2013年5月23日木曜日

カルロス・ゴンザレスはついに”本物”になるのか

野球にはパークファクターというものがある。
球場ごとに投手有利、打者有利などの特徴が大きく出るため、選手の成績もそれに影響されやすい。
例えばダルビッシュが本拠地とするレンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントンはリーグでも屈指のヒッターズパークであり、ダルビッシュ自身もその影響を受けているのはホーム防御率3.46、アウェイ防御率1.95という数字からよくわかる。

さてロッキーズが本拠地とするクアーズ・フィールドもそういった極端なパークファクターを持つ球場だ。
グラウンドの広さはMLBでも1,2を争うくらいだが、標高1マイルの高さに球場があるため空気が薄く、通常の球場に比べてボールが非常によく飛ぶ。
さらに球場自体が広いためヒットゾーンも広く、本塁打だけでなくあらゆるヒットが出やすい。
加えて投手の変化球のキレも鈍るというおまけつきだ。
そのためクワーズ・フィールドはMLBで最も打者有利な球場であり、ロッキーズの打者の多くはホームとアウェイの成績に大きな差がでることになり、ホームでのみ好成績を残す打者はクアーズ・ヒッターと揶揄されることもしばしばだ。
ロッキーズの主力野手カルロス・ゴンザレスもこれまで一流と言える成績を数年に渡って残してきたのにも関わらず、クアーズ・ヒッターとしての側面が評価に陰りを落としてきた。

以下は彼がブレイクした2010年からのホーム・アウェイの成績だ。

2010
ホーム 打率.380 26本塁打 OPS1.161
アウェイ 打率.289 8本塁打 OPS.775

2011
ホーム 打率.331 16本塁打 OPS.999
アウェイ 打率.252 10本塁打 OPS.757

2012
ホーム 打率.368 13本塁打 OPS1.046
アウェイ 打率.234 9本塁打 OPS.706

ホームではミゲル・カブレラ級の打者になるが、アウェイでは ごく平凡な打者になってしまう。
しかし今季は以下のようにアウェイでの活躍も目覚しい。

2013
ホーム 打率.283 5本塁打 OPS.930
アウェイ 打率.325 6本塁打 OPS1.032

もちろんまだ2ヶ月程しかたっておらず、ここからどう推移していくかもわからないが、もしこのまま大きく数字を落とすことがなくシーズンを終えることができれば、ついに彼はトップクラスの外野手の一人に名を連ねることができるようになるだろう。
27歳の彼は今からが全盛期であり、”カーゴ”は未だ進化しつつあるのだ。

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