2013年5月13日月曜日

日本人3投手の投球を分析

今季好投を続けているダルビッシュ、黒田、岩隈のここまでの投球内容についてFanGraphsの詳細なデータをもとにして考察していく。

”ダルビッシュ有”
スライダー(平均81.7mph) 38.2%
4シーム(93.0mph) 23.3%
カッター(89.3mph) 18.4%
2シーム(92.6mph) 11.2%
カーブ(66.9mph) 4.8%
スプリッター(86.2mph) 3.9%
チェンジアップ(86.9mph) 0.1%

今季のダルビッシュが最も高い割合で投げているのはMLB有数のウィニングショットでもあるスライダーだ。
非常にハイレベルで、右打者にとってはかなりの脅威になる。
ダルビッシュはMLBでは珍しい多彩な投手で3種類の速球(4シーム、2シーム、カッター)を投げ分けるが、この中で最も効果的なのはカッターであり、彼が投げる球種の中ではこのカッターとスライダーはMLBでも上位に入るレベルだ。
反面軸となる4シームは球威は抜群もコマンドに問題を抱えているため、四球を出すきっかけになってしまうことも多く、これからの課題になっている。

”黒田博樹”
シンカー(平均90.7mph) 36.2%
スライダー(83.5mph) 26.5%
スプリッター(86.5mph) 20.0%
4シーム(89.7mph) 10.7%
カーブ(77.8mph) 6.5%

投球の軸になっているのは主にシンカー(2シーム)、スライダー、スプリッターの3球種。
昨年に比べて速球の球速は1mph以上低下しているが、元々ムーブメントで抑える投手であるため成績自体にはさほど影響が出ていない。
今季は特にスライダーが冴え渡っている。
基本的にどの球種も安定しているが、今季はシンカーの被打率がやや高くなっており、球速低下の影響を受けている可能性もある。

”岩隈久志”
4シーム(平均89.6mph) 38.3%
スプリッター(85.6mph) 20.1%
スライダー(81.5mph) 19.9%
シンカー(89.2mph) 15.4%
カーブ(71.6mph) 6.0%

全ての球種で平均以上のパフォーマンスを披露しているが、意外にも最も効果的なのは速球だ。
岩隈の速球はMLB平均に満たない程度の球速しかないが、被打率なども非常に優秀で現時点ではリーグ有数の効果を発揮している。
昨年の岩隈は速球を打たれることが多かったが、今季の好成績を助けているのは間違いなく速球の成長だろう。
また三振を奪う際に最も効果的になっているのはスプリッターで、速球との球速差が小さい上に大きく変化することで低めのスプリッターにたいして空振りする打者が非常に多い。

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