2013年8月5日月曜日

あまりにもハイレベル!ナ・リーグのルーキースターター

日本ではライアン小川、藤浪、菅野といった新人先発投手たちが活躍しリーグを湧かせている。
MLB、特にナ・リーグではある意味それ以上に新人投手が席捲している。
それに伴い新人王争いも激化。
近年稀にみるハイレベルなレースとなっている。

シェルビー・ミラー(22)
11勝7敗 防御率2.89 121.1回 132奪三振 35四球 12被本塁打 WHIP1.13
開幕ローテーション入りすると何度も好投し、前半戦の新人王を決めるならば彼で間違いないだろう。
年齢にしては完成度が高く、速球派の奪三振タイプでありながら制球も悪くない。
しかし初のメジャーフルシーズンということもあってかやや疲労がたまっている様子で最近は序盤ほどの圧倒的パフォーマンスを披露できないでいる。
彼を評価する上でネックになるのは投球回の制限があるため7回以上投げたケースが3度しかないことと、6回もたずに降板するケースが11度あったためQS率が低いということだ。
数字自体は優秀だがこういう点で評価が分かれるため今や絶対的な新人王候補ではなくなった。
また、4シーム、カーブ、チェンジアップという球種の少なさ、しかも9割以上を4シームとカーブで占めているため研究されやすく、ここからさらにパフォーマンスが向上するという可能性が考えられにくい。
チームもプレーオフはほぼ確実なため無理をさせることはないだろう。

フリオ・テヘラン(22)
8勝5敗 防御率3.02 131.0回 117奪三振 28四球 15被本塁打 WHIP1.18 
ペドロ二世と言われながらここ2年結果を残せずにいたが、今季スプリングトレーニングで素晴らしいパフォーマンスをみせローテーション入り。
開幕直後は苦しんだのだがやはりその実力は本物で5月以降はエース級の活躍でチームを牽引している。
三振も奪えるようになってきており、二桁三振を3度記録。
しかし最も特筆すべきは制球力の高さで、今季は3四球したのすら3試合しかないという安定ぶり。
調子のいいときは球数を少なく長いイニングを投げることもでき、かなり完成度が高い。
彼はシーズンを追うごとに調子を上げており、怒涛の追い上げでミラーとの座が逆転する日もそう遠くないかもしれない。
ただこちらもプレーオフはほぼ確実なためチームが無理をさせることはないだろう。

ヒュンジン・リュ(26)
10勝3敗 防御率3.15 134.1回 111奪三振 42四球 11被本塁打 WHIP1.27
韓国からのポスティング入団だったが一年目にして見事メジャーに適応してみせた。
開幕からローテーション入りし、チームが不調だったときもカーショウとリュの二人だけは安定していた。
今季のドジャースのキーパーソンの一人だったと言ってもいいだろう。
何か飛びぬけた能力があるわけではないがほとんど全てが高水準で 毎回ある程度試合をまとめてくれる優秀な三番手という活躍をしており、おそらくイニング制限もされないため他の新人投手に比べて投球回という点では一番有利。
特筆すべき点がないため、仕事量で勝負したいところだ。
7月はあまり調子が良くなかったためここからが踏ん張りどころ。

ホゼ・フェルナンデス(21)
8勝5敗 防御率2.54 127.2回 138奪三振 43四球 8被本塁打 WHIP1.01
上記3投手と違い彼の所属するマーリンズは再建期の最下位候補。
しかしだからこそフェルナンデスの存在はファンのよりどころとなっている。
開幕すると20歳にして飛び級メジャー昇格で周りを驚かせたキューバ人投手は、今季ここまで間違いなくエースと呼べる投球をしており、新人投手の中では一番のできだ。
しかもおそろしいことにここに来てさらにギアを上げ、7月28日のコールとの投げ合いでキャリアハイの13奪三振を記録すると、その次の登板で14奪三振を記録しまたキャリアレコードを更新してしまった。
とにかく打たれず長打も許さず、三振も多く奪う。
それでいて制球も悪くないのだからこの若者はもはや手のつけようがない。
このままいけば間違いなく彼が新人王になると考えていいのだが、チームは彼に球数制限をかける方針。
それもそのはず彼はまだプロ入りしてフルシーズンとしてはこれが2年目なのだ。
今後十数年にわたってMLBの頂点に君臨することを期待され、バーランダーやクレメンスとも比較される逸材は、今季新人王を受賞できなくてもこれから色んな賞を獲得するに違いない。

ゲリット・コール(22)
5勝5敗 防御率3.69 61.0回 43奪三振 14四球 5被本塁打 WHIP1.11
パイレーツファンは笑いがとまらないに違いない。
これまで下位をうろつくばかりだったチームは優勝争いを繰り広げ、その軸となるローテーションの中にはこんな怪物がいるのだ。
コールの存在は20年耐え続けたパイレーツファンへのご褒美のようなもの。
彼は既に球速という点においてはMLB最高レベルに達しており、この10試合で彼が大崩れした試合は一つもない。
奪三振がやや物足りないが最近は増加傾向にあるし制球力も非常にいい。
今後彼がバーランダーのようにパワーピッチャーの代名詞として語られるようになる日はそう遠くないだろう。
そして何度もサイ・ヤング賞争いに顔を出すようになるに違いない。

トニー・シングラニ(24)
5勝1敗 防御率3.05 82.2回 97奪三振 35四球 10被本塁打 WHIP1.11
今後左の奪三振マシーンとして名を上げていくであろう存在、それがシングラニだ。
先発にして8割強の割合で速球を投げ込んでくるゴリ押しタイプだが、打者は不思議とそれにバットを当てることができない。
他の好投手に隠れて知名度は低いが今後がかなり気になる投手だ。

ザック・ウィーラー(23)
4勝2敗 防御率3.73 50.2回 41奪三振 28四球 8被本塁打 WHIP1.40
ウィーラーはメッツのエースになることを期待されている。
今やハービーがその座についているわけだが、ウィーラーも彼と同等のポテンシャルを秘めているのだ。
まだまだ荒削りではあるが、これである程度の結果を出せている点は大器の片鱗と言うべきか。
かなり線が細く、体格的にもっと鍛え上げれば洗練されてくるはずだ。



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