2013年12月17日火曜日

田中のメジャー移籍が決定的に FA投手市場も動き出す?

MLB、NPB間で新ポスティング制度が締結され、これでこの問題は一応の解決を見たことになる。
この問題の中心にいたのは今オフメジャー挑戦の可能性が取り沙汰されていた田中将大とその所属球団楽天だ。
今季24勝0敗という圧倒的なパフォーマンスで歴史的シーズンを送った田中はその実力をMLB球団からも高く評価されており、従来のポスティングシステムならばポスティングフィーがダルビッシュと同等(50Mドル程度)かそれ以上になること間違いなしだった。
しかし今回締結された新制度では上限が20Mドルまでとなり、選手側はその上限に達した球団全てと交渉できるようになった。
そのため選手側としては移籍球団をある程度選べる上に契約内容の向上も見込めるようになった反面、所属球団としてはどんな選手でも上限が決まってしまっているためポスティングでの収入が従来低くなってしまったわけだ。
ビジネス的観点で見れば、この20Mドルを得ることとその選手が残留することでチームが得られるであろう収入を天秤にかけて考えるべきであり、今回の楽天はまさにそうだった。
楽天側は当初田中のメジャー移籍を容認する姿勢を見せていたものの、新制度が固まってくると難色を見せるようになった。
それもそのはず50億円はくだらないと思っていたものが約20億円まで下がってしまったからだ。
実際田中を放出してしまうと楽天が来季も優勝する可能性は大きく下がってしまう。
そう考えると楽天側の動きも当然のものに思える。
しかし今回どうやら楽天三木谷社長は田中の夢を尊重することにしたようで、メジャー移籍を容認するという。

これによってMLB球団の動きも変わってくる。
今オフのFA市場は、カノーなどの大物野手たちが積極的な動きを見せた反面投手の動きは低調だった。
サンタナ、ヒメネス、ガーザ、バーネットなどの2,3番手クラス以上の先発投手がまだ大きな動きを見せていないのだ。
これはおそらく田中の影響だろうと思う。
田中は年齢的にも市場価値が彼らよりも高く、今オフのFA市場(正確には田中はFAではないが)でも1,2を争う人気銘柄だ。
もちろんMLBでの実績はないが、ダルビッシュ、黒田、岩隈といった先駆者たちのパフォーマンスから、田中も適応できればエース級の活躍をするであろうことが容易に想像できる。
上限が20Mドルに定まったことで(しかもポスティングフィーはぜいたく税に含まれない)先発投手を必要とする球団はこぞって手を挙げるはずだ。
おそらくヤンキースやレンジャーズなどは特に本腰を入れてくるだろう。
そうなれば交渉権を落札できなかった球団、あるいは交渉の末見込みなしと判断した球団が上記の先発投手たちの獲得へと走ることになる。
まずは田中のメジャー移籍表明とポスティング落札の行方を楽しみにしたい。


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