2013年5月15日水曜日

ジョー・マウアーの変化

天才打者マウアーは今季も好調だ。
打率.343(リーグ3位) 出塁率.430(リーグ2位) OPS.927(リーグ8位)などのスタッツが彼がMLB屈指の好打者であることを示している。
マウアーと言えばなによりもコンタクト能力の高さが最大の売りであり、そのバットコントロールのうまさは彼に3度の首位打者をもたらした。
彼がハイスクール時代に喫した三振はわずか一つだけだったというのは有名な話である。
MLB入りしてからもバットコントロールのうまさは特筆もので、多くの四球を選ぶと同時に三振をしないという技術にも優れていた。
これまでのキャリアでみても、三振率は平均で10%前後ときわめて低く、キャリアワーストだった昨季でさえも13.7%という高水準だった。


しかしそんな希代の好打者マウアーに今一つの大きな変化が表れている。
それは急激な三振率の増加だ。
今季の三振率は20.9%で、さらに驚くことに4月30日から12試合連続三振中である。
これはどうしてなのか。
その理由はデータをみれば明快だ。
これまで常に80%後半から90%前半を記録してきたコンタクト率が80.8%にまで落ちている。
つまり単純にバットに当たる確率が低くなったということだ。
ではこれはコンタクト能力が落ちたということなのか?
もちろんその可能性はあるが私はこれをスタイル変化に伴うものだと推測している。
今季のマウアーはコンタクト率が著しく低下し三振が急増したのと同時に、ラインドライブ率やフライボール率、さらに二塁打数(リーグ2位の15本)が上昇している。
つまりより強い打球をより遠くへ飛ばすスタイルへと変更することによってマウアーは二塁打量産型の中距離打者化しているのである。
コンタクト率低下はより強いスイングを心がけたことの副産物だろう。
もし年間を通してこのスタイルを維持することになれば、マウアーへの批判の一つであったパワーレスという問題は本塁打増加こそないもののある程度解消されるだろう。
しかしそれによって三振が大幅に増えるということになれば、彼の最大の魅力の一つを失ってしまうことにもなる。
どう転ぼうとも、今季はマウアーのスタイル変化に注目だ。


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