2013年11月3日日曜日

最強の遊撃守備 アンドレルトン・シモンズ

現役で最高のショートストップは誰かと尋ねられると、どういった名前が挙がるだろうか。
 おそらく多くのファンはトロイ・トゥロウィツキーだと答えるだろう。
 そして実際それは間違っていないだろうと私も思う。
 安定して3割30本を打つ一流の打撃に強肩と広い守備範囲を兼ね備えた一流の守備。
 しかも彼はロッキーズの選手でありながら内弁慶の打者ではなくアウェイでも好成績を残すのだ。
怪我が多いという弱点はありながらも、類まれなるリーダーシップという無形の要素も含めて彼が現在MLBで最高のショートだということに異論を挟むことはできない。
 なにせ彼以上のショートはいないのだから。

 それでは守備だけに限定してみてはどうだろうか。
 現役で最高の守備力を持つショートと言うと、トゥロウィツキーの他にはブレンダン・ライアン、ユネル・エスコバー、アレクセイ・ラミレスあたりの名前が挙がるかもしれない。
実際守備防御点など守備のデータ化が進化した昨今ではライアンの守備がMLB最高だと言われてきた。
 しかし今MLBではその”MLB最高の守備”の座を奪いかけている若きショートがいる。
 いやもう奪ってしまったと言ってもいいかもしれない。
それがブレーブスの未来を背負う24歳のアンドレルトン・シモンズである。

今季の成績は157試合 打率.248 17本塁打 59打点 出塁率.296 OPS.692 6盗塁と、ショートとしてはパンチ力はあるものの出塁能力は平均以下で盗塁もそこまでうまいとは言えない割と平凡な打者のそれだ。
 しかしここに守備という付加価値が入ってくると話は変わってくる。

 まずはこちらのいくつかのプレー動画を紹介しよう。

これらを見てもらえばわかるが、彼は驚く程に肩が強いのだ。
それも強肩揃いのMLBの中でもずば抜けた強さだ。
そして今なお発展し続けているDRSでは+41という驚異的な数値をたたき出している。
今季のショートの2位はフロリモンの+12だったことを考えればシモンズの数値がどれだけ飛びぬけたものかよくわかるだろう。
 しかも彼はデビューした昨季もわずか426.0回で+19だった。
シモンズは優れた守備範囲とMLB史に残る強肩を持ち合わせており、さらに2年連続守備率.980以上などミスも少ないという守備においてはもはや非の打ち所がない選手なのだ。
そして今季は2年目にして早くもゴールドグラブ賞も受賞した。
 これを既に24歳の現在で成し遂げているのだから、今後打撃が成長すれば彼がMLB最高のショートになる日もそう遠くはないだろう。
彼は昨季までシーズン6本塁打が最高だったにも関わらず今季は17本塁打を放った。
 打撃、特にパワーは絶賛成長中なのである。

2 件のコメント:

  1. アンドレルトン・シモンズといえば、やはりずば抜けた強肩ですね。
    今季の守備力に関しては歴代でも最高クラスですし、遊撃手ということもあるので守備的価値はやはり大きいですね。
    しかし全ポジションを含めると、シモンズ並の守備力の持ち主もいますね。
    アリゾナの右翼手であるジェラルド・パーラがまさにその1人です。
    http://wapc.mlb.com/play/?content_id=30357127&query=Gerardo%2BParra%2Bthrow
    イチローもびっくりするぐらいの強肩で、現役では一番肩が強いのでは?と思えるくらいです。
    シモンズとパーラには守備のプロフェッショナルとして頑張ってほしいです。

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    1. コメントありがとうございます。
      シモンズの価値はやはり遊撃手という最も守備力が問われるポジションであれだけのパフォーマンスを見せるところにありますね。
      パーラも地味ながらおっしゃる通り強肩と好守で守備評価が高い選手の一人です。
      他には三塁手版シモンズとも言える守備力を持つマニー・マチャドや、今季デビューしいきなりGG賞を獲得したノーラン・アレナード、驚異的なスピードと守備範囲を持つ5ツールプレイヤーのカルロス・ゴメスなど若くて守備力の高い選手が増えてきたのは喜ばしいことですね。
      機会があれば私も守備で魅せる若手選手の記事なども書いてみたいと思います。

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