2013年6月19日水曜日

熾烈なナ・リーグ新人王争い

今季のナ・リーグ新人王争いは非常にハイレベルなものになっている。
現時点で有力候補と思われる選手を数人挙げてみよう。

シェルビー・ミラー(カージナルス)
8勝4敗 防御率2.08 86.1回 96奪三振 19四球 WHIP0.96
開幕からローテ入りし、非常に安定した成績を残している。
新人としてはこれ以上ないくらいの出来だろう。
防御率のタイトルを狙える位置にもつけており、チームの好調ぶりも相まって素晴らしいルーキーイヤーになりそうだ。
強いて言えばあまり長いイニングを投げられていないのが欠点だが、一年目の投手にはむしろイニング数的には丁度いいはずだ。


ヒョンジン・リュ(ドジャース)
6勝2敗 防御率2.85 85.1回 75奪三振 25四球 WHIP1.18
あらゆる点で期待値以上の活躍をしてくれていると言えよう。
もしドジャースが彼と契約していなかったらと思うとぞっとするファンも多いはずだ。
大崩れすることも少なく安定感のあるイニングイーターとして素晴らしい仕事をしている。
例年なら新人王の最有力候補と言ってもいい成績だがミラーがそれを阻んでいる上に、他のルーキーに比べて年齢の点から投票で不利になるだろう。


フリオ・テヘラン(ブレーブス)
5勝3敗 防御率3.36 83.0回 66奪三振 16四球 WHIP1.20
ペドロ・マルチネス2世と言われ2011年にデビューするも昨年は不振に陥ったが、今季はスプリングトレーニングでその実力を発揮し、開幕メジャーを勝ち取った。
序盤は打たれることも多かったものの徐々に調子を上げていき5,6月は防御率2点台の好投を見せている。
真価を発揮したペドロはここから追い上げることができるだろうか。


ホセ・フェルナンデス(マーリンズ)
4勝3敗 防御率3.11 72.1回 77奪三振 27四球 WHIP1.15
低迷するマーリンズにおいて数少ない希望の星だ。
予想されていたよりも早い昇格となったためまだ20歳で他のルーキーに比べると若い。
どの点に関してもずば抜けた能力を持っているものの、チームが弱いせいもあってミラー、テヘランなどに比べると印象度が弱い。
クレメンスやバーランダーとも比べられる逸材であり、将来性も他の候補と比べて勝るとも劣らないだけに影に隠れてしまった感があるのは少々もったいない。


ジム・ヘンダーソン(ブルワーズ)
2勝2敗 防御率1.59 22.2回 26奪三振 5四球 WHIP0.88
ブルワーズの新クローザーだが、いかんせんチームがなかなか勝てないためにセーブ数が稼げない。
クローザーは新人王を獲得しやすく彼自身の投球内容も抜群なのだがセーブ数が少ないとどうしても印象度で劣ってしまう。
また今季は先発に逸材が多く出てきてしまったのも彼にとっては不運だった。
ただし遅咲きだったために年齢は30歳と高い。


ジェド・ジョーコ(パドレス)
60試合 打率.284 8本塁打 25打点 出塁率.341 OPS.802
本拠地がペトコ・パークだということを考えるとこの成績はかなり優秀(ただし今季よく打っているのはホームのほうだ)。
昨季マイナーで3割30本100打点を記録していることからも打撃に関してはここからさらに真価を発揮する可能性がある。
開幕から出場し続けているという点も強みだったが、6月9日の試合を最後に15日のDL入りしている。
早期復帰ができれば大きな問題にはならないだろうが、今季は新人王候補に優秀な先発投手が多過ぎるため、受賞するには後半戦で大爆発する必要がある。
守備・走塁での貢献度が高くないのもネックだ。


エバン・ガティス(ブレーブス)
53試合 打率.252 14本塁打 37打点 出塁率.317 OPS.894
そのシンデレラストーリーが話題にもなり、パワーに関しては今季のルーキーの中で頭一つ抜けている。
しかしマキャンが復帰したことで出場機会が制限され、あまり成績を伸ばせない可能性が高い。
30本塁打に到達しても他の候補が落ちてこない限りは受賞は難しいだろう。


上記を見ても解るとおり、ミラーが頭一つ抜け出ている状態だ。
彼の成績はたいていのチームでエースになれるもので、好調カージナルスを象徴している存在と言ってもいいかもしれない。
他にも投手には有力候補が複数おり、彼らも後半戦次第ではまだわからない。
反面少し弱いのが野手の方で、特に走攻守においてトータルで活躍するような選手が皆無だ。
まだ出場試合数が少ないながらもアンソニー・レンドンやヤシエル・プイグなどは面白い存在で、ここからの活躍には大いに期待したい。
今日はメッツのトッププロスペクトであるザック・ウィーラーもメジャーデビューする予定で、今季のナ・リーグはルーキーの当たり年と言っていいだろう。





0 件のコメント:

コメントを投稿