2015年7月4日土曜日

近年の新人王選手たちの明暗

ネフタリ・フェリースがレンジャーズからDFA、いわゆる戦力外を通告された。DL入りしていたマット・ハリソンのためにロースターに枠をあける必要があるための措置で、マイナーオプションを使い切っているフェリースはロースターから外されることによって今後ウェーバー、あるいはトレードによる移籍、そうでなければレンジャーズのマイナーにとどまることになるのだが、今回のケースでは他球団移籍になるだろう。
さて、フェリースと言えばレンジャーズの豪速球投手だったというだけでなく2010年に佐々木が持っていた新人最多セーブ記録を更新してア・リーグ新人王を獲得したことでも有名だ。まさにレンジャーズの全盛期でその後2011年まではクローザーとしてシーズンを過ごしたが翌2012年に先発転向、そして故障による長期離脱などで全てが狂い新人王を獲得した若きクローザーとは思えないほど急転直下でキャリアを転げ落ちた。復帰して30試合に登板した昨季も防御率などは好成績ではあったが全盛期には平均96mph前後だった速球が93mph台に落ち込むなどその能力低下は顕著だ。今季もクローザー候補ではあったものの不振と怪我でこのような結末に至ったわけだ。
このように輝かしいキャリアへの入り口とも言える新人王を獲得しながら、その後苦しみたった数年で存在感が薄くなってしまう選手は少なくない。逆にしっかりとスターにまで上り詰め数年に渡りトップ選手として君臨する選手もいる。

2005年 ヒューストン・ストリート(アスレチックス)  ライアン・ハワード(フィリーズ)
2006年 ジャスティン・バーランダー(タイガース)  ハンリー・ラミレス(マーリンズ)
2007年 ダスティン・ペドロイア(レッドソックス)  ライアン・ブラウン(ブルワーズ)
2008年 エバン・ロンゴリア(レイズ)  ジオバニ・ソト(カブス)
2009年 アンドリュー・ベイリー(アスレチックス)  クリス・コグラン(マーリンズ)
2010年 ネフタリ・フェリース(レンジャーズ)  バスター・ポージー(ジャイアンツ)
2011年 ジェレミー・ヘリクソン(レイズ)  クレイグ・キンブレル(ブレーブス)
2012年 マイク・トラウト(エンジェルス)  ブライス・ハーパー(ナショナルズ)
2013年 ウィル・マイヤーズ(レイズ)  ホセ・フェルナンデス(マーリンズ)
2014年 ホセ・アブレイユ(ホワイトソックス)  ジェイコブ・デグローム(メッツ)

上記は過去10年の新人王とその当時の所属チームだ。基本的には今でも各チームの主力選手として活躍している。20人中6人がMVP経験者で、2007年などは両者ともにMVPを獲得している。2012年も今季のハーパーを見る限り今後そうなる可能性は高い。だがやはり今はあまり活躍できていない選手も見受けられる。今回のフェリースに加えてこの2年ほどメジャーで投げていないベイリー、近年二番手捕手になってしまったソト、今ではかなり数字が悪化しているヘリクソンなどがそうだ。中にはコグランのように一度はリーグ最低レベルまで堕ちながら復活を果たしたものもいる。だがやはり新人王獲得者というのは基本的にその後は主力として活躍していくもので、今季も新人王候補になっているルーキーの中から今後のスターが生まれる可能性は高いだろう。
余談だが、この20選手中8選手がマーリンズ、レイズ、アスレチックスという3大ケチチームから輩出されており(マーリンズは近年大金を費やすことが多いが)、やはり回転の早い貧乏チームはルーキーが活躍することが多いということがよくわかる。

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