2013年11月28日木曜日

日本人メジャーリーガーの2013年を採点 ”野手・リリーフ編”

〇上原浩二(レッドソックス) 95点
73試合(リーグ7位) 4勝1敗 21セーブ 防御率1.09 74.1回 101奪三振 
WHIP0.57 FIP1.61 xFIP2.08 tERA1.07 fWAR3.3 rWAR3.6

シーズン中に歴史的な快投を披露し、ポストシーズンでも圧倒的存在感でワールドシリーズの胴上げ投手になるというほとんど完璧なシーズンを送った。
その名は今では全米に知れ渡り、ボストンのファンで彼の名を知らないものはいないであろうというくらいに知名度を上げた。
しかもそれを38歳という年齢でやってしまうあたり凄みを感じる。
惜しむらくはクローザーへの転向が中盤になってからだったためセーブ数が伸びなかったこと。
来季は今季の再現は難しいだろうがシーズン通してクローザーを務めることができればセーブ王も狙えるだろう。
すでにリーグ屈指のクローザーとしての地位は揺るぎないものになりつつあるが、来季は衰えと披露が懸念されている。


〇田澤純一(レッドソックス) 70点
71試合(リーグ10位) 5勝4敗 0セーブ 防御率3.16 68.1回 72奪三振
WHIP1.20 FIP3.22 xFIP3.03 tERA4.42 fWAR1.1 rWAR1.0

上原の影に隠れてしまったが田澤もレッドソックスの主力投手の一人として十分な活躍を見せた。
相変わらず奪三振が多く与四球は少ないという理想的な投球だが、今季は被本塁打の多さが少々目立った。
また9月に防御率6点台と調子を落としてしまったのももったいなかったが、これは初めてのメジャーフルシーズンで疲れが出てしまったのだろうか。
しかし彼はまだ27歳と若く、このまま順調にキャリアを歩んでいけばレッドソックスのクローザーになるチャンスも巡ってくるはずだ。
 

〇青木宣親(ブルワーズ) 65点
155試合(リーグ16位) 打率.286(同20位) 8本塁打(同101位) 37打点(同97位)
出塁率.356(同19位) OPS.726(同45位) 80得点(同15位) 20盗塁(同16位)
fWAR1.7 rWAR3.0

メジャー2年目となった今季も大きな怪我なく2年連続の150試合以上出場でチームに貢献。
打率、本塁打、出塁率、得点と昨季とほとんど変わらない水準を維持しているように見えるが、二塁打が激減したため打撃貢献度は大きく下がってしまった。
また盗塁も失敗が多く数が伸び悩みリードオフマンとしてはやや物足りない結果に。
それでも守備面での貢献度は高く、DRSは右翼手の中ではリーグ3位という好成績を残しており、特に送球面の評価が高い。
総合的には外野手としては可もなく不可もなくといったところだが、打撃優先の右翼手である以上もう少し攻撃力を上げなくてはいけないだろう。
盗塁成功率と長打力というのが今後の課題となるが、それでいてイチロー、松井以来のメジャー3割の期待もかかる。


〇イチロー(ヤンキース) 40点 
150試合(リーグ34位) 打率.262(同46位) 7本塁打(同129位) 35打点(同126位)
出塁率.297(同68位) OPS.639(ワースト2位) 57得点(同69位) 20盗塁(同19位)
fWAR1.1 rWAR1.4

かつてのレジェンドも年齢による衰えには勝てず、日米通算4000本安打こそ達成したが打率、出塁率、OPS、盗塁などがキャリアワースト。
すでに打撃に関してはメジャーレベルではなくなりつつあり、特に出塁能力と長打力の低さが顕著になっている。
それでも彼に出番が回ってくるのはひとえにその走塁と守備のおかげ。
ライトでの守備は相変わらず優秀で盗塁も数は少ないものの成功率は高い。
もはや速球へ対応できなくなっており来季はメジャー最後のシーズンとなるかもしれず、メジャー通算3000本安打は難しくなってきた。


〇藤川球児(カブス) 10点
12試合 1勝1敗 2セーブ 防御率5.25 12.0回 14奪三振 WHIP1.08
FIP2.80 xFIP2.85 tERA3.13 fWAR0.2 rWAR0.0

メジャーで実績のないリリーフとしては比較的高額な2年契約を結び満を持して海を渡ったが1年目は怪我で早期離脱し不満の残るシーズンとなった。
クローザーになるチャンスもあったがものにできず、来季に期待といったところ。
FIPやtERAが示すように、投球内容自体は防御率ほど酷いものではなかった。
不安視されていた制球面も安定しており、怪我がなければそれなりの活躍は出来ていたかもしれない。
しかし12試合しか投げられなかったため高評価をつけることは当然できない。
6月にトミー・ジョン手術を受けたために復帰は早くても来季6月以降となり、下手をすれば来季も全休という可能性もある。
状況的に3年目のチームオプションが行使される可能性は低いが、3年目以降のために来季復帰してある程度その実力をアピールしておく必要があるだろう。
 


2 件のコメント:

  1. お疲れ様です。青木選手はコンタクト率とか空振り率は素晴らしいですが、やはりパワーが不足していますね。盗塁成功率も今年は悪かったですし・・。でも似た打撃スタイルのスクータロ選手のように長くやって欲しいですね。

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    1. コメントありがとうございます。
      青木はイチローが衰え松井が引退した今MLBで3割の可能性がある唯一の野手ですからね。日本は投手力の強い国とは言え、やはり野手にも頑張ってもらいたいものです。

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