2013年11月10日日曜日

日本人メジャーリーガーの2013年を採点 ”先発投手編”

大きく躍進したと言える日本人メジャーリーガーたちの2013年を採点する。
今季は投手の活躍が目立った反面、野手にとっては苦難の年となった。


〇岩隈久志(マリナーズ) 95点
33試合(リーグ4位) 14勝6敗(同8位) 防御率2.66(同3位) 219.2回(同3位)
185奪三振(同12位) WHIP1.01(同2位) FIP3.44(同13位) xFIP3.28(同8位)
tERA3.55(同6位) fWAR4.2(同12位) rWAR7.0(同1位)

先発投手として文句のつけようのない結果を残し、サイ・ヤング賞候補の一人にもなっている岩隈はある意味今季最も大きなサプライズを届けた日本人メジャーリーガーだ。
あらゆるスタッツでリーグ15位以内に入っており、結果を重視するrWARでは投手の中ではリーグ1位と高く評価できる投球をしたことが伺える。
特に評価できるのはリーグ3位の219.2回を投げたことでMLBでフルシーズン先発として戦えるのかという不安を一掃したことだろう。
四球などで無駄なランナーを出さず、長いイニングを少ない失点で抑えるという理想的な投球を見せているわけだ。
本来なら期待値を考えても100点と言いたいところだが、被本塁打が少なくないことと夏場に調子を落としてしまった点を考えて5点マイナスした。
投手有利の本拠地に助けられているという意見が出ることもあるが、今季はむしろアウェイ防御率の方が良く、アウェイでも好成績を残せることを証明している。


〇ダルビッシュ有(レンジャーズ) 90点
32試合(リーグ12位) 13勝9敗(同15位) 防御率2.83(同4位) 209.2回(同13位)
277奪三振(同1位) WHIP1.07(同3位) FIP3.28(同8位) xFIP2.84(同2位) 
tERA3.81(同10位) fWAR5.0(同6位) rWAR5.8(同5位)

完全にレンジャーズのエースとして君臨し、あわやノーヒッターという投球を何度か見せた。
また奪三振のタイトルを獲得したが2位以下を大きく引き離しており、今後何度も奪三振王になるであろうことを予見させてくれた。
援護に恵まれなかったために勝敗こそエースらしくない数字に収まってしまったが、久しぶりに日本人で”支配的”という言葉が似合う投手が誕生したと言える。
しかも打者に有利なアーリントンでこれだけの成績は素晴らしい、とここまで言いたいところなのだが今季に限ってはアーリントンのパークファクターは平凡だったため、ダルビッシュがホーム球場の特性に足を引っ張られたとは言い難い(むしろアウェイの方がよく打たれている)。
エースとして申し分ない活躍はしたのだが、被本塁打が多いことと四球がどうにも少なくならない点を考えて90点とした。
しかし昨季と違い防御率4点をこえてしまった月がなく、安定して活躍できていた点は評価すべきだ。


〇黒田博樹(ヤンキース) 80点
32試合(リーグ12位) 11勝13敗(同27位) 防御率3.31(同11位) 201.1回(同18位)
150奪三振(同25位) WHIP1.16(同11位) FIP3.56(同17位) xFIP3.60(同12位)
tERA4.33(同23位) fWAR3.8(同14位) rWAR4.1(同13位)

中盤まで防御率のタイトル争いを繰り広げており、どうにもうだつが上がらない打線に足を引っ張られながらもサバシア不調のヤンキースローテーションの中心をになっていた。
これで3年連続防御率3点台&200回を達成しており、しかもそのうち2年をア・リーグ東地区で過ごしたことでMLBでも指折りの先発投手であることを証明してみせた。
しかし一応プレーオフ進出の可能性を残していた8・9月の大事な時期に2ヶ月連続防御率5点台と一気に調子を落としてしまったのはマイナス材料。
全体としてみれば申し分ない成績なのだが終盤の不調が来季の契約に影響するかもしれない。


〇松坂大輔(メッツ) 40点
7試合 3勝3敗 防御率4.42 38.2回 33奪三振 WHIP1.24 
FIP4.32 xFIP4.81 tERA4.53 fWAR0.3 rWAR-0.1

今季は先発の充実度の低かったインディアンスとマイナー契約を結び、シーズン途中メジャーに上がれるかと思いきや内容が良くなかったこととインディアンスローテーションが割合充実しだしたことでそのままマイナー暮らしを強いられていた。
そこで新天地に活躍の場を求めてメッツと契約。
メッツとしてはシーズン終盤の場つなぎ感覚で、案の定最初の数試合の出来は酷いものだった。
しかし9/8にインディアンス相手に6回途中1失点とそこそこの投球をするとそこから3試合連続でQS&3連勝を記録していい形でシーズンを終えた。
平均88.8mph(約143km)で最速92.3mph(約149km)と球威は明らかに落ちているがスローカーブを多投することで新たな投球スタイルを見つけたようだ。
これで絶望的な状況から首の皮一枚つながり来季の契約に少し希望を持てるようになった。
 



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