2013年12月3日火曜日

2013年各チームから選ぶそれぞれのMVP

2013年、ワールドシリーズを制したレッドソックスやついにプレーオフ出場を果たしたパイレーツのように歓喜に沸いたチームもあれば、アストロズやマーリンズのように100敗してファンにため息をつかせたチームもあった。
しかし下位に沈みチームとしてはいいとこなしに見えるようなチームにも孤軍奮闘した選手というものがいるものだ。
今回はデータなどからその活躍ぶりを測り、それぞれのチームMVPを探していく。


クリス・デイビス(ボルチモア・オリオールズ)
その強打でMLBを沸かせ、本塁打と打点の二冠も獲得した。2年目のマチャドも攻守に渡って大きく活躍したが、やはりMVPはデイビスで文句なしだろう。

デビッド・オルティズ(ボストン・レッドソックス)
走攻守に渡って活躍したエルズベリー、変わらぬリーダーシップを発揮し攻守に素晴らしいパフォーマンスを発揮したペドロイア、リリーフとして歴史的シーズンを過ごした上原などもいたが、やはり最もふさわしいのはオルティズだ。DH専任のためほとんど打撃だけの活躍だが、ワールドシリーズの鬼神ぶりも含めて彼がいなければワールドシリーズ制覇はなかっただろう。

ロビンソン・カノ(ニューヨーク・ヤンキース)
シーズンを通して安定して活躍し続けたカノ以外にはチームMVPにふさわしい選手は見当たらない。黒田も終盤の失速がなければ、という惜しい内容だった。

エバン・ロンゴリア(タンパベイ・レイズ)
中盤に調子を落としてしまったものの、プライスやムーアが怪我で離脱し打線でも他に核となる選手がいない中160試合に出場し攻守で大きく貢献した。リーダーシップなど数字に現れない部分も評価すべきだろう。

エドウィン・エンカーナシオン(トロント・ブルージェイズ)
大型補強の甲斐なく最下位にまで沈んでしまったチームの中で昨季同様の活躍を見せた数少ない選手だ。バティスタの怪我もあった中でもはや主砲としての地位を確立したのは間違いない。

クリス・セール(シカゴ・ホワイトソックス)
これぞ孤軍奮闘。強打がウリだった打線は機能せず、リリーフも不安定だった中で負け越しこそしたが投球内容はサイ・ヤング賞級のパフォーマンスだった。来季以降もサイ・ヤング賞レースに毎度顔を出す存在になるだろう。

ジェイソン・キプニス(クリーブランド・インディアンス)
ずば抜けているわけではないものの非常にバランスのいい活躍でプレーオフ進出の立役者となった。2年連続30盗塁に加え打撃は明らかに成長を見せており、地味ながらリーグ有数の二塁手へとなりつつある。さらに成長すれば3割30本30盗塁のトリプルスリーも視野に入れることができるだろう。

ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)
言うまでもなくリーグMVPに輝いたカブレラがチームMVP。打率の一冠に終わったものの打撃の内容では三冠王に輝いた昨季を上回った。投手ではサイ・ヤング賞に輝いたシャーザーも素晴らしい活躍だったが、他にフィルダー以外20本塁打を打った選手がいなかった打線の中での存在感を考えるとやはりカブレラに軍配をあげたい。

ジェームズ・シールズ(カンザスシティ・ロイヤルズ)
移籍初年度にして期待されたエースの重責を見事に果たしてチームを勝ち越しにまで導いた。投球回数はリーグ1位と相変わらずのワークホースぶりで、ロイヤルズに足りなかったものをしっかり埋めた形になった。

ジョー・マウアー(ミネソタ・ツインズ)
113試合出場と相変わらず怪我に悩まされたが打撃も変わらぬ高水準で、守備でも盗塁阻止率4割越えなど貢献した。来季から1塁手へとコンバートすることが決まったが、怪我なく150試合程度には出場することが求められる。

ジェイソン・カストロ(ヒューストン・アストロズ)
若手の成長やルーキーの活躍くらいしかいいところがなかった111敗のアストロズの中で、希望の光となったのはカストロが頭角をあらわしてきたこと。まだまだ課題はあるが捕手でOPS.800越えの打力はやはり魅力的。

マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)
カブレラとMVP争いを繰り広げたMLB最高の外野手の一人トラウト。昨季があまりにも良すぎたため成績悪化が予想されていたが、打撃は昨季よりむしろ洗練された。外野手としての総合力ではもはや歴代でも有数のレベルになりつつある。

ジョシュ・ドナルドソン(オークランド・アスレチックス)
当初は中島のポジション争いのライバルとなるのではないかとも言われていたが、序盤から打ちまくり3割20本を達成した。27歳と少し遅めのブレイクとなったが来季は真価が問われるだろう。

岩隈久志(シアトル・マリナーズ)
メジャー2年目にして早くもサイ・ヤング賞候補にまで上り詰めた。ヘルナンデスとの2本柱は相手にとって脅威以外の何者でもない。中盤疲れのせいか調子を落としたが終盤になってまたしても圧倒するなど来季にも期待が持てる。

エイドリアン・ベルトレ(テキサス・レンジャーズ)
投手ではダルビッシュが大活躍だったが弱体化した打線をなんとか支えていたのがベルトレだ。ホームでもアウェイでも変わらず打ちまくり、怪我もなく今季の三塁手の中で3本指に入る活躍だった。自慢の守備はキャリアで初めてDRSがマイナスになるなど衰えが出始めているのが心配だ。

フレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス)
粗さのあるブレーブス打線の中で唯一抜群の安定感を誇っていた。一塁守備も洗練されており、当初期待されていた通りの選手になりつつある。最高のクローザーであるキンブレルや史上最高峰の遊撃守備を見せるシモンズを捨てがたいが、ブレーブスが安定して勝ち続けたのはフリーマンの存在がかなり大きかっただろう。

ホゼ・フェルナンデス(マイアミ・マーリンズ)
新人離れした投球でナ・リーグを席捲したフェルナンデスが当然ながらチームMVP。彼はスタントンを怪我で失っていたマーリンズファンの心のオアシスだった。マーリンズは他にも若手が台頭しており、実は来季以降かなり楽しみなチームだ。

マット・ハービー(ニューヨーク・メッツ)
野手ではライト、投手ではハービーが大活躍だったが共にシーズン途中の怪我で長期離脱を強いられた。しかしその傑出度ではやはりハービーが頭一つ抜けており、彼が怪我しなければサイ・ヤング賞の行方もわからなくなっていただろう。理想的なパワーピッチャーで今後が非常に楽しみな投手だ。

クリフ・リー(フィラデルフィア・フィリーズ)
高齢化のため多くの選手が苦しんだフィリーズの中で変わらぬパフォーマンスを発揮し続けたのはリーだけ。ハメルズは序盤苦しみ、ブレイクしたブラウンも終盤本塁打がでなくなるなど物足りない結果だった。

ジェイソン・ワース(ワシントン・ナショナルズ)
不良債権化も叫ばれていたベテランのワースが怪我から復帰後覚醒。後半戦はミゲル・カブレラ級の打撃で終盤のチームの追い上げに一役買った。来季以降も同じくらい打てるのであれば汚名返上できるのだが果たしてどうなるのか。

トラビス・ウッド(シカゴ・カブス)
再建中でシーズン途中に主力が次々移籍していく中最後まで安定して活躍した。走攻守すべてにおいて悲惨だったカブスの中では数少ない希望の星だった。

ジョーイ・ボットー(シンシナティ・レッズ)
MLB最高の一塁手は今季も安定しており、162試合に出場し出塁率も相変わらずリーグ最高の数字だった。しかしその四球を選びまくるスタイルには疑問の声も出ており、打点が振るわなかった点に関して主軸なら打ってランナーを返せとの批判も。しかし彼が今最も優れた左打者であることは間違いない。

カルロス・ゴメス(ミルウォーキー・ブルワーズ)
ブラウンを欠き投手も良くなくチームとしては低迷したがゴメスは走攻守すべてにおいてハイレベルな活躍でリーグ有数の外野手の一人へと成長した。もう少し粗さがなくなればトリプルスリーも狙えるだろう。

アンドリュー・マッカッチェン(ピッツバーグ・パイレーツ)
投手は非常にハイレベルながら得点力が低かったパイレーツ打線の中でよく打ち初のリーグMVPも受賞。守備も成長を見せ、完璧な外野手へと近づきつつある。

アダム・ウェインライト(セントルイス・カージナルス)
好成績を残した選手が多いだけにMVP候補も最多二塁打のカーペンターや攻守に圧倒的存在感を見せるモリーナ、3割20本のホリデイなどたくさんいるがその中でもエースとして再び君臨したウェインライトを推したい。カーショウがいなければサイ・ヤング賞でもおかしくない活躍で投球回数1位に加え最多勝も獲得した。ただワールドシリーズではチーム敗退の一因になってしまったのが残念だった。

ポール・ゴールドシュミット(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)
投手ではコルビン、野手ではゴールドシュミットとそれぞれ若手がブレイクしたが、本塁打と打点の二冠に輝いたゴールドシュミットがチームMVPだ。一塁守備もうまく意外にも足での貢献度も高い5ツール型一塁手だ。

トロイ・トゥロウィツキ(コロラド・ロッキーズ)
主力にそれぞれ離脱期間があったが、首位打者のカダイヤーより攻守両面に貢献度が高いトゥロウィツキを推したい。怪我の多さを考えてもなお現役最高の遊撃手である彼は今季も試合に出ている間のパフォーマンスは最高だった。

クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)
チーム内で好成績を残した選手は多いが、MVPはサイ・ヤング賞投手カーショウに決まりだろう。防御率1点台での最優秀防御率と奪三振王を獲得し、現役最高の投手の名を確固たるものとした。順調にいけば彼も球史に名を残すレジェンドとなるだろう。

アンドリュー・キャッシュナー(サンディエゴ・パドレス)
知名度は低いが、剛速球投手がついに覚醒。終盤には7試合連続7回以上のQSに1安打完封など圧倒的だった。来季はかなり期待していいだろう。

マディソン・バンガーナー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)
驚くべきことに投手力のチームが一気に低迷しチームもそれに引きづられる形で負け越した。その中で唯一気を吐いたのがバンガーナーで、3年連続の200回と初の防御率2点台を記録。24歳にしてエースへと成長した。




2 件のコメント:

  1. ダルビッシュがチームMVPに選ばれましたね。
    ベルトレーは守備力が落ちている気がするので少し心配です。
    ロッキーズですが、カーゴがアウェーで打てるようになって内弁慶を解消したようなのでうれしいです。
    ロッキーズは、私はカーゴかな?
    でもトゥロウィツキーも優秀ですね…
    ここは間を取って、ジョーリス・チャシーンでどうでしょうか?

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    1. コメントありがとうございます。
      確かにロッキーズはカーゴもよかったですね。
      ただ110試合と出場試合数が少なく、またポジションの守備優先度も考えて私はトゥロを選んでみました。
      チャシーンもクアーズであれだけの投球は大したものですから候補に上がって当然ですね。
      もうこれだけ同等の候補がいると私はどうしてもWARに頼ってしまいがちになりますから、トゥロ5.6、カーゴ4.9、チャシーン4.3という数字からやっぱりトゥロびいきになってしまいました。
      まあ個人的にファンだというのも少しばかり関係しています。

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