今回から始めるこの企画は次代を担うスーパースター候補生を紹介していく。
①20代の選手。
②メジャーデビューしている。
③オールスターに選出されたことがない。
この3点を選出基準として私が今後オールスターに複数回選ばれるスーパースターになるであろう、あるいはなりかけている選手を探した。
第一回目となる今回はヤシエル・プイグを紹介する。
★ヤシエル・プイグ(ドジャース)
- Born: 12/7/1990 in Cienfuegos, Cuba
- Bats/Throws: R/R
- HT: 6'3''
- WT: 235
- Debut: 6/3/2013
- College: N/A
キューバ出身23歳の外野手。
彼の名前は日本でも知っているファンがいるのではないだろうか。
例のごとくキューバから亡命を果たし2012年にドジャースと7年4200万ドルという長期契約を結び入団した。
恵まれた体格と抜群の身体能力を活かしたプレーが持ち味で、昨季はスプリングトレーニング、開幕してからのマイナーでともに大暴れし、不調に陥っていたドジャースの起爆剤となることを期待されて6月にAAから飛び級でメジャー昇格を果たした。
すると恐ろしい程の爆発力でチームを牽引し、6月は月間打率4割超えの大暴れ。
それと同時にそれまで勝率4割前半で地区最下位だったチームも浮上し始め、最終的にチームは地区優勝を果たした。
もちろんプイグ一人の力ではないが、彼の昇格が大きなきっかけになったことは間違いないだろう。
そのあまりの大活躍ぶり、そして破天荒とも言える野性的なプレーに多くのファンが引きつけられ、メジャー昇格後1ヶ月しか経っていないにも関わらず彼はオールスターの最後の一人の候補者にノミネートされた。
このことは論議も巻き起こしたが、最終的に選ばれたのはプイグではなくフリーマンだった。
惜しくもオールスター選出は逃したが、今季はここまでさらにずば抜けた好成績をあげて現在オールスター投票の上位を維持している。
今度こそ彼はオールスターに、それもスターティングラインナップに名を連ねるはずだ。
ところでプイグは問題児である。
昨季プイグを抑えて新人王に輝いた同じくキューバ出身のホゼ・フェルナンデスが純粋に野球を楽しんでいる優等生なのに対し、プイグはグラウンド内外でトラブルの種になるMLB屈指の問題児になりつつある。
セレブリティあふれる生活を満喫し、スターダムを駆け上がった昨季オフには早速スピード違反で逮捕された。
またグラウンド内でも自分の能力を誇示するかのような暴走プレーを連発し、その結果チームにも大いに迷惑をかけている。
今後の彼にとって最も重要なのは精神面の成熟であり、改善されなければキャリアに傷をつけることにもなりかねない。
既にキューバ亡命時に人身売買組織やマフィアなどが絡んだことが噂されており、今後彼個人だけではなく球界全体を揺るがすような大問題にもなりかねない。
しかしその規格外のプレーにファンは魅了されざるを得ない。
今後彼の数々のトラブルがどう発展していくかわからないが、彼はその危険さと魅力を併せ持った稀代のプレーヤーなのである。
いつか彼の未熟さが身を潜め、誰もが憧れる真のスーパースターになる日が来るかもしれない。
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