2014年4月16日水曜日

チーム別キープレイヤー〈ナ・リーグ中地区〉

【セントルイス・カージナルス】
◯コルテン・ウォン(23)
カージナルスは30本塁打を期待できるような強打者はホリデイくらいしかいないが、彼やモリーナ、アダムズが担う主軸は勝負強く心強い。
となると打線で重要になるのは当然1,2番の打者。
1番のカーペンターは出塁能力抜群のリードオフマンだがスピードに欠けるため、2番を打つウォンがどれだけスピードを活かせるかで後ろを打つ打者の打点も変わってくるだろう。
長打力にはあまり期待できないが小兵タイプらしく出塁し足で引っ掻き回す活躍を見せたい。
また主力があまり若くないためチームの高齢化を避けるためにも彼の成長は重要だ。

◯マイケル・ワカ(22)
昨年のプレーオフでの活躍ぶりは記憶に新しいが、このレギュラーシーズンでは昨季のミラーのような活躍を期待したい。
非常に安定感があり、状況次第ではいきなりローテーションの2番手として活躍できるはずだ。


【シンシナティ・レッズ】
◯ビリー・ハミルトン(23)
名が知れ渡り、100盗塁を期待されているスピードスターだが開幕メジャーでスタートしてかなり苦しんでいる。
危惧されていたように打撃がネックとなっており、出塁ができずスピードを活かせていない。
最初の壁にあたっているわけだがどこかで適応し、少なくとも3割2分は出塁できるようになれば他球団にとってはやはりかなりの脅威になるはずだ。
彼が塁上にいることでボットーやブルースの打撃にもいい影響が出るだろう。
しかし彼の調子がこのまま上がらずマイナー落ちすれば一気にスピードのない打線になり、得点力はチューのいた昨季より落ちる可能性が高い。

◯トニー・シングラニ(24)
昨季デビューし便利屋として奪三振マシーンぶりを発揮したが、今季は先発ローテーションに固定される。
重要な左投手だが、気になるのは70%以上を速球に頼る投球スタイル。
特徴的なフォームで威力のある速球を持つが、このスタイルはともすれば単調になりがち。
前半戦はそれでうまくいくかもしれないが、こういった投手は後半に大きく成績を落とすことも多い。
おそらくプレーオフ争いをするであろうレッズにとってシングラニが後半も活躍できるかどうかは鍵になるだろう。


【ピッツバーグ・パイレーツ】
◯スターリング・マルテ(25)
昨年MVPのマッカッチェンを擁するパイレーツ打線だが、彼が未だに100打点にすら到達したことがないのは彼をサポートする打者の力量不足が原因だった。
しかしマルテの台頭で外野守備が強化され、リードオフマンとして理想のスピードが打線に備わった。
しかしまだ絶対的リードオフマンとなるには打撃の洗練度に欠けるため、今後のマルテの課題は出塁力と盗塁精度の向上だ。
特に打撃の粗さはなんとか改善し、三振を減らして出塁率も.360程度までは上げたい。

◯ペドロ・アルバレス(27)
強力な投手力を持つパイレーツが地区優勝を狙うために必要不可欠なのは打力だ。
今まで得点力があまり高くなかった要因は長打力不足にあったが、この打線においてマッカッチェン以外でその問題を解決する可能性があるのは現状アルバレスしかいない。
昨季は本塁打王に輝くなど長打力があるのは結構なことだが問題は打撃自体が粗いことにある。
低打率で三振も多い強打者と言うとアダム・ダンが思い浮かぶのだが、アルバレスは彼のような出塁力を持っているわけではなく、これだけの長打力がありながら未だにOPS.800を超えたことがない。
そろそろ一皮むけて、打率を上げるなり出塁率を上げるなりしなければ、典型的な粗いパワーヒッターとして驚異的な4番打者になれずに終わってしまうだろう。
しかし彼の成長次第ではマッカッチェンとのデュオは抜群の得点力を持つはずだ。


【ミルウォーキー・ブルワーズ】
◯ライアン・ブラウン(30)
薬物騒動で今や現役選手ではA・ロッドについでダーティなイメージがついてしまったブラウン。
チームのためにも彼自身のイメージ回復のためにも今季は薬物抜きで今まで通りの好成績を叩きださなくてならない。
ブルワーズ打線は非常に強力なだけに、彼が再び絶対的主砲として活躍すれば打線の力だけでもプレーオフ争いに参戦できるポテンシャルを秘めている。

◯ヨバニ・ガヤルド(28)
昨季は不調に陥り、チーム低迷の一因になっただけでなく4年連続で続けていた200奪三振も途切れてしまった。
今季は心機一転と行きたいところだが、昨季ローシュ、今季加入したガーザ、2年目でブレイクの気配を漂わせているペラルタやソーンバーグなどブルワーズには期待できる投手が多い。
しかしこの中でやはりエースとして最も期待できるのはガヤルドであり、彼がローテーションを引っ張っていかなければならない。
彼の投球が2011年頃の水準に戻れば、ブルワーズは台風の目になる可能性も十分にあるはずだ。


【シカゴ・カブス】
◯スターリン・カストロ(24)
絶賛再建中のカブスにとって重要なのは豊富な若手野手が青写真通りに成長してくれること。
その中で予想外だったのは長期契約を結んだカストロが昨季大きく低迷してしまったことだ。
打撃で一皮むけるのはもちろんのこと、そろそろ身体能力を活かした守備の精度も向上させてほしいところ。
攻守ともに要になる存在だけに、今季は3割30二塁打20盗塁は最低でも達成しておきたい。

◯アンソニー・リゾー(24)
マイナーでは圧倒的だった打撃は少々苦しんではいるもののメジャーでも通用している。
そろそろ30本塁打超えの本格ブレイクといきたいところだが、打撃スタッツを向上させるためには対左投手でのパフォーマンスを改善させなくてはならない。
スプリングトレーニング、そして開幕して間もないレギュラーシーズンでも今のところは左投手をそれほど苦にしていない。
これが本物ならば一気にオールスター級打者になることもあり得るだろう。


2 件のコメント:

  1. こんばんは
    やはりロマンがあるのは記事でも上げられているビリー・ハミルトンですよね。盗塁の動画もいくつか見ましたがあのモリーナが刺せないぐらい速い というのは相当だと思います。
    まあ日本の盗塁王の福本豊さんも「いくら足が速くても出塁しないと意味が無い」とおっしゃっているので、バッティング技術の向上に期待したいですね。

    またマイケル・ワカのピッチングも素晴らしかったですね。22歳であのピッチングとは、カージナルスの次期エース候補として今年はさらに頑張って欲しいです。

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    1. コメントありがとうございます。
      ハミルトンは今のところロマン先行という感じで、メジャーへの適応に苦労していますね。
      リッキー・ヘンダーソンがあれほどの選手になれたのはやはり高い出塁能力を持っていたからですので、ハミルトンも100盗塁を目指すなら出塁に関しては頑張らなくてはなりません。
      同じようにスピードで期待されていたドジャースのディー・ゴードンもメジャー昇格して以来結果を残せていませんでしたが今季は出塁率4割超えですでに10盗塁するなど大活躍中です。
      足というのは野球の大きな魅力の一つですから彼にもハミルトンにも頑張って欲しいですね。

      カージナスルはウェインライトがまだ30を超えたばかりでワカやリン、ミラー、ケリー、マルチネス、ロゼンタールなど若い投手が充実しています。
      ワカはドラフト1位として期待された通りの順調な道を歩んでいますし、カージナルスの投手育成能力には感服します。
      モリーナの存在もなんらかの好影響があるのかもしれませんね。

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