2013年5月31日金曜日

データで読み解くダルビッシュの課題

開幕から好スタートをきった2013年のダルビッシュだったが、ここのところはその活躍ぶりにやや不満を持っているファンも多いのではないだろうか。
奪三振王は怪我がなければほぼ間違いなく、四球で多くずれすることもなくなったという点で今季の活躍は素晴らしいが、5月に入ってからの防御率は3.79で、最近はかなりの球数を投げていることもあってこれから熱くなるにつれてパフォーマンスが落ちていくのではないかという一抹の不安も感じられる。

それではなぜ成績が悪化しつつあるのか理由を探ってみよう。

①パークファクター
ダルビッシュは今季初の被本塁打を喫した4月30日の試合から6試合連続で本塁打を浴びているが、この期間中に登板した球場は以下のようになっている。
4/30 レンジャーズボールパーク・イン・アーリントン
5/5 アーリントン
5/11 ミニッツ・メイド・パーク
5/16 アーリントン
5/21 アーリントン
5/27 チェイス・フィールド
レンジャーズの本拠地は言わずとしれたリーグ屈指のヒッターズパークであり、ダイヤモンドバックスの本拠地チェイス・フィールドも乾いた気候で打者有利となっている。
つまりこの6登板のうち5登板において打者有利の球場で投げていたことになる。
ダルビッシュはボールをムーブさせることでゴロを打たせるというよりはボールのキレで空振りを奪っていくタイプのため、パークファクターの影響は比較的受けやすい。
この期間中疲れがあったのはもちろんだろうが、パークファクターの影響により打たれることが多かったという可能性は低くない。

②立ち上がりの不安定さ
これは多くのファンが気づいていることだと思うが、以下のデータを見れば一目瞭然だ。
1~3回 防御率4.64
4~6回 防御率1.69
7~9回 防御率1.93
初回 防御率9.00
とにかく初回に点をとられることが多く、他のサイ・ヤング候補投手と比較してみてもその差は小さくはない。
フェリックス・ヘルナンデス 初回防御率1.64
ジャスティン・バーランダー 初回防御率4.09
クレイ・バックホルツ 初回防御率1.80
岩隈久志 初回防御率3.27
その失点の仕方も昨年のように四球を乱発してのものではなく、ヒットを打たれて点をとられるケースが多く、初回被打率は3割を超えてしまっている。
この初回の不安定さを改善することができれば、堂々とサイ・ヤング賞レースの上位にたてるだけ
に少々もったいない。
エンジンがかかるのが遅いのだろうか。



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