2014年2月18日火曜日

ウバルド・ヒメネスが4年契約でオリオールズと合意

このオフのFA投手でトップ3に入る実力者ウバルド・ヒメネスがオリオールズと4年5000万ドルの契約に合意した。
ヒメネスは数年前はロッキーズのエースでオールスターの先発投手になるなど投手に不利なクアーズ・フィールドでも活躍していた好投手だが、その後一気に不調に陥りインディアンスへトレード。
移籍後も復調せず2012年は防御率5点台にまで落ちた。
原因の一端は自慢の速球の球速が低下したことにあると思われたが、2013年は球速は戻らなかったもののスライダーピッチャーとして復活し奪三振率はキャリアハイを記録した。
特に後半戦の活躍度が非常に高く、オールスター後は13試合で防御率1.82と圧倒的だった。
9月に入ってからは課題だった制球も抜群の安定感を見せており、これが本物の実力なら彼は今季エースとして活躍できるはずだ。

オリオールズは常々エースの不在に悩まされてきた。
デイビス、マチャド、ジョーンズなど野手はタレント揃いだがチェンはエースの器ではなく、期待されたブリットンやマテゥスといった若手も先発ではうまくいかず、挙句の果てに大エースになることを期待されたバンディも怪我で昨季を棒に振ってしまった。
今のところエース級のポテンシャルを持つ投手は若手のゴースマンくらいだが、23歳の投手にそんな重圧を背負わせるわけにもいかない。
しかしヒメネスの加入で状況は大きく変わるだろう。
もちろん彼がエース級の活躍を出来ればの話だが、これでオリオールズローテーションの魅力が格段に上がったことは間違いない。
現状で予想されるローテーションは
ウバルド・ヒメネス
クリス・ティルマン
ミゲル・ゴンザレス
ウェイン・チェン
バド・ノリス
とかなり頑強なもので、ここに若手のケビン・ゴースマン、ザック・ブリットン、そして6月ごろまでの昇格が予想されるディラン・バンディなどが割って入ってくる予定だ。
今まではエース級がいないことでどうしても格落ち感があった先発ローテーションは強豪揃いのア・リーグ東地区でも対等に戦えそうな布陣になりつつある。
打線は言うまでもなく強力で、ここに若手のブレイクなどがあれば地区優勝しても全くおかしくない。
大補強したヤンキースに加え、ディフェンディングチャンピオンのレッドソックスにとってはまたしても厄介なライバルの強化と言えるだろう。
今年もア・リーグ東地区は混戦で魅せてくれるはずだ。




2 件のコメント:

  1. スカーバラ2014年2月19日 19:22

     ここ最近のボルチモア・オリオールズは投打とも戦力が整ってきているという観がありました。先発投手陣に関しても全体的にはある程度計算の立つ陣容であったと思いますが、確かにどの投手も「エース」かといわれると躊躇してしまう感じだったの事実です。ただ、ヒメネスが蘇り先発一番手として活躍すれば他の先発投手にも良い影響を与え全体的なレベルアップにつながると思います(チェン、ティルマン、ゴンザレス等もプレッシャーが軽減されるだろう)。
     オリオールズといえば60年代から80年代にかけては大リーグ史上屈指の大投手陣を擁していました(20勝投手4人ということもあった)。パーマー、マクナリー、クエアー、ドブソン、フラナガン、ストーン、D・マルチネス、マグレガー等々、素晴らしい陣容でした。しかし、かつての投手王国も近年は見る影もなく寂しい気持ちでいたので、もし古のような大投手陣復活ということになれば、うれしいです。

     かつてはア・リーグ東地区で強勢を振るっていたオリオールズも近年は低迷することが多かったですが、ようやく復活してきたのでよかったです。ヤンキースやレッドソックスを打ち倒し、再びトップに返り咲いてくれれば大リーグ全体のためにもよいことだと思います。1983年以来の世界一を目指して頑張ってほしいですね。攻撃の方は大丈夫と思うので、後は投手陣次第だと考えます。

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    1. コメントありがとうございます。
      2年ほど前オリオールズGMのダン・デュケットは「投手は育てる、野手は買う」という当面の方針を口にしたことがありました。
      ブリットンやマトゥスといったプロスペクトが育つ算段で、彼らが主力として活躍し始めたころに野手を強化して優勝を狙いに行くつもりだったのでしょう。
      しかし結局のところ投手はうまく育たず、逆に野手は大きな補強をせずとも強力なものが出来上がりました。
      当初の予定とは違ったとはいえ、結果的にオリオールズは優勝を狙えるチームにまで成長しました。
      ここでしっかり投手を補強したことで、今年もいいチームが出来上がりつつありますが、こういう風に弱小だったチームが時間をかけて強いチームになれるのはやはりMLBの大きな魅力だなと感じます。

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