2014年1月30日木曜日

ランス・バークマン引退

2000年代を代表する選手がまた一人消えていく。
強打のスイッチヒッター、ランス・バークマンが引退を発表した。
バークマンはタイトルこそ2002年に獲得した打点王のみだが、6度のオールスター、MVP投票7位以内が6度などまぎれもなく一流の選手だった。
キャリアを少しひも解いてみると、1999年に23歳でアストロズでメジャーデビューし、ルーキーイヤーとなった2000年に21本塁打 OPS.949の活躍で新人王投票6位に入った。
翌年は3割30本100打点を達成しさらにその翌年には40本塁打128打点で打点王に輝いた。
その後も安定感ある成績を残し続け2006年には打率.315 45本塁打 136打点 OPS1.041と圧倒的な活躍を見せた。
ルーキーイヤーから2009年までアストロズ一筋で10年連続で20本塁打以上を放っていたが2010年にトレードでヤンキースへ移籍した。
そこではめぼしい活躍はなかったのだが2011年にカージナルスへ移籍すると3割30本を放つなど35歳にして復活を遂げる。
しかしその後は怪我もありレンジャーズでダルビッシュらともプレーしたが結果を残せず引退することとなった。

彼の凄さはなんといっても打撃技術、パワー、選球眼という打撃に必要なツールをすべて備えていた点だ。
通算成績は
1879試合 1905安打 打率.293 366本塁打 1234打点 出塁率.406 OPS.943
デビューが早かったわけではなかったので殿堂入りできるレベルの成績ではないが、スイッチヒッターというカテゴリで考えれば史上有数の選手だ。
三振率が20%を越えたことも、四球率が10%を切ったこともないあたり、選球眼が非常に重要視される昨今では最も評価できる打者であるが、2000安打400本塁打という節目の数字にたどりつけないあたり色々と惜しい選手でもある。
スイッチヒッターでありながら右打席と左打席で成績に大きな開きがあることでも有名で、以下の左右別通算成績を見ればその意味がよくわかるだろう。

左打席
打率.304 316本塁打 出塁率.420 OPS.995

右打席
打率.260 50本塁打 出塁率.360 OPS.777

彼自身は右打席にもこだわりがあったようだが、元々左利きだっただけに彼が左打席のみに専念していればどれだけの成績を残せたのだろうかと想像してしまうのも仕方のないことである。
今後もMLBに彼のような若い強打のスイッチヒッターが出てくることを願いたいものだ。

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