2013年7月19日金曜日

前半戦総括と今後の展望<ア・リーグ東地区>

レッドソックス 58勝39敗 .598
レイズ 55勝41敗 .573
オリオールズ 53勝43敗 .552
ヤンキース 51勝44敗 .537
ブルージェイズ 45勝49敗 .479

レッドソックスが4月のロケットスタートから地区1位を維持し続けている。
一時は全チームが勝率5割越えも経験した激戦区において1位を維持することは非常に困難だが、それができているレッドソックスは今後も地区優勝の最有力候補となってくるだろう。
その強さの秘密は強力な打線と先発投手であり、実績ある選手がほとんどなだけに怪我以外で多くずれする可能性も低い。
弱点のリリーフは上原をクローザーとして固定できたことと、フラッグディールで補強することによって解決できるはずだ。
ここが改善されれば磐石な体勢が出来上がる。

その盤石な首位を猛スピードで追い詰めつつあるのがレイズだ。
序盤下位に沈んでいたのが嘘のような猛追で、7月に入ってからオールスター前までで12勝2敗という驚異の安定感を誇っている。
開幕後しばらくはチームを打線が支えており、自慢の投手陣が崩れていた。
しかしプライス、ムーア、ロドニー、マギー、ヘリクソンが復活し、アーチャーがブレイクしていることで投手王国が再建されつつある。
今最もノリにノっているチームであり、7月中にレッドソックスと並ぶかもしれない。

昨季の躍進は得失点率を考えればやや出来すぎだった。
そのため今季開幕前は再び最下位に転落するのではないかとも危惧されていた。
実際開幕してみると自慢の強力打線にはさらに磨きがかかり、デイビス、マチャドらのブレイクもあって破壊力だけならMLB屈指のものとなった。
だが投手力が不安定で未だにレッドソックスをとらえることができていない。
他チームに比べてエースと呼べるレベルの投手がおらず、補強も難しいだろう。
フェルドマンの補強とチェンの復帰によって先発の安定感は増すはずだが、打線頼みのチームは後半に調子を落とすことも多いだけに上位2チームに比べると伸びしろは薄い。
キーになってくるのは昨季同様リリーフになるだろう。

高齢選手だらけのヤンキースがこの勝率を保っているのは驚きだ。
毎年リーグ最高クラスの得点力を誇っていた打線が一気にリーグ下位レベルにまで落ちてしまったが、投手陣の踏ん張りでなんとかもっている。
これぞ勝利のメンタリティとでも言うべきか、後半戦ジーターの復帰はかなりの好材料になるが、もう一人の復帰予定選手A・ロッドの出来は意外にもチームの命運を左右することになるかもしれない。
逆に言えばA・ロッドに頼らなければいけないところまできているということで、名門が近年ないほどの窮地に陥っているということが伺える。
その中にあって高齢日本人選手イチローと黒田の活躍は特筆ものだが、やはり後半の伸びしろがあまりないためここからの逆転優勝というシナリオは中々描きづらい。

ア・リーグ東地区において唯一勝率5割を切っているブルージェイズは、開幕前のファンの期待を大きく裏切っている。
どうしてそうなったのかは明白だ。
補強して強力になったはずの先発ローテーションがほぼ全滅。
ジョンソン、ディッキー、バーリー、モローという名前だけなら一流の投手たちが全員防御率4.50より悪いという体たらくで、未だ改善傾向にない。
補強して総入れ替えということもできないだけに、今季の優勝は非常に難しいだろう。
彼らはすべて豊富な実績を備えているという点だげが救いだ。

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