2014年3月5日水曜日

MLBで初のチャレンジ

MLBは常に革新的なものを取り入れようとしているが、今季最も大きな変更は”チャレンジシステム”の導入だろう。
今年も始まったスプリングトレーニングでは今季から適用範囲を大幅に拡大されたビデオ判定が初めて利用された。
これまでビデオ判定は本塁打に限られていたのだが今季からその範囲はストライク・ボール判定以外のほとんどへと拡大。
当然アウト・セーフのきわどいプレーにも適用されることになる。
チャレンジシステムと言えば世界的に有名なのはテニスだ。
ホークアイという優れたカメラ技術により、チャレンジが要求された場合にはスクリーンにCGが表示されそれによって判定が決まる。
選手はそれぞれ1セットにつき3度のチャレンジ権を持っており、チャレンジ成功、つまり審判の判定が覆った場合はチャレンジ権を失うことはない。
同じようなシステムはアメリカ一人気のNFLでもあり、インスタント・リプレイと呼ばれるこのシステムではタイムアウトの権利を賭けてチャレンジが行われる。
タイムマネジメントが醍醐味であるNFLではチャレンジは最も盛り上がるシーンの一つであり、既になくてはならないものになっている。
またテニスでも試合の勝敗を分ける場面ではチャレンジの使い方が非常に重要になっており、自分のショットがインだった、相手のショットがアウトだったという主張だけでなく、ポイントを取られた後に自分のサーブがアウトだったのではないかという主張をして振り出しに戻すという面白い使い方がされたこともあった。
チャレンジが導入されたスポーツでは、それが醍醐味の一つになっているということが見受けられる。

野球も誤審がつきもののスポーツだ。
近年ではアンドレス・ガララーガが誤審で完全試合を逃すという事件もあった。
そのような悲劇を繰り返さないためにビデオ判定の範囲が広げられようとしているのだが、今回導入されたシステムではチャレンジの権利は1試合につき1度。
もちろん判定が覆ればチャレンジ権を失うことはないが、1度分しかないことでかなり使い方を問われるようになるだろう。
3月3日の試合では、スプリンゴトレーニングとは言え初めてチャレンジ権が行使された。
偶然にもそれは川崎宗則のプレーだった。
ブルージェイズ対ツインズの一戦で6回裏2アウト2塁の場面。
川崎はショートゴロを処理し1塁に送球したのがボールは少しそれ一塁手は伸びあがった捕球した。
その際に足が離れ、走者が一瞬速くベースへたどりついたため塁審はセーフの判定を下したがこれにブルージェイズのギボンズ監督がチャレンジを要求。
初のチャレンジは滞りなく進められ結果は判定覆らずセーフとなり、川崎にはエラーが記録された。
この日は川崎も含めてMLB全体で3つのチャレンジが利用された。
どの監督もまだ探り探りの状態だろうが、これで正確な判定を期待できるようになったのは野球の大きな進歩と言えるだろう。

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