2013年6月28日金曜日

サイ・ヤング賞レースの行方 ”ア・リーグ”

そろそろ前半戦の終了も近づき、先発投手もシーズンの約半分に登板したことになる。
ア・リーグは例年有力候補となる直近のサイ・ヤング賞投手たちが不調に陥っており、一気にブレイクしてきた投手の台頭も目立つ。
日本人が有力候補の一人になっていることからも日本でもその行方は注目されている。
現時点での成績からレースの行方を考察してみよう。

最有力投手
岩隈久志
16試合 7勝3敗 防御率2.26 107.1回 96奪三振 17四球 被本塁打13 WHIP0.89 
QS率0.75 FIP3.34 xFIP3.19
バックホルツのDL入りによって、岩隈は最有力候補に浮上したと言っていいだろう。
勝ち星こそあまり伸びていないが投球内容は抜群であらゆるスタッツがリーグトップクラスだ。
離脱なく進んで200回、防御率2.50の成績でシーズンを終えることができればサイ・ヤング賞は現実のものとなる可能性が高い。
心配なのはアウェイにおける被本塁打の多さと怪我だ。
過去5年のア・リーグサイ・ヤング賞は全員が防御率のタイトルと210投球回をクリアしている。
つまりこれが一つの基準になってくるだろう。
勝ち星のことはそれほど気にしなくてもいいが、投球回のことを考えればDL入りだけは避けなくはいけない。


次点
フェリックス・ヘルナンデス
17試合 8勝4敗 防御率2.70 116.2回 123奪三振 22四球 被本塁打9 WHIP1.10
QS率0.71 FIP2.51 xFIP2.50
彼を次点に据えたのは信頼できる実績に加え、今季の投球内容向上が著しいからだ。
四球と奪三振がキャリアハイのペースで、ここにきて実力がさらに向上している。
投球内容自体はリーグでも1番と言っていいレベルであり、前半戦はやや不運でもあった。
5失点以上したのが3回と打たれる時は結構打たれてしまう試合があったので、後半戦はそういう試合をどれだけ少なくしていけるか。
後半戦への伸びしろが少なくないため、追い込みも期待できる。


クレイ・バックホルツ
12試合 9勝0敗 防御率1.71 84.1回 81奪三振 29四球 被本塁打2 WHIP1.02
QS率0.83 FIP2.47 xFIP3.22
一時は最有力だったが、怪我による離脱によってレースから脱落しかけている。
前述したようにサイ・ヤング賞の1位票を多く得るには200回という数字が重要になってくる。
もし早期復帰できたとしても、規定投球回ならともかく200回を投げるのはかなり難しくなるだろう。
もし近年久しく見ない防御率1点台でタイトルを獲得し、なおかつ190回程度投げられればまだ勝負になるかもしれないが、それも他の投手次第だ。
ただしこのまま負けなしで15勝以上、防御率1点台で行くのなら投票者たちの考えが今どうなっているのかがよくわかる面白い投票にはなるだろう。



ダルビッシュ有 
16試合 7勝3敗 防御率2.95 106.2回 143奪三振 33四球 被本塁打14 WHIP1.00
QS率0.63 FIP3.14 xFIP2.57
穴扱いするのも申し訳ないような好成績なのだが、最近少しペースダウンしつつあるのでこの位置にした。
本拠地の影響を考えればある程度の防御率などの悪化は仕方なく、投票の際はそこはしっかり考慮してもらえるだろう。
しかし突出した部分が三振しかないと280くらいは越えないと他の投手との兼ね合い次第では評価が上がらない。
ただし逆に奪三振という強力な武器があるため、15勝以上、210回以上、防御率2点台でシーズンを終えれば受賞の可能性は一気に跳ね上がる。
今のペースなら十分可能な範囲だが、ここから暑くなるあいだにどれだけ耐え忍べるかが鍵になる。


マックス・シャーザー
15試合 11勝0敗 防御率3.05 103.1回 122奪三振 24四球 被本塁打9 WHIP0.91
QS率0.73 FIP2.54 xFIP2.83
シャーザーは現役でダルビッシュに次いで三振をとれる投手だ。
しかもコマンドも優れているため四球で自滅することもなく、安定感もリーグ屈指のものを持っている。
言ってみればほぼ弱点がないのだが今季なによりすごいのは11勝0敗という数字だ。
いくら勝敗というものが投手の評価を左右するウェイトが少なくなったとは言え、これだけの数字になってくれば話は別だ。
しかも彼はここに来てさらに調子を上げてきており、今最も手のつけられない投手だと言っていいだろう。
ただしまだ200回越えを達成したことがないため、後半戦のスタミナ配分が少々不安材料か。


大穴
クリス・セール
14試合 5勝6敗 防御率2.75 98.1回 104奪三振 23四球 被本塁打9 WHIP0.96
QS率0.79 FIP3.01 xFIP3.00
今季はチームが弱いためあまりピックアップされていないが、セールは今やリーグ最高の左腕の一人になっている。
昨年から正統進化を遂げており、ここまでかなりの安定感を誇っている。
なによりその若さゆえの爆発力が驚異的で、12奪三振以上の試合を既に3度披露している。
もし後半戦ノッてくるようなら一気にレースの中心に躍り出る可能性もある。
あとはチームの援護次第というところだ。


0 件のコメント:

コメントを投稿