2013年7月23日火曜日

MLB薬物問題についに大きなメス 一方今季最初のビッグトレードも

薬物問題に本腰を入れているMLB機構がついに大きな決断を下した。
今シーズン前に発覚したある薬物問題―マイアミのクリニック「バイオジェネシス」が複数のMLB選手に対して禁止薬物を販売したとされた―によって20人近い選手の名前が新たに薬物使用者として挙げられた。
この中にはすでに薬物の象徴として名高いA・ロッドや、一度は検査で陽性が出たライアン・ブラウンなどトップ選手の名前もずらりと並んでいた。
MLBでは”ミッチェル・リポート”という薬物スキャンダルを機に、薬物に対しての処遇がどんどん厳しくなっている。
今では1度薬物検査に引っかかると50試合出場停止、2度目は100試合出場停止、3度目は永久追放という処分も定められている。

そしてこれだけ制度が整備された中での今回のマイアミ・スキャンダルだ。
今回の件に関して、MLBは非常に厳しい処分を下すことを決意した。
実際に薬物検査で陽性が出ていなくても、クリニック側の証言の聞き取りによって出場停止処分を下すことにしたのだ。
そして薬物使用を公的に否定した時点で2度目の薬物使用に値するという見解を出した。
これによって断固否定したブラウンやA・ロッドの処分はさらに重くなってしまった。
そしてついに7月19日にDLから復帰したばかりのブラウンは今季残り試合を全て出場停止となった。
おそらく現在マイナーで調整中のA・ロッドにも復帰すれば同じような処分が下るだろう。

これは度重なる薬物スキャンダルによってイメージを損なわれているMLBが今度こそ薬物を根絶するという意思表示にほかならない。
今やMLBの薬物検査も進化を遂げており、罰則や検査はオリンピックに準ずるレベルにまでなっている。
それでも薬物も進化しており検査をかいくぐるケースは出てくる。
特に好成績を残して一攫千金を狙っているラテン系の選手は(今回名前が挙がった選手も残念ながらほとんどがラテン系だ)、大きなリスクを犯してでも薬物に手を出すことはやめないかもしれない。
しかし選手会や機構が足並み揃えて薬物追放を目指し始めたことで、いつしかMLBが世界一クリーンなプロスポーツ機構になることをファンとしては信じたい。


この重い話題の一方で、低調だった今季のトレード戦線にようやくビッグトレードが顔を出した。
大物、というにはやや微妙だが今季の目玉の一人とされていたマット・ガーザがレンジャーズへ移籍したのだ。
交換要員となったのはC.J・エドワーズ、ジャスティン・グリム、マイク・オルトなど。
中でも昨年AA95試合で28本塁打を放ったマイク・オルトは今後のレンジャーズを支えていく選手だとされていたほどの有望株だったのだが、AAAに昇格した今季のパフォーマンスが低調だったことでどうやらレンジャーズもプロテクトしておくほどではないと見切りをつけてしまったようだ。
また投手のエドワーズも今季A+で防御率1.83と絶賛ブレイク中だ。
まだこのトレードが両者にとって正解だったのかどうかはわからないが、これをきっかけにトレード戦線がもっと活発になっていくと面白くなるだろう。



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