2013年5月11日土曜日

日本人3投手の快進撃

日本人にとって、今季は躍進の年になるかもしれない。
以前から日本人投手の活躍には素晴らしいものがあったが、今季ここまでの活躍は目を見張るものがある。
特に先発投手、ダルビッシュ、黒田、岩隈の3人だ。 この3投手の活躍ぶりをピックアップして検証したいと思う。

”ダルビッシュ有”
7試合 5勝1敗 防御率2.56 45.2回 72奪三振 15四球 3被本塁打 WHIP0.92 FIP1.86
現在のMLBで最も三振をとれる投手は誰か、おそらくMLBファン10人のうち9人はダルビッシュだと答えるだろう。
移籍一年目だった昨季から奪三振に関しては際立っていた。
わずか191.1回で221三振を稼ぎ、今季も開幕前から奪三振王に推す声が非常に多くを占めていた。
そうして始まった初戦であわや完全試合、14奪三振という圧倒的な投球をみせたことはファンの記憶に新しい。
既に二桁奪三振を4度も記録し、奪三振王レースでは完全に一人旅という状態だ。
しかしその一方で、彼がサイ・ヤング賞を獲得し最高の投手の一人になるための課題も見え隠れしている。
奪三振が多いということはすなわち球数が多いということだ。
ダルビッシュもその例に漏れず球数が多くなりがちで、ほとんどの試合で6回あたりで100級前後に達してしまう。
サイ・ヤング賞のライバルであるフェリックス・ヘルナンデスがここ最近の3試合すべてで8回を100球に満たず投げきっていることを考えると、その部分にまだまだ差があるのは否めない。
奪三振と少ない球数を両立するのは難しいが、ダルビッシュはそれをやってのけてくれるのか、それともこのスタイルを突き通すのか。
まだ成長の余地があるだけに彼がどこまで進化するのか楽しみだ。

”黒田博樹”
7試合 4勝2敗 防御率2.30 43.0回 33奪三振 12四球 3被本塁打 WHIP1.07 FIP3.32
何かずば抜けたツールがあるわけでもないし、おそらく今季もサイ・ヤング賞争いに名が挙がることはないだろう。
しかし安定感という一点において彼はMLBでも屈指の実力者だ。 とにかく安心してマウンドを任せることができる。
なによりニューヨークでそれができる投手というのは稀有であり、サバシア同様彼が強靭なメンタルの持ち主であることは間違いない。
今季は球速が1mph程落ちており、身体的な衰えは間違いなく表れているのだがそれを成績に影響させることはない。
玄人好みで、プロの尊敬するプロだと言えるだろう。
引退する前に彼がチャンピオンリングを手にする瞬間を見てみたいものだ。

”岩隈久志”
8試合 4勝1敗 防御率1.74 51.2回 51奪三振 8四球 5被本塁打 WHIP0.74 FIP2.80
私は岩隈に対する開幕前の評価を改めなくてはいけない。
私は彼をローテーションの3番手レベルで、なおかつ投手有利な球場に助けられた内弁慶な投手だと考えていた。
昨季の彼は球威のなさをカバーできる特筆すべきツールがなく、ホーム・アウェイでのパフォーマンスに大きな差があったからだ。
しかし今ではそんな評価はナンセンスだ。
制球力はMLBでも屈指のもとなり、相変わらずホームに助けられているもののそれで彼の評価が落ちることはない。
なぜならアウェイでは圧倒的な投手、ホームではより圧倒的な投手になるだけだからだ。
この大ブレイクは岩隈自身の実力とマリナーズの強化プログラムによるもののようだが、注意しなくてはいけないのが彼はまだMLBのローテーションでフルシーズンを投げ抜いた経験がないという点だ。
日本時代は怪我がちだったことは言うまでもないし、疲れで制球が甘くなれば一発病は深刻な域に達するだろう。
そのためマリナーズは序盤90球前後で交代させるなど慎重な起用に徹している。
果たして岩隈は32先発(あるいは33先発)に耐えられるのかどうか。
特に疲れや暑さが出てくる夏場の投球には注目したい。

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