2013年10月17日木曜日

失望のエンジェルスはかつての輝きを取り戻せるのか

昨オフに大型補強でFA市場を沸かせたロサンゼルスの2チーム、エンジェルスとドジャースは蓋を開けてみれば大きく明暗がわかれた。
ドジャースは92勝70敗で2位に11ゲーム差をつけての地区優勝を果たしプレーオフに進出。
それに対してエンジェルスは78勝84敗で2年連続の3位に終わり一度も優勝争いに絡むことがなかった。
両チームはスタートダッシュに失敗したという共通点はあるものの、エンジェルスは新戦力がことごとく結果を出せず、ドジャースは昨季途中で加入した選手や今季新加入の選手がうまくはまったという違いがある。
これが明暗を分けた差だと言っていいだろう。

それではどうすればエンジェルスはかつての常勝チームに戻れるのか、そもそも何が原因で低迷しているのかを考えなくてはいけない。
以下は今季の主要なチームスタッツだ。

打率.264(リーグ3位)
164本塁打(同10位)
733得点(同6位)
出塁率.329(同4位)
OPS.743(同5位)
82盗塁(同9位)

防御率4.23(同11位)
スターター防御率4.30(同11位)
リリーバー防御率4.12(同13位)
1200奪三振(同11位)
WHIP1.38(同13位)

何が悪いのかは明白、なにもかもだ。
と言いたいところだが、実際のところ短期間で全てを改革するというのは現実的ではないため、致命的な問題になっている投手力に目を向けてみよう。
投手のスタッツは軒並みリーグ下位レベルであり、これでそこそこの打線では勝てなくて当然だと言いたくなる。
まず先発に注目してみると、エースのウィーバーは怪我による離脱が痛かったものの復帰後はしっかり仕事を果たしていたし、デビュー以来8年連続での11勝以上も達成した。
二番手のウィルソンも相変わらずの荒れ球も200イニング 防御率3点台 17勝とくればかなりいい仕事をしたと言える。
問題は3番手以降に信頼できる投手がいないことだ。
バルガスは優秀な左のイニングイーターではあるが3番手としてはやや心もとないし、期待されていたハンソンもどんどん質が落ちていって今はローテーションを任せることもできないようになってしまった。
後半戦先発ローテに定着した速球投手のリチャーズも投げてみないとわからないタイプで、本塁打製造機と化したブラントンや5番手としても微妙なレベルのウィリアムズはロングリリーフとして使っていった方がいいだろう。
来季のローテーションはバルガスがFA権を取得したためウィーバー、ウィルソン、リチャーズの他はまだ未確定な状態となると、2,3番手クラスの先発投手の補強は急務だろう。
オフにFAになりそうな中でそれに見合う投手はアービン・サンタナ、マット・ガーザ、リッキー・ノラスコ、AJ・バーネット、バートロ・コロンあたりだろうか。
サンタナは今季素晴らしい活躍だったがクオリファイングオファーの関係上エンジェルスも含めて多くのチームが尻込みしするだろうし、ガーザやノラスコは終盤に何度か炎上したので印象があまり良くない。
バーネットは引退話もある上にコロンは高齢で薬物歴あり、と中々理想的な投手は見つからない。
少し賭けにでるのであれば実績がありながら成績が悪化しつつあるジョシュ・ジョンソンやティム・リンスカムに手を出してみるというのもアリだ。
あるいは前人未到の記録を引っさげてMLB入りの可能性がある田中将大に手を出してみるのも悪くないだろう。
ダルビッシュと同地区ということで日本からの注目度は大きく上がるだろうし、最近の日本人投手の活躍ぶりを考えれば田中が今季の日本人先発投手と同程度の活躍をしてもおかしくない。
個人的にはガーザとリンスカムを獲得しバルガスを引き止めるというのが最良だと考えているのだが果たしてどうなるだろうか。
本当に田中を獲得することにでもなればかなり面白いのだが。

続いてリリーフだが、こちらは先発よりも悲惨だ。
中々悪くない弱点を埋める補強だと考えられていたバーネットとマドソンは怪我でほとんど投げられずじまいの上、肝心要のクローザーも相変わらず本塁打を供給し続けた。
ウォルデンとダウンズの二人をブレーブスへ放出してしまったことで、地盤はかなりゆるくなっている。
希望を見出してよさそうなのは遅咲きのデラロサくらいだろうか。
ローテ入りできなかった先発候補をリリーフに回すとしてもあまりにも信頼できる投手が少ないためこのままではまたリリーフが崩壊することになるだろう。
ここはもう割り切ってトレードなども駆使して即戦力の信頼できる投手を数人補強するしかないだろう。
不良債権を複数抱え込んでしまっているこのチームにはもはや将来性というものはほとんどなく、かつてのヤンキースのように補強を続けるしかないのだ。
それがより負のサイクルを生み出してしまうとわかっていても、今を勝つために悪魔の取引に身を投じなくてはいけないのは勝つことが期待されているチームのつらいところだ。
来季は的確な補強をし、ハミルトンやプホルスが少しでも復活できるように祈りたいものだ。



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