塁
大卒でドラフトにかかったため24歳でのデビューとトップ選手のデビューとしてはやや遅いが、アストロズが待ち望んだスター野手候補の満を持しての登場だ。
昨季はマイナーで37本塁打 45盗塁というずば抜けた好成績を残したが、今季は開幕ではなく4月半ばからのデビューになった。
いきなり4番を担ったこともあってか最初こそ苦しんだが5月に入ってからは調子を上げて5月の26試合だけで10本塁打を量産してみせた。
盗塁はまだ少ないなど完全にメジャーに馴染んだわけではないが、だからこそ今後の躍進ぶりが非常に気になるところ。
彼が爆発すれば新人王争いが面白くなること間違いなし。
5ツールを備えたニュースターのパフォーマンスにご注目あれ。
2014年5月26日月曜日
松坂 今季初先発で好投
ここまでリリーフ投手としてメッツの勝利に貢献してきた松坂大輔に今季初めて先発のチャンスが与えられ、しっかりと好投してみせた。
投球内容は以下の通り。
6.0回 3安打 2失点 6奪三振 1四球 98球(67ストライク)
クオリティスタートを達成したばかりか、6回を1四球でなおかつ100球以内に抑えるなど松坂らしからぬ安定した投球を見せた。
打撃でもバットを折りながらヒットを打ち、メジャー初打点を挙げるなどこの試合では大きく活躍した。
この僅差の試合でも崩れることなく投げきった点は多いに評価されるだろう。
まだまだ立場的に不透明な存在ではあるが、これで防御率は2.33と高水準になった。
短いイニングでも四球を乱発することがあるなど相変わらず投げてみるまでわからない松坂ではあるが、この試合で復活の狼煙は上げたのではないだろうか。
ちなみに今日は田中も先発し、6.2回1失点の好投で7勝目をしっかりあげた。
流石の安定感である。
投球内容は以下の通り。
6.0回 3安打 2失点 6奪三振 1四球 98球(67ストライク)
クオリティスタートを達成したばかりか、6回を1四球でなおかつ100球以内に抑えるなど松坂らしからぬ安定した投球を見せた。
打撃でもバットを折りながらヒットを打ち、メジャー初打点を挙げるなどこの試合では大きく活躍した。
この僅差の試合でも崩れることなく投げきった点は多いに評価されるだろう。
まだまだ立場的に不透明な存在ではあるが、これで防御率は2.33と高水準になった。
短いイニングでも四球を乱発することがあるなど相変わらず投げてみるまでわからない松坂ではあるが、この試合で復活の狼煙は上げたのではないだろうか。
ちなみに今日は田中も先発し、6.2回1失点の好投で7勝目をしっかりあげた。
流石の安定感である。
ジョシュ・ベケット ノーヒットノーラン達成
ドジャースのジョシュ・ベケットが初のノーヒットノーランを達成した。
投球内容は以下の通り。
9.0回 0安打 0失点 6奪三振 3四球 128球
ベケットと言えばもはや過去の人となってしまった感の強い投手だ。
レッドソックス時代には20勝で最多勝を獲得するなどエースとして活躍していたが、元々年ごとの振れ幅が大きい選手であり、2012年にはエイドリアン・ゴンザレス、カール・クロフォードらが絡んだ超大型トレードでドジャースへとやってきたが、不良債権化しつつあったこともあり扱いはあまり良くないものだった。
実際2013年は好成績を残せないまま故障するなど、ドジャースにとってはお荷物だっただろう。
しかし今季は34歳にしてもう一度復活を遂げかけていた。
もはや先発ローテーションすら危ぶまれていたはずだが、この試合までも防御率は2点台を維持するなど今季は悪くない投球を続けていたのだ。
ドジャースとしてもベケットの復活はうれしい誤算だったが、彼がこのまま好投を続けるのならば本当に隙のない恐ろしいローテーションが出来上がる。
ちなみにドジャースの投手のノーヒッターはこれで史上24度目となるが、最後に達成されたのは1996年9月17日とかなり長い期間遠ざかっていた。
そしてその時ロッキーズ相手にノーヒッターを達成したのが何を隠そう野茂英雄である。
それくらい久々の快挙達成でドジャースファンは歓喜といったところだが、今度は是非ともホームで達成されてほしいものである。
投球内容は以下の通り。
9.0回 0安打 0失点 6奪三振 3四球 128球
ベケットと言えばもはや過去の人となってしまった感の強い投手だ。
レッドソックス時代には20勝で最多勝を獲得するなどエースとして活躍していたが、元々年ごとの振れ幅が大きい選手であり、2012年にはエイドリアン・ゴンザレス、カール・クロフォードらが絡んだ超大型トレードでドジャースへとやってきたが、不良債権化しつつあったこともあり扱いはあまり良くないものだった。
実際2013年は好成績を残せないまま故障するなど、ドジャースにとってはお荷物だっただろう。
しかし今季は34歳にしてもう一度復活を遂げかけていた。
もはや先発ローテーションすら危ぶまれていたはずだが、この試合までも防御率は2点台を維持するなど今季は悪くない投球を続けていたのだ。
ドジャースとしてもベケットの復活はうれしい誤算だったが、彼がこのまま好投を続けるのならば本当に隙のない恐ろしいローテーションが出来上がる。
ちなみにドジャースの投手のノーヒッターはこれで史上24度目となるが、最後に達成されたのは1996年9月17日とかなり長い期間遠ざかっていた。
そしてその時ロッキーズ相手にノーヒッターを達成したのが何を隠そう野茂英雄である。
それくらい久々の快挙達成でドジャースファンは歓喜といったところだが、今度は是非ともホームで達成されてほしいものである。
2014年5月21日水曜日
田中の連勝がついにストップ
かつて野村克也は田中の勝ち運を”マーくん 神の子 不思議な子”と評したが、それから数年して彼は24勝0敗という前人未到の偉業を成し遂げてみせた。
日本での彼の通算成績は99勝35敗、勝率にして.739という尋常ならざる数字は彼の投球の質の高さに加えて、やはり勝ちに恵まれる運というのも多少なりとも関係しているのだろう。
そんな田中はメジャーデビューを果たしてからも味方の援護に恵まれこれまで6勝0敗という連勝を維持していた。
個人的には日本での成績を合算するのは好きではないのだが、レギュラーシーズンでの連勝記録は34にまで到達していた。
このままメジャーという最高峰の舞台でも無敗の偉業を達成してしまうのではないかと思った日本のファンもいたことだろう。
しかしそれほどメジャーも甘くない。
今日の登板でついに初の黒星がついてしまったのだ。
6.0回 8安打 4失点(3自責点) 1四球 7奪三振
投球内容は悪くはなく、自責点も3点におさめたことでQS率は100%を維持しているのだが、今回は相手投手が好調のハメルだったことでヤンキース打線が沈黙し、田中を援護することができなかった。
この試合の相手は前回対戦で8回無失点とほぼ完璧に抑えたカブスだったのだが、実はこれが田中にとってメジャーで初めての同じ球団との対戦。
つまり対戦球団も2巡目に入りつつあるということであり、各球団にデータが揃いつつあるということだ。
ここ3試合はすべてナ・リーグのチームだったのだが、特に1度ずつ対戦した同地区のチームは脅威になるだろう。
田中は多少研究したくらいで打ち崩せるような投手ではないが、メジャーの洗礼はこれから始まることになるのかもしれない。
またこの日は岩隈も登板。
8回2失点の好投でしっかりと勝ちをつけた。
岩隈はこれで3勝0敗だが、こちらの連勝はどこまで続くだろうか。
日本での彼の通算成績は99勝35敗、勝率にして.739という尋常ならざる数字は彼の投球の質の高さに加えて、やはり勝ちに恵まれる運というのも多少なりとも関係しているのだろう。
そんな田中はメジャーデビューを果たしてからも味方の援護に恵まれこれまで6勝0敗という連勝を維持していた。
個人的には日本での成績を合算するのは好きではないのだが、レギュラーシーズンでの連勝記録は34にまで到達していた。
このままメジャーという最高峰の舞台でも無敗の偉業を達成してしまうのではないかと思った日本のファンもいたことだろう。
しかしそれほどメジャーも甘くない。
今日の登板でついに初の黒星がついてしまったのだ。
6.0回 8安打 4失点(3自責点) 1四球 7奪三振
投球内容は悪くはなく、自責点も3点におさめたことでQS率は100%を維持しているのだが、今回は相手投手が好調のハメルだったことでヤンキース打線が沈黙し、田中を援護することができなかった。
この試合の相手は前回対戦で8回無失点とほぼ完璧に抑えたカブスだったのだが、実はこれが田中にとってメジャーで初めての同じ球団との対戦。
つまり対戦球団も2巡目に入りつつあるということであり、各球団にデータが揃いつつあるということだ。
ここ3試合はすべてナ・リーグのチームだったのだが、特に1度ずつ対戦した同地区のチームは脅威になるだろう。
田中は多少研究したくらいで打ち崩せるような投手ではないが、メジャーの洗礼はこれから始まることになるのかもしれない。
またこの日は岩隈も登板。
8回2失点の好投でしっかりと勝ちをつけた。
岩隈はこれで3勝0敗だが、こちらの連勝はどこまで続くだろうか。
2014年5月15日木曜日
田中 メジャー初完封で6連勝
エースの証明だった。
先発ローテーションは故障車が続出し、チームの連敗もとめられずにいた中、彼は連敗ストッパーの役割を果たすどころか先輩であるダルビッシュや岩隈でさえまだ達成していない完封劇まで演じてみせたのだ。
9回 4安打 無失点 8奪三振 0四球
相手投手がメジャー初登板のモンテロ(メッツのトッププロスペクトだ)ということもあって、ヤンキース打線は小刻みに点をとることができ、田中の方も前日大量得点したメッツ打線を簡単に料理した。
いつも少ない球数で長いイニングを投げることができる田中だが、この日も9回を114球と効率のいい投球で抑え、メジャー初ヒットというおまけもついた。
これで現在のリーグでの成績は勝数が2位、防御率が4位、投球回が7位、奪三振が2位、WHIPは1位とサイ・ヤング賞争いの最前線で戦っている。
ヤンキースのローテーションが崩れ黒田も苦しんでいる中、田中の活躍ぶりはもはやエースそのものと言っていいだろう。
2ヶ月もたたずに彼はチームから絶大な信頼を得ている。
後はこのまま突っ走るだけだ。
先発ローテーションは故障車が続出し、チームの連敗もとめられずにいた中、彼は連敗ストッパーの役割を果たすどころか先輩であるダルビッシュや岩隈でさえまだ達成していない完封劇まで演じてみせたのだ。
9回 4安打 無失点 8奪三振 0四球
相手投手がメジャー初登板のモンテロ(メッツのトッププロスペクトだ)ということもあって、ヤンキース打線は小刻みに点をとることができ、田中の方も前日大量得点したメッツ打線を簡単に料理した。
いつも少ない球数で長いイニングを投げることができる田中だが、この日も9回を114球と効率のいい投球で抑え、メジャー初ヒットというおまけもついた。
これで現在のリーグでの成績は勝数が2位、防御率が4位、投球回が7位、奪三振が2位、WHIPは1位とサイ・ヤング賞争いの最前線で戦っている。
ヤンキースのローテーションが崩れ黒田も苦しんでいる中、田中の活躍ぶりはもはやエースそのものと言っていいだろう。
2ヶ月もたたずに彼はチームから絶大な信頼を得ている。
後はこのまま突っ走るだけだ。
2014年5月10日土曜日
データからみる田中の投球内容
ここまで好投を続ける田中将大。
特にボールやマウンドの違いで制球面で苦しむ投手が多い中で田中に関してはその兆候が全くなく、しっかりと長いイニングを投げることができている。
まずは現在のMLBでの以下の成績を日本にいた時のものと比較してみよう。
7試合 5勝0敗 防御率2.57 49.0回 58奪三振 7四球 7被本塁打 WHIP1.00
K/9 10.65 BB/9 1.29 HR/9 1.29 K/BB 8.29
今回注目するのは投手にコントロールが可能な奪三振率、四球率、被本塁打率の3つだが、日本でのラスト3シーズンのそれらの成績は以下の通りだ。
2011年 K/9 9.6 BB/9 1.1 HR/9 0.3 K/BB 8.93
2012年 K/9 8.8 BB/9 1.0 HR/9 0.2 K/BB 8.89
2013年 K/9 7.8 BB/9 1.4 HR/9 0.3 K/BB 5.72
こうやって比較してみると、制球力に関しては日本にいた時と同じ水準を維持しつつ奪三振力が上がっていることがよくわかる。
これは三振を嫌う日本の選手と違い、MLBには三振を恐れず長打を狙う強打者が多いことが原因の一つであることは間違いないだろう。
ダルビッシュなどもこのことがMLBでの高奪三振率の原因になっている。
これから研究されれば奪三振率が落ちることもあるかもしれないが、奪三振率9ポイント超えを維持することは可能だろう。
しかし一つ大きく悪化しているのが被本塁打率だが、これは日本人のほとんどの投手に見られる傾向でありMLB移籍をする投手には避けられないものだ。
前述したように三振を恐れない反面当たればどこまでも強打者が揃うため、沈む速球を多投するなどしない限りはなかなかこの部分の改善は難しいだろう。
続いて見るのは投球割合とそれぞれの球種の平均球速だ。
*データはFanGraphsより
4シーム(91.7mph) 25.3%
シンカー(90.4mph) 23.1%
スプリッター(86.2mph) 22.7%
スライダー(83.7mph) 19.4%
カーブ(73.9mph) 6.7%
チェンジアップ(86.9mph) 1.6%
カッター(90.1mph) 0.8%
ツーシーム(91.7mph) 0.3%
細かい部分を抜きにすれば4シームとムービングファスト、スプリッター、スライダーをそれぞれ大きく変わらない割合で投げることで約9割を構成している。
緩急をつけるスローカーブなどはたまにしか投げず、基本的にはボールの変化で抑える投球だ。
これらの球種の中で特徴的なのはなんといっても代名詞のスプリッターで、当然ながらMLBでは使い手の少ないこの球種を20%以上の割合で多投しているのは今季は田中と黒田を含めて4人しかいない。
また、ただ多投しているだけではなく田中の場合は絶対的な武器になっており、球種ごとの効果を表すデータでは田中のスプリッターはMLBでずば抜けた1位の数字を記録している。
つまり今の彼はMLBで最も優れたスプリッターの使い手だと言っていいだろう。
加えて彼の球種の中で効果的になっているのがキャリアの序盤でのウィニングショットだったスライダーで、こちらもMLBトップクラスの威力を見せている。
ちなみにこの部門でMLB最高値を記録しているのがダルビッシュだ。
しかしこの2球種が大きな武器となっている反面速球の方はあまり芳しくない。
4シームの平均球速はMLBの平均程度であり、渡米前からあまり評価が高くなかった通りに武器となるレベルには達していない。
最速では95.2mph(153km)にとどまっているが、夏場になればもっと球速も上がってくるだろう。
さらに酷いのがシンカーの方で、こちらは被打率が.359とかなり酷い打たれっぷりになっており、長打も浴びやすい。
本塁打の出やすいヤンキースを本拠地にしていることもあって、被本塁打率を改善するための最重要球種がシンカー系の沈む速球になるはずだ。
これでゴロを量産できるようになり、カウントも稼げるようにならなければこれからも長打の脅威に悩まされることになる。
内容的には非常に高い水準にあるが、長打への対策という点でシンカー系速球の改善に加え、スプリッターとスライダーの水準を落とさないことが重要になる。
しかし今の状態を維持するだけでも十分MLBトップクラスの投手にはなれるだろう。
特にボールやマウンドの違いで制球面で苦しむ投手が多い中で田中に関してはその兆候が全くなく、しっかりと長いイニングを投げることができている。
まずは現在のMLBでの以下の成績を日本にいた時のものと比較してみよう。
7試合 5勝0敗 防御率2.57 49.0回 58奪三振 7四球 7被本塁打 WHIP1.00
K/9 10.65 BB/9 1.29 HR/9 1.29 K/BB 8.29
今回注目するのは投手にコントロールが可能な奪三振率、四球率、被本塁打率の3つだが、日本でのラスト3シーズンのそれらの成績は以下の通りだ。
2011年 K/9 9.6 BB/9 1.1 HR/9 0.3 K/BB 8.93
2012年 K/9 8.8 BB/9 1.0 HR/9 0.2 K/BB 8.89
2013年 K/9 7.8 BB/9 1.4 HR/9 0.3 K/BB 5.72
こうやって比較してみると、制球力に関しては日本にいた時と同じ水準を維持しつつ奪三振力が上がっていることがよくわかる。
これは三振を嫌う日本の選手と違い、MLBには三振を恐れず長打を狙う強打者が多いことが原因の一つであることは間違いないだろう。
ダルビッシュなどもこのことがMLBでの高奪三振率の原因になっている。
これから研究されれば奪三振率が落ちることもあるかもしれないが、奪三振率9ポイント超えを維持することは可能だろう。
しかし一つ大きく悪化しているのが被本塁打率だが、これは日本人のほとんどの投手に見られる傾向でありMLB移籍をする投手には避けられないものだ。
前述したように三振を恐れない反面当たればどこまでも強打者が揃うため、沈む速球を多投するなどしない限りはなかなかこの部分の改善は難しいだろう。
続いて見るのは投球割合とそれぞれの球種の平均球速だ。
*データはFanGraphsより
4シーム(91.7mph) 25.3%
シンカー(90.4mph) 23.1%
スプリッター(86.2mph) 22.7%
スライダー(83.7mph) 19.4%
カーブ(73.9mph) 6.7%
チェンジアップ(86.9mph) 1.6%
カッター(90.1mph) 0.8%
ツーシーム(91.7mph) 0.3%
細かい部分を抜きにすれば4シームとムービングファスト、スプリッター、スライダーをそれぞれ大きく変わらない割合で投げることで約9割を構成している。
緩急をつけるスローカーブなどはたまにしか投げず、基本的にはボールの変化で抑える投球だ。
これらの球種の中で特徴的なのはなんといっても代名詞のスプリッターで、当然ながらMLBでは使い手の少ないこの球種を20%以上の割合で多投しているのは今季は田中と黒田を含めて4人しかいない。
また、ただ多投しているだけではなく田中の場合は絶対的な武器になっており、球種ごとの効果を表すデータでは田中のスプリッターはMLBでずば抜けた1位の数字を記録している。
つまり今の彼はMLBで最も優れたスプリッターの使い手だと言っていいだろう。
加えて彼の球種の中で効果的になっているのがキャリアの序盤でのウィニングショットだったスライダーで、こちらもMLBトップクラスの威力を見せている。
ちなみにこの部門でMLB最高値を記録しているのがダルビッシュだ。
しかしこの2球種が大きな武器となっている反面速球の方はあまり芳しくない。
4シームの平均球速はMLBの平均程度であり、渡米前からあまり評価が高くなかった通りに武器となるレベルには達していない。
最速では95.2mph(153km)にとどまっているが、夏場になればもっと球速も上がってくるだろう。
さらに酷いのがシンカーの方で、こちらは被打率が.359とかなり酷い打たれっぷりになっており、長打も浴びやすい。
本塁打の出やすいヤンキースを本拠地にしていることもあって、被本塁打率を改善するための最重要球種がシンカー系の沈む速球になるはずだ。
これでゴロを量産できるようになり、カウントも稼げるようにならなければこれからも長打の脅威に悩まされることになる。
内容的には非常に高い水準にあるが、長打への対策という点でシンカー系速球の改善に加え、スプリッターとスライダーの水準を落とさないことが重要になる。
しかし今の状態を維持するだけでも十分MLBトップクラスの投手にはなれるだろう。
ダルビッシュ、またしてもあと一人に泣く
昨季のダルビッシュと言えば最も印象深いのがレギュラーシーズン最初の登板だ。
弱小アストロズを手玉に取り9回2アウトまで完全試合を演じてみせたが、最後の1人にヒットを打たれ、球数も多かったことでそこで交代し完全試合だけでなく初完封すらも逃してしまったのだ。
そして今日の登板でも彼はほとんど同じような”パフォーマンス”を披露してくれた。
相手は強力なレッドソックス打線、しかも相手投手は昨季中盤までサイ・ヤング賞争いもしていたバックホルツだったがレンジャーズ打線は初回から好調ですぐに先制し5回で8点のリードを作ってみせた。
ダルビッシュも打線の援護に応えるように完全に抑えていたが、7回2アウトでオルティズを迎え、フライになった打球はライトとセカンドの間に落ちた。
万事休すかと思われたが、これライトのエラーと判断され完全試合は消えたもののノーヒットノーランの可能性は潰えることなく、2つの四球を出しながらもあと1人というところまできた。
そしてここで迎えたのはなんの因果か先ほどの打席で完全試合を破ったオルティズ。
球場のボルテージは最高潮の中、オルティズの打球は内野の間を抜けてヒットとなった。
そして終盤の球数増加のためこの時点で126球に達していたダルビッシュはまたしても完封目前で降板し、ノーヒットノーランも初完封も逃してしまうこととなったのだ。
1年前の再現のような試合に、ガッカリしてしまったファンも多いだろうが、やはりそれだけノーヒッターの達成は難しいということがよくわかる。
バーランダーのようないつノーヒッターをやってもおかしくないような投手が順当に達成することもあれば、たローテーションの後ろを守るのも怪しいような投手が完全試合まで達成してしまうこともある。
これを一言で片付けてしまえばやはり運なのだろう。
それでもダルビッシュはまだ27歳。
今回もノーヒッターこそならなかったが今季初の2桁奪三振を記録するなど安定感や支配力は超一流に着実に近づきつつある。
今季はまぎれもなくサイ・ヤング賞の最有力であり、今後もノーヒッター達成のチャンスは何度でも訪れるだろう。
彼が日本一から世界一になる日もそう遠くない。
また今日は田中将大も登板した。
ナ・リーグのブルワーズとの対戦のためMLB入り後初のDHなしの試合となったが、結果は6.1回を2失点に抑えるなど上々の出来でQS率100%と無敗を維持することに成功している。
打撃の方は3打数無安打3三振と散々だったが、相手は今季最も好調なブルワーズでなおかつ投手がエースのガヤルドだったことを考えるとこの勝利には非常に大きな価値がある。
うまくすればダルビッシュとのサイ・ヤング賞争いも今季中にみることができるかもしれない。
弱小アストロズを手玉に取り9回2アウトまで完全試合を演じてみせたが、最後の1人にヒットを打たれ、球数も多かったことでそこで交代し完全試合だけでなく初完封すらも逃してしまったのだ。
そして今日の登板でも彼はほとんど同じような”パフォーマンス”を披露してくれた。
相手は強力なレッドソックス打線、しかも相手投手は昨季中盤までサイ・ヤング賞争いもしていたバックホルツだったがレンジャーズ打線は初回から好調ですぐに先制し5回で8点のリードを作ってみせた。
ダルビッシュも打線の援護に応えるように完全に抑えていたが、7回2アウトでオルティズを迎え、フライになった打球はライトとセカンドの間に落ちた。
万事休すかと思われたが、これライトのエラーと判断され完全試合は消えたもののノーヒットノーランの可能性は潰えることなく、2つの四球を出しながらもあと1人というところまできた。
そしてここで迎えたのはなんの因果か先ほどの打席で完全試合を破ったオルティズ。
球場のボルテージは最高潮の中、オルティズの打球は内野の間を抜けてヒットとなった。
そして終盤の球数増加のためこの時点で126球に達していたダルビッシュはまたしても完封目前で降板し、ノーヒットノーランも初完封も逃してしまうこととなったのだ。
1年前の再現のような試合に、ガッカリしてしまったファンも多いだろうが、やはりそれだけノーヒッターの達成は難しいということがよくわかる。
バーランダーのようないつノーヒッターをやってもおかしくないような投手が順当に達成することもあれば、たローテーションの後ろを守るのも怪しいような投手が完全試合まで達成してしまうこともある。
これを一言で片付けてしまえばやはり運なのだろう。
それでもダルビッシュはまだ27歳。
今回もノーヒッターこそならなかったが今季初の2桁奪三振を記録するなど安定感や支配力は超一流に着実に近づきつつある。
今季はまぎれもなくサイ・ヤング賞の最有力であり、今後もノーヒッター達成のチャンスは何度でも訪れるだろう。
彼が日本一から世界一になる日もそう遠くない。
また今日は田中将大も登板した。
ナ・リーグのブルワーズとの対戦のためMLB入り後初のDHなしの試合となったが、結果は6.1回を2失点に抑えるなど上々の出来でQS率100%と無敗を維持することに成功している。
打撃の方は3打数無安打3三振と散々だったが、相手は今季最も好調なブルワーズでなおかつ投手がエースのガヤルドだったことを考えるとこの勝利には非常に大きな価値がある。
うまくすればダルビッシュとのサイ・ヤング賞争いも今季中にみることができるかもしれない。
2014年5月5日月曜日
猛威をふるうキャリアルーキー
ルーキーというと何歳くらいの選手を思い浮かべるだろうか?
日本では18~22歳の選手を想像するファンが多いはずだ。
マイナーリーグがあるMLBではそうはいかず、MLBファンなら21~23歳くらいで考えるはずだ。
しかし近年、新人王争いはそういったマイナー上がりのルーキーだけのものではなくなりつつある。
そこに大きな影響を与えているのが日本人やキューバ人、そして韓国人といった自国内最高峰のリーグでトップクラスのプロとして活躍してアメリカにやってきた、キャリアルーキーたちである。
ダルビッシュがメジャーデビューした2012年、衝撃的な活躍を見せたトラウトがア・リーグの新人王に輝いたわけだが、新人王投票の2位に日本人のダルビッシュ、3位にキューバ人のセスペデス、4位に台湾人のチェンが入り、彼らはいずれも日本あるいはキューバのプロリーグでトップクラスの実績を持つ25歳以上の選手だった。
昨季ナ・リーグで新人王投票4位に入った韓国人のリュも彼らと同様で、2位に入ったプイグも若いとは言えキューバでの実績を持つ選手だ。
そして今季も同じように他国のプロリーグにおいてトップラクスの実績を持つ選手が鳴り物入りでMLB入りしている。
その筆頭であり、すでに大活躍しているのが田中将大とホセ・アブレイユの2選手である。
田中の活躍については日本での報道でご存知のファンも多いだろう。
6試合 4勝0敗 防御率2.53 42.2回 51奪三振 6四球 7被本塁打 WHIP0.96
上記の通り未だ無敗で、なおかつ全試合でQSを達成するなど抜群の安定感で、サイ・ヤング賞も現実的といえる投球を見せている。
被本塁打の多さに課題があるが、K/BBはリーグ2位の数値をたたき出しているように無駄なランナーを出すリスクが低いことで本塁打が致命傷になっていない。
田中にとっては中4日のフルシーズン自体が初めてということもあって、今後どこかのタイミング(おそらく夏場以降)で成績が下降していく可能性も低くないが、現時点では新人王争いの最前線に立っている。
その田中の対抗馬として挙げられるのが、キューバからやってきた強打者のアブレイユだ。
彼については”次なるキューバの衝撃は誰?”で取り上げているが、すでに予想通りの活躍を見せている。
32試合 打率.258 12本塁打 34打点 出塁率.319 OS.936 0盗塁
上記のように出塁率は高くなく、そのあたりはキューバ人打者らしいと言えるがパワーに関しては間違いなく本物で、現在本塁打と打点のリーグ二冠王になっている。
田中の成績は間違いなく例年の新人王の中でもトップクラスだが、アブレイユが調子を極端に落とすことなく本塁打などのタイトルを獲得した場合は彼の方に軍配が上がる可能性も高い。
それくらいこの2人は高い次元で新人王争いをしているのだ。
しかしそのおかげで、ア・リーグのマイナー上がりの”新人らしい新人たち”は蚊帳の外に置かれた状態。
有力候補の1人だったボガーツなども悪い成績ではないのだが、リーグトップクラスの戦いをしているこの2人には刃が立たず、彼らに対抗できそうな活躍を見せているのはかろうじてロイヤルズのベンチュラくらいである。
新人王投票の際に、新人らしくないからという理由で田中やアブレイユのような選手には票を入れない投票者は一定数いるだろう。
しかしこのままいけば今後も日本やキューバ、韓国といったレベルの高いリーグを経験しなおかつ20代中盤という年齢的に全盛期に近い状態の選手たちが渡米し、レベルの高い新人王争いを繰り広げることになる。
彼らを新人として認定し続けるのか否か。
これからMLBがこの問題にどう対処していくのか興味深いものだ。
日本では18~22歳の選手を想像するファンが多いはずだ。
マイナーリーグがあるMLBではそうはいかず、MLBファンなら21~23歳くらいで考えるはずだ。
しかし近年、新人王争いはそういったマイナー上がりのルーキーだけのものではなくなりつつある。
そこに大きな影響を与えているのが日本人やキューバ人、そして韓国人といった自国内最高峰のリーグでトップクラスのプロとして活躍してアメリカにやってきた、キャリアルーキーたちである。
ダルビッシュがメジャーデビューした2012年、衝撃的な活躍を見せたトラウトがア・リーグの新人王に輝いたわけだが、新人王投票の2位に日本人のダルビッシュ、3位にキューバ人のセスペデス、4位に台湾人のチェンが入り、彼らはいずれも日本あるいはキューバのプロリーグでトップクラスの実績を持つ25歳以上の選手だった。
昨季ナ・リーグで新人王投票4位に入った韓国人のリュも彼らと同様で、2位に入ったプイグも若いとは言えキューバでの実績を持つ選手だ。
そして今季も同じように他国のプロリーグにおいてトップラクスの実績を持つ選手が鳴り物入りでMLB入りしている。
その筆頭であり、すでに大活躍しているのが田中将大とホセ・アブレイユの2選手である。
田中の活躍については日本での報道でご存知のファンも多いだろう。
6試合 4勝0敗 防御率2.53 42.2回 51奪三振 6四球 7被本塁打 WHIP0.96
上記の通り未だ無敗で、なおかつ全試合でQSを達成するなど抜群の安定感で、サイ・ヤング賞も現実的といえる投球を見せている。
被本塁打の多さに課題があるが、K/BBはリーグ2位の数値をたたき出しているように無駄なランナーを出すリスクが低いことで本塁打が致命傷になっていない。
田中にとっては中4日のフルシーズン自体が初めてということもあって、今後どこかのタイミング(おそらく夏場以降)で成績が下降していく可能性も低くないが、現時点では新人王争いの最前線に立っている。
その田中の対抗馬として挙げられるのが、キューバからやってきた強打者のアブレイユだ。
彼については”次なるキューバの衝撃は誰?”で取り上げているが、すでに予想通りの活躍を見せている。
32試合 打率.258 12本塁打 34打点 出塁率.319 OS.936 0盗塁
上記のように出塁率は高くなく、そのあたりはキューバ人打者らしいと言えるがパワーに関しては間違いなく本物で、現在本塁打と打点のリーグ二冠王になっている。
田中の成績は間違いなく例年の新人王の中でもトップクラスだが、アブレイユが調子を極端に落とすことなく本塁打などのタイトルを獲得した場合は彼の方に軍配が上がる可能性も高い。
それくらいこの2人は高い次元で新人王争いをしているのだ。
しかしそのおかげで、ア・リーグのマイナー上がりの”新人らしい新人たち”は蚊帳の外に置かれた状態。
有力候補の1人だったボガーツなども悪い成績ではないのだが、リーグトップクラスの戦いをしているこの2人には刃が立たず、彼らに対抗できそうな活躍を見せているのはかろうじてロイヤルズのベンチュラくらいである。
新人王投票の際に、新人らしくないからという理由で田中やアブレイユのような選手には票を入れない投票者は一定数いるだろう。
しかしこのままいけば今後も日本やキューバ、韓国といったレベルの高いリーグを経験しなおかつ20代中盤という年齢的に全盛期に近い状態の選手たちが渡米し、レベルの高い新人王争いを繰り広げることになる。
彼らを新人として認定し続けるのか否か。
これからMLBがこの問題にどう対処していくのか興味深いものだ。
2014年5月1日木曜日
2014年4月を総括【ア・リーグ編】
4月終了時点でのア・リーグの順位表はこちら。
東地区
東地区
ヤンキース | 15 | 11 | .577 | - |
オリオールズ | 12 | 12 | .500 | 2.0 |
レッドソックス | 13 | 14 | .481 | 2.5 |
ブルージェイズ | 12 | 15 | .444 | 3.5 |
レイズ | 11 | 16 | .407 | 4.5 |
中地区
タイガース | 14 | 9 | .609 | - |
ロイヤルズ | 14 | 12 | .538 | 1.5 |
ツインズ | 12 | 12 | .500 | 2.5 |
ホワイトソックス | 14 | 15 | .483 | 3.0 |
インディアンンス | 11 | 17 | .393 | 5.5 |
西地区
アスレチックス | 18 | 10 | .643 | - |
レンジャーズ | 15 | 13 | .536 | 3.0 |
エンジェルス | 14 | 13 | .519 | 3.5 |
マリナーズ | 11 | 14 | .440 | 5.5 |
アストロズ | 9 | 19 | .321 | 9.0 |
ヤンキース、タイガース、アスレチックスの3つの1位チームはそれぞれ前評判通りといえるが、レイズ、インディアンスは予想外の不振で最下位と低迷している。
レイズは自慢の投手陣が崩れており、エースのプライス、新クローザーのバルフォアなどキーマンがことごとく結果を残せていない。
インディアンスは好投している先発投手がおらず、打線の方も得点源となるキプニス、サンタナなどがことごとく不振に陥っている。
最も勝率の高いアスレチックスは得点力、投手力ともにトップクラスで、トレードで獲得したクローザー候補のジョンソンが苦しんでいる他は明確な弱点が見当たらない。
今後大きく躍進しそうなチームは得点力、投手力ともに上がり目の大きそうなレンジャーズだ。
打線があまり好調とは言いがたい現状でも勝ち越しには成功しており、フィルダーが新しいチームにしっかり馴染み故障者も戻ってくる頃にはさらに勝ち星を積み上げていくはずだ。
また個人成績についてはこちら。
打率
アレクセイ・ラミレス(ホワイトソックス) .351
ダヤン・ビシエド(ホワイトソックス) .348
メルキー・カブレラ(ブルージェイズ) .342
本塁打
ホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス) 10
アルバート・プホルス(エンジェルス) 9
ホゼ・バティスタ(ブルージェイズ) 8
打点
ホゼ・アブレイユ(ホワイトソックス) 32
クリス・コラベロ(ツインズ) 27
ネルソン・クルーズ(オリオールズ) 25
OPS
ホゼ・バティスタ(ブルージェイズ) 1.065
マイク・トラウト(エンジェルス) 1.000
マット・ジョイス(レイズ) .961
盗塁
ホゼ・アルトゥーベ(アストロズ) 9
エルビス・アンドラス(レンジャーズ) 9
ラジェイ・デイビス(タイガース) 8
ジャコビー・エルズベリー(ヤンキース) 8
レオニス・マーティン(レンジャーズ) 8
勝利数
マーク・バーリー(ブルージェイズ) 4
ソニー・グレイ(アスレチックス) 4
スコット・カズミアー(アスレチックス) 4
ジョン・ラッキー(レッドソックス) 4
マーティン・ペレス(レンジャーズ) 4
CJ・ウィルソン(エンジェルス) 4
防御率
ヨーダノ・ベンチュラ(ロイヤルズ) 1.50
ソニー・グレイ(アスレチックス) 1.76
ジェシー・チャベス(アスレチックス) 1.89
奪三振数
マックス・シャーザー(タイガース) 51
フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ) 47
デビッド・プライス(レイズ) 47
投球回数
マーティン・ペレス(レンジャーズ) 42.2
デビッド・プライス(レイズ) 41.2
フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ) 41.1
ジャイソン・バルガス(ロイヤルズ) 41.1
セーブ数
ジョン・アックスフォード(インディアンス) 8
グレッグ・ホランド(ロイヤルズ) 7
トミー・ハンター(オリオールズ) 6
グレン・パーキンス(ツインズ) 6
ホアキム・ソリア(レンジャーズ) 6
上原浩二(レッドソックス) 6
打撃成績ではホワイトソックス勢の活躍ぶりが目立つ。
特にキューバからやってきた大型ルーキーのアブレイユはMLBの雰囲気に馴染み始めて量産体制に入っている。
投手成績ではアスレチックス勢の活躍ぶりが目立つ。
2年めのトッププロスペクトのグレイ、リリーフから転向したチャベスなどまだ実績に乏しい投手たちがしっかり結果を残している。
また防御率1位のベンチュラは驚異の100マイルルーキー。
絶対的な速球を持ちながらコントロールも悪くないため、心配なのはスタミナだけという状態で今後は田中の新人王争いのライバルになるだろう。
2014年4月22日火曜日
メジャーの◯◯自慢を探せ! 〈制球編〉
今回は制球編。
制球にはコントロールとコマンドの2種類の能力が存在する。
コントロールはストライクゾーンに投げる能力、コマンドは狙ったスポットに投げる能力だ。
今季のパフォーマンスを見ると田中も加えたいところなのだが今回は1年位上のキャリアがある投手のみを対象とした。
☆クリフ・リー(フィリーズ)
現在のMLBで制球と言えばリーの右に出るものはいないと言ってもいいくらい、彼は抜群の制球力を持っている。
ただ四球を出さないというだけでなく、きわどいコースに狙って投げ込めるためボールの威力自体は並だが奪三振力も高い。
彼が2010年に叩きだした、歴代2位のK/BB10.3がその何よりの証左だ。
☆上原浩二(レッドソックス)
今やリーグ屈指の守護神になった上原だが、その原動力になっているのは言うまでもなくずば抜けた制球力。
甘く入れば即スタンドインされてしまうほど球威に乏しいが、それを制球力でカバーしている。
スプリッターと速球のコンビネーションはスピードがなくても凶悪で、相手チームはただ上原のミスを待つしかない。
☆マーク・バーリー(ブルージェイズ)
現在13年連続200回&二桁勝利を達成しているが、彼の球威はリーグ最低レベルでしかない。
それでもなお偉大な記録を継続できるのは、頑強さと安定した制球力を持ち合わせているからだ。
彼の実績は過小評価されていると言ってもいいだろう。
☆アダム・ウェインライト(カージナルス)
若手の頃は制球力も特筆すべきレベルになかったが年を追うごとに投球内容が成熟し、トミー・ジョン手術による全休などありながらも昨季はK/BBがMLB2位になるなど制球力はさらに向上しつつある。
サイ・ヤング賞投票2位が2度、3位が1度といつも惜しい投手でもある。
☆バートロ・コロン(メッツ)
ストライクゾーンに投げるコントロールについては1,2を争う。
一度は終わった投手だと思われていたがまさかの復活を遂げ、抜群のコントロールで結果を出している。
いつの間にか200勝も間近だ。
ちなみに彼は38球連続ストライクというとんでもない記録も持っている。
制球にはコントロールとコマンドの2種類の能力が存在する。
コントロールはストライクゾーンに投げる能力、コマンドは狙ったスポットに投げる能力だ。
今季のパフォーマンスを見ると田中も加えたいところなのだが今回は1年位上のキャリアがある投手のみを対象とした。
☆クリフ・リー(フィリーズ)
現在のMLBで制球と言えばリーの右に出るものはいないと言ってもいいくらい、彼は抜群の制球力を持っている。
ただ四球を出さないというだけでなく、きわどいコースに狙って投げ込めるためボールの威力自体は並だが奪三振力も高い。
彼が2010年に叩きだした、歴代2位のK/BB10.3がその何よりの証左だ。
☆上原浩二(レッドソックス)
今やリーグ屈指の守護神になった上原だが、その原動力になっているのは言うまでもなくずば抜けた制球力。
甘く入れば即スタンドインされてしまうほど球威に乏しいが、それを制球力でカバーしている。
スプリッターと速球のコンビネーションはスピードがなくても凶悪で、相手チームはただ上原のミスを待つしかない。
☆マーク・バーリー(ブルージェイズ)
現在13年連続200回&二桁勝利を達成しているが、彼の球威はリーグ最低レベルでしかない。
それでもなお偉大な記録を継続できるのは、頑強さと安定した制球力を持ち合わせているからだ。
彼の実績は過小評価されていると言ってもいいだろう。
☆アダム・ウェインライト(カージナルス)
若手の頃は制球力も特筆すべきレベルになかったが年を追うごとに投球内容が成熟し、トミー・ジョン手術による全休などありながらも昨季はK/BBがMLB2位になるなど制球力はさらに向上しつつある。
サイ・ヤング賞投票2位が2度、3位が1度といつも惜しい投手でもある。
☆バートロ・コロン(メッツ)
ストライクゾーンに投げるコントロールについては1,2を争う。
一度は終わった投手だと思われていたがまさかの復活を遂げ、抜群のコントロールで結果を出している。
いつの間にか200勝も間近だ。
ちなみに彼は38球連続ストライクというとんでもない記録も持っている。
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