2014年6月10日火曜日

チゼンホール MLB史上初の快挙

MLBの長い歴史の中で、未だ達成されたことのない記録というのはそう多くないが、この日インディアンスのロニー・チゼンホールが史上初の記録を打ち立てた。
その記録というのは1試合のうちに5打数5安打3本塁打9打点を達成すること。
5打数5安打も3本塁打も、1シーズンに数度あるかないかという記録のためそのどちらも1試合で達成してしまうことの難易度の高さは想像しやすいが、それに加えて9打点という滅多にないものも加わったことでより一層難易度が高くなっている。
1試合5安打3本塁打9打点自体も過去に3度しか達成されたことがなく、最後に達成されたのも1975年の出来事ということもあって、希少価値としてはサイクルヒットや完全試合よりも断然高い。

ところでこの試合で名を上げたチゼンホールの知名度はそれほど高くはないだろう。
とりわけ日本のファンはほとんど知らないであろう選手であるため、彼について少し記述したいと思う。

チゼンホールは2008年ドラフト1巡目29位指名でインディアンスに入団した左打ちの三塁手だ。
プロ入り前には盗難が発覚して大学を退学処分になったこともある問題児だったが、その素質を高く評価されたための1巡目指名だった。
プロ入り後はマイナーで着々と成績を残し、飛び抜けたツールはないもののバランスのいい三塁手ということでインディアンスのトッププロスペクトとしてカルロス・サンタナらとともに今後のチームの核になる選手と思われた。
そうして2011年にメジャーデビューを果たすが、期待された成績を1年目から残すことはできなかった。
翌年以降もメジャーでプレーはするものの定着することは出来ず、ということを繰り返し今季が始まる前の彼の評価はブレイクできなかったドラフト1巡目選手というものだった。
ところが今季はスプリングトレーニングから好調でそのまま開幕ロースター入りするとそのまま好調を維持し、三塁手、一塁手、そしてDHの3つのポジションでプレーしながら今ではインディアンスで最も打撃成績がいい選手となっている。
そこに来てこの歴史的な試合である。
ちなみに彼は先日ダルビッシュからも本塁打を放っている。
このパフォーマンスが一過性のもので終わるかどうかはわからないが、彼が今最も怖い打者であることは間違いないだろう。



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