2013年8月4日日曜日

ドジャースは独走モードに入ったのか?チームを支えるエースとクローザーの存在

7月に入って以降好調を維持し続け、首位も奪い返したドジャースはトレード・デッドラインをすぎ8月に入った今もその調子が落ちる気配がない。
7月の勝率は19勝6敗 .760であり、8月も現在無敗の3連勝中。
特にオールスター明け以降では13勝2敗ともはや敵なしの状態だ。
同時にライバルのダイヤモンドバックスが最近あまりうまくいっていないことで独走状態になりつつある。
この15試合で4失点以上したのはわずか4試合という前評判通りの強力投手陣がその鍵となっているのだが、特に際立つのが最強のエースであるカーショウの存在だ。
10勝6敗という物足りない勝敗とはうらはらに防御率1.87 168.1回 WHIP0.86と内容はレジュエンド級。
しかも7月に入ってからの6登板で四球はわずか2つと抜群すぎる安定感を見せている。
これまで彼の投球内容で難癖をつける点があるとすれば制球だけだったのが、今ではMLB最強の制球力にまで成長しつつある。
当然ながら今季のサイ・ヤング賞最有力候補であり、しかも防御率1点台でシーズンを終えることになればMLBでは2005年のクレメンス以来の快挙となる。
そんなカーショウの武器は4シーム、スライダー、カーブ、チェンジアップの4つ。
4シームは平均93mph前後とMLBの水準で考えると飛び抜けて速いわけではないのだが、その威力はMLBの先発投手の中では最高クラス。
そうしてもう一つ重要な武器が縦に大きくわれるスローカーブ。
4シームとスローカーブのコンビネーションはダルビッシュもよく使うパターンだがMLBの速球投手はカーブも速いためそれほど多く見られるわけではない。
カーショウもこのカーブが4シームをより際立たせている。
しかし彼の場合はただカーブをただ4シームの引き立て役として使っているわけではなく、三振を奪う際の最強のウィニングショットとして使っているのだ。
彼のカーブの割合はわずか12%前後だが、三振をとりたい重要な場面では必ずと言っていいほど投げ込んでくる球種。
今季のその被打率はわずか.069であり、どれだけ打たれない球種なのかがよくわかる。
加えてもう一つカーショウのカーブについてもう一つ非常に興味深いデータがある。
それはこれまでのキャリアで2018球を投げ込んできたこのボールが本塁打されたことが一度もないということ。
もちろんこれは他の球種とのコンビネーションもあっての結果なのだが、これがどれだけ驚異的なことなのかは誰でもわかるだろう。
このカーブがいつ初本塁打されるのか、あるいはされないのかは今後も注目していきたい。

され、これまでカーショウの話をしたが、現代の野球で重要なのはもちろんエースの存在だけではない。
高校野球とは違い長いシーズンを戦うプロではリリーフの存在も重要なのだ。
その中でも最も重要なのはクローザーであることは言うまでもないだろう。
もちろん好調ドジャースにはそれにふさわしい好調のクローザーが存在する。
それは25歳のオランダ人投手ケンリー・ジャンセンだ。
ジャンセンは昨季クローザーとして定着したが、チームがブランドン・リーグを獲得したことでクローザーは彼のものに。
そして今季もクローザーはリーグ、ジャンセンはセットアッパーという役割になっていた。
しかしリーグは今季序盤から不調。
チームは我慢して使い続けたが調子は上がらず、クローザーから降格となった。
そして出番がまわってきたのがその間も好投していたジャンセンだった。
彼はリベラを彷彿とさせるカットボール使いであり、実に90%近い割合でカッターを投げ込む。
もちろんその威力も抜群で、多くの三振もとることができる。
メジャーに定着して間もなかった2011年頃までは、元捕手であり投手としての経験が浅いせいか制球には不安があったのだが昨季はそれがある程度改善され、今季はまるでリベラのような制球力をみせるまでに至っている。
今後もまだ伸びしろがあり、これから数年、あるいは十数年にわたって彼がドジャースのクローザーとして君臨するかもしれない。
ネクスト・リベラの時代がこれから始まるのだ。


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